いわき市で続く、企業と副業人材をつなぐ支援
みらいワークスの発表によると、同社はいわき商工会議所、ひまわり信用金庫と連携する。使うのは同社の副業マッチングサービス「Skill Shift」。今年度の支援内容には、企業向けセミナーと、副業人材の求人掲載・掲載までのフォローが含まれる。
ポイントは、企業が外部に頼みたい仕事を求人として出すまでを支えることだ。社内で人が足りないと感じていても、どの業務を切り出し、何を任せるかが曖昧なままでは、経験のある人も応募を判断しにくい。募集の前段階を整える支援は、働く側が仕事の内容を理解するためにも意味を持つ。
一方、受託の継続と、マッチングの成果は分けて読む必要がある。発表には今回の新規求人数、成約数、副業人材の報酬水準は示されていない。6年続いたことを、そのまま採用増や収入増の証拠にはできない。これから求人が出るなら、仕事内容や条件がどこまで具体化されるかが確認点になる。
9月30日のセミナーは受け入れ企業向け
まず動くのは、企業側の理解を深めるためのセミナーだ。いわき商工会議所の案内でも、次の開催内容を確認できる。
| 項目 | 開催内容 |
|---|---|
| 日時 | 2026年9月30日(水)14:00〜15:30 |
| 会場 | いわき産業創造館 IT研修室(ラトブ6階) |
| 参加費 | 無料、事前申込が必要 |
| 主な対象 | いわき市内の中小企業・個人事業主 |
| 申込方法 | 商工会議所の案内にあるチラシ・申込フォームを確認 |
副業を探す個人向けの合同面接会として告知されたものではない。企業は外部人材に頼めることを考える機会として、働く側は今後どのような募集につながるかを見る材料として、それぞれ位置付けたい。
たとえば、企業が「Webで売上を伸ばしたい」と考えている場合でも、現状分析を頼むのか、販売ページを作るのか、公開後の運用まで任せるのかで仕事は変わる。これは今回の募集案件を示す例ではなく、依頼内容を具体化するときの考え方だ。相談だけでよい業務と、継続して手を動かす業務を分ければ、必要な経験や時間を話し合いやすくなる。
本業の副業制度も、条件まで確認する
案件を見つける前後には、所属する会社の副業ルールも確認したい。「副業を認めている」という説明だけでは、どのような契約や活動が対象かまではわからない。
株式会社みらいワークスが8月28日に公表した副業・兼業に関する人事制度の実態調査2026では、副業を認めているという回答は54.6%だった。ただし、原則自由は9.0%で、条件付き許可、例外的許可、非雇用型のみ許可も含んだ数字である。

正社員の副業・兼業制度に関する2025年と2026年の調査結果。出典:株式会社みらいワークス「副業・兼業に関する人事制度の実態調査2026」。図中の数値は回答者の所属企業についての回答であり、国内全企業の比率ではない。図を拡大する。
この調査は6月19〜22日にインターネットで実施され、有効回答は500。対象は製造業で従業員1,000人以上、それ以外では500人以上の企業に属する人事・労務担当者や役員だ。いわき市の中小企業や今回の事業参加企業の調査ではない。
働く側が持ち帰れるのは、自分の会社の「許可」の中身まで確かめる必要があるという点だ。応募したい仕事の契約形態、活動時間、取引先を説明できる状態にして、申請の要否や社内手続きを確認する。調査の割合を、自分にも同じ条件が適用される根拠にはしない。
応募前に揃えたい、仕事と条件の情報
今回の事業に関心がある人は、Skill Shiftの公式サイトで現在の募集を確認するのが入口になる。特定のいわき市の案件が今すぐ募集中かどうかは、個別の掲載情報で確かめたい。事業の発表と、自分が応募できる募集は別々に確認する必要がある。
募集を読む際は、次の点を整理すると、経験をどう生かせるかを考えやすい。
- 何を任されるか。相談、計画づくり、制作、運用のうち、どこまでが担当範囲か。
- いつ、どこで動くか。打ち合わせの時間帯、月の稼働量、現地訪問の要否を確認できるか。
- 何に対して報酬が発生するか。金額だけでなく、対象となる仕事や支払い時期、交通費などの扱いが明確か。
- 誰と進めるか。企業側の担当者、判断する人、必要な資料を共有する方法が決まっているか。
これは特定サービスが一律に定める条件ではなく、応募者が比較するための確認項目である。副業という言葉だけで、夜間だけの稼働や完全在宅を前提にはできない。最初の面談で条件が合わないとわかった場合も、必要な情報が得られたと考えたい。
自分の経験を伝えるときも、肩書きの列挙より、何を改善し、どこまで担当したかを短く整理する方が、依頼との接点を示しやすい。「営業を担当した」から一歩進めて、顧客情報の整理、提案資料の作成、引き継ぎの仕組みなど、説明できる仕事に分けてみる。実績の数字を出す場合は、所属先の情報を公開してよいかも確認する。
地域との関わり方を広く考えるなら、地域おこし協力隊の仕事内容・応募条件も参考になる。ただし、移住や任用条件を伴う制度と、個別企業の副業案件を同じ働き方として扱わず、自分が使える時間と関わりたい業務から選びたい。
まとめ
- いわき市の事業は、副業人材を受け入れる企業の求人掲載までを支える。依頼内容が具体化されることは、応募者の判断にも役立つ。
- 9月30日のセミナーは企業側の活用を支える機会。今回の発表から、新規案件数や報酬の増加までは判断できない。
- 副業先の仕事内容と、本業側の許可条件を両方確認する。肩書きより担当できる業務を整理すると、自分の経験との接点を考えやすい。
出典・参考
- みらいワークス:いわき市のワークシフトプロジェクト受託(2026年9月18日)
- いわき商工会議所:令和8年度 副業人材活用セミナー(2026年9月17日)
- 株式会社みらいワークス:副業・兼業に関する人事制度の実態調査2026(2026年8月28日)
- Skill Shift公式サイト
募集・制度の情報は2026年9月23日に確認した。最新の条件は各公式ページを参照。






