Opinionフーシ派がサウジアラムコを狙った。ジャザン製油所が炎上し中東の緊張が高まる8月9日、フーシ派のドローンがサウジアラムコのジャザン精製施設を直撃し火災が発生した。前日には同派によるイエメン軍基地攻撃で30人が死亡。ブレント原油は直後に2ドル超上昇した。サウジはパキスタン・トルコとNATO型の相互防衛協定を結び、中東の衝突は多国間に広がっている。西田 航Aug 10
Moneyイランがホルムズ封鎖草案を公表した。米国船を弾き、日本のガソリン代が跳ねるイランは8月6日、ホルムズ海峡の通行制限草案を公表した。米・イスラエル船を完全禁止し、その他の国にも積み荷の20%を罰金として科す内容だ。原油相場は1日でブレント3.8%高騰した。封鎖から158日目。日本のガソリン価格はすでに174円台。草案が承認されれば、さらに上がる。西田 航Aug 7
Moneyフーシ派がサウジの「最後の出口」を撃ち始めた。紅海ではインドの船が沈んだホルムズ海峡の再開交渉が大詰めを迎えるさなか、紅海で船が沈み続けている。8月4日、フーシ派はイエメン・ホデイダ沖でインドの帆船型貨物船を撃沈し、同じ週にはサウジアラビア・ヤンブー沖のタンカーを2週間で2度攻撃した。ヤンブーはホルムズを迂回する東西パイプラインの積出港であり、6月にはサウジの海上輸出の9割超がここに集中していた。海峡が開いても紅海が閉じたままなら、原油輸送の袋小路は解消しない。フーシ派は封鎖交渉の当事者に含まれておらず、攻撃を止める合意はどこにも存在しない。原油の中東依存度が9割を超える日本にとって、紅海の安全は調達コストに直結する問いである。西田 航Aug 6
Moneyホルムズ海峡は入り口をイラン、出口をオマーンが管理して再開へ。「サービス料」折半案に米国が反発している2月28日の対イラン攻撃から5か月あまり封鎖が続いてきたホルムズ海峡が、再開に向かっている。ニューヨーク・タイムズが8月3日に報じた合意案は、湾に入る船をイラン管理の航路に、出る船をオマーン管理の航路に分ける。船は通航料ではなく「サービス料」を払い、収入は両国で折半する。米国は「きわめて危険な前例」として反発しているが、通航は1日十数隻まで落ち、6,000人の船員がいまも湾から出られない。原油の9割超をこの海峡に頼る日本にとって、料金所ができるかどうかは調達コストに直結する。西田 航Aug 5
Moneyマドゥロ拘束から7か月、カラカスで移行交渉が始まった。ノーベル賞のマチャドは参加を拒み、選挙時期で米国と割れているベネズエラの移行交渉が8月1日に始まった。政府側と野党側から12人ずつが着席したが、マチャドとゴンサレスは不参加を表明した。選挙時期は10か月以内か2年か。石油と復興資金が交渉の梃子になっている。西田 航Aug 2
Opinion米・イランが2週間続いた空爆の応酬を一時停止、原油7%急落でも「ホルムズ海峡は依然機能不全」の警戒消えず7月27日、米国とイランが2週間続いた空爆と報復の応酬を一時停止したことを受け、ブレント原油は1バレル89.85ドルまで7.2%急落した。だがホルムズ海峡は依然実質的に機能不全の状態にあり、世界の原油・ガス輸送の約2割がここを通過する。米ガソリン価格は紛争前の3ドル未満から4.11ドルへ上昇、インフレ率は4.1%とFRB目標の2倍を超えたままだ。中間選挙まで約100日、トランプ大統領の支持率は36%。原油の9割以上を中東に依存する日本にとって、株高の裏で続く軍事的緊張の火種は輸入物価に直結する問題だ。西田 航Jul 28
Moneyブレント原油が週間14%高で100ドルへ、IMFが示した「戦争とAI投資が相殺する成長率3.0%」の危うさブレント原油が7月24日に1バレル100ドル近辺で終え、週間の上昇率は約14%になった。ホルムズ海峡の通航が細ったままで、湾内には500隻超の船が滞留している。一方でIMFは7月8日の見通し改定で2026年の世界成長率を3.0%に据え置いた。戦争によるエネルギーショックと、AI投資の加速という反対方向の2つの力が打ち消し合っているという読みである。だが平均が動かないことは安定を意味しない。エネルギーを輸入し、同時にAIサプライチェーンを支える日本は、この両方をまともに受ける位置にいる。原油高が電気料金と物価に届くまでの時間差も含めて整理する。西田 航Jul 27
Opinion原油が2カ月ぶり100ドル突破、紅海でも攻撃相次ぎ、崩れた米イラン停戦が突きつける日本のエネルギー依存の脆さ原油価格が7月23日、2カ月ぶりに1バレル100ドルを突破した。引き金はイエメンの親イラン武装組織フーシ派によるサウジ船籍タンカーへの攻撃で、ホルムズ海峡に続き紅海という別の喉元にも供給リスクが広がっている。米国とイランの停戦は7月8日に事実上崩壊し、米中央軍は13日連続の対イラン攻撃を実施した。原油の9割超を中東に依存する日本にとって、この戦争は遠い出来事では済まされない。3月のホルムズ海峡危機からわずか数カ月で再燃した緊張の実態と、日本のエネルギー安全保障が抱える構造的な脆さを、世界メディアの報道をもとに読み解く。西田 航Jul 25
Opinionフーシ派がサウジ海上封鎖を宣言、紅海の要衝バブ・エル・マンデブにも緊張走る。ホルムズと二正面化する原油輸送リスクイエメンのフーシ派が7月20日、サウジアラビアへの海上封鎖を宣言した。標的はバブ・エル・マンデブ海峡、世界貿易の1割強が通過する要衝である。ホルムズ海峡の緊張がすでに続くなか、原油の主要輸送路がもう一本、同時に脅かされる事態になった。原油価格の反応は小幅にとどまるが、市場は「宣言」と「実行」の間で揺れている。日本はサウジ産原油に約15%を依存しており、遠い中東の出来事では済まされない。Bloomberg・Reuters・Foreign Policyなどの報道をもとに、事態の構造と日本への影響を読み解く。西田 航Jul 22
Opinionホルムズ海峡の緊張で原油が急騰しブレント78ドル台へ、日本の原油輸入の93%が通る要衝の危うさ中東の緊張が、再びエネルギー市場を揺らしている。米国とイランの対立が激しさを増すなか、世界の石油輸送の要衝ホルムズ海峡をめぐる不安が原油相場を押し上げた。ブレント原油は一時83ドルまで跳ね、78.86ドルと前日比3.8%高で引けた。WTIも4.1%上昇した。ホルムズ海峡は世界の石油・ガスのおよそ2割が通る細い水路であり、日本は原油輸入の93%をこの海峡に頼る。Fortune、Bloomberg、Al Jazeera、Reutersなどの報道をもとに、供給途絶リスクが日本の物価・電力・金融政策に及ぼす影響と、エネルギー安全保障の課題を読み解く。西田 航Jul 14
Opinionホルムズ海峡で再びタンカー攻撃、米は制裁緩和を撤回。3週間で揺らぐ米イラン覚書と日本のエネルギー生命線ホルムズ海峡で7月7日、2隻の船舶が飛翔体による攻撃を受け、うち1隻のタンカーがオマーン沖で炎上した。米国務省は同日、イラン産原油への制裁緩和措置の撤回を発表し、攻撃を「まったく容認できない」と非難した。6月17日の米イラン覚書でいったん収束した危機が、3週間で再燃した形だ。NPRやアルジャジーラ、The Hillなど世界メディアの報道から、検証メカニズムなき合意の構造的な脆さと、革命防衛隊の動向を読み解く。原油輸入の9割超を中東に依存する日本にとっての調達コスト・海運・外交への影響も整理した。西田 航Jul 8
Opinionハメネイ師死去から4カ月、数百万人動員の国葬とレバノン南部への駐留継続が映す中東停戦の建前と軍事的既成事実の作り方ハメネイ師死去から4カ月あまりを経た7月6日、テヘランで数百万人規模の国葬が営まれた。一方でレバノン南部にはイスラエル軍がなお駐留を続けており、米国とイランが結んだ停戦の建前と、現地で進む軍事的既成事実の作り方には明確な温度差がある。CNN、アルジャジーラ、CFR(外交問題評議会)など世界メディアの報道をもとに、中東の権力空白と力による現状変更が生む新たな不安定性を読み解き、日本企業への影響を探る。西田 航Jul 6
Opinionマドゥロ拘束から半年、統治なき経済再編が続くベネズエラ。石油マネーと中南米右傾化が映す新秩序米軍がベネズエラ大統領マドゥロ氏を軍事作戦で拘束してから7月3日で半年が経った。作戦は成功したが、後任のロドリゲス暫定政権は石油利権の再編を最優先し、その原資がどこへ向かっているのかも不透明なまま、統治の正統性そのものは置き去りにされている。同じ半年でコロンビアも史上最少差の決選投票で右派政権に転換し、ラテンアメリカ全体が右傾化の波に飲まれつつある。ブルームバーグ、CFR(外交問題評議会)、アルジャジーラなど世界メディアの報道をもとに、力による現状変更が生む「成果」と「新たな不安定」の境界線を読み解き、日本企業が学ぶべき教訓を探る。西田 航Jul 5
Opinionホルムズ海峡の封鎖が世界経済を試す。米イラン停戦交渉とドーハの行方を読み解く世界の石油の動脈が止まったままである。6月29日、米イランの応酬が再び激しくなり、世界の石油・LNG取引の約5分の1が通るホルムズ海峡の正常化が遠のいた。米軍がイランを空爆し、イランはバーレーンとクウェートの米軍拠点に報復。一方でドーハでの停戦交渉が取り沙汰されるが、イランは会談を確認していない。海峡は2月28日以降ほぼ封鎖され、通航は約95%減、約2000隻が足止め。IEAは「石油市場の歴史で最大の供給途絶」と評する。それでも記録的な在庫がブレント原油の暴騰を抑え、1バレル73ドル台にとどまる。攻撃と対話が同時に進む複雑な局面を、エネルギーを輸入に頼る日本の調達・物価・備蓄への示唆とともに整理する。西田 航Jul 1
Opinionホルムズ海峡が再び開く。米イラン覚書が示す中東停戦の脆さと、日本の燃料リスク米国とイランは6月17日、戦争を終わらせる覚書に署名した。60日間の停戦延長とホルムズ海峡の通航再開が柱で、海峡は2月28日の米イスラエルによる攻撃以来ほぼ閉鎖されていた(PBS News 6/17、Al Jazeera 6/14)。仲介にはカタール・パキスタンが関与。ただし「初期合意」にとどまり最終合意の課題は残る。原油は和平の足音とともに下げ、6月18日のブレントは79ドル台に。世界経済フォーラムは米イラン協議の不確実性を今月の重要テーマに挙げた。原油輸入の大半をホルムズに頼る日本のエネルギー安保・物価・調達戦略への示唆まで読み解く。西田 航Jun 27