受賞したのは「月2回」の給与維持型
建新は神奈川県横須賀市に本店を置き、戸建住宅の分譲や建築請負などを営む会社です。大会主催者が10月29日に公表した審査結果では、給与を変えずに総労働時間を減らす方式を採り、年間休日を132日にしたと紹介されています。12月16日に予定される全国大会へ、関東・信越の代表として出場します。今回の受賞は地方大会の最優秀賞です。[1]
厚生労働省の若者雇用促進総合サイトに掲載された企業情報にも、月2回・隔週の週休3日制と年間休日132日が記されています。企業が提供する職場情報であり、実施状況を第三者が監査した結果ではありませんが、制度の頻度は主催者発表と一致します。[2]
「週休3日」という名称だけでは、毎週休めるのか、月に数回なのかは分かりません。建新の事例を求人比較に使うなら、「月2回」と「給与維持」を一緒に読む必要があります。勤務日を週4日にして一日の労働時間を延ばす方式とも、労働時間に応じて給与を減らす方式とも条件が違います。
なお、同サイトの「合計143日取得できる環境」という説明は、年間休日132日に前倒しで付与する有給休暇10日と誕生日休暇1日を足したものです。会社カレンダー上の年間休日を143日と読み替えると、他社との比較条件が変わってしまいます。[2]
月1回から広げた、段階的な導入
週休3日制を2026年に初めて導入したわけではありません。建新の2022年4月26日付発表では、2021年4月に始めた試行を経て、2022年4月に本格導入したとしています。当時は全従業員を対象とする月1回の制度で、年間休日は120日から131日へ増えるという説明でした。[3]
| 資料の時点 | 週休3日の頻度 | 年間休日 |
|---|---|---|
| 2022年4月の建新発表 | 月1回 | 131日 |
| 2026年10月の主催者発表・企業掲載情報 | 月2回・隔週 | 132日 |
昔の発表だけを読めば「月1回」、今回の受賞発表を読めば「月2回」となります。制度が段階的に広がっているため、導入時の数字を現在の条件として使わないことが大切です。今回のニュースは、その継続的な取り組みが大会で評価されたことにあります。
休みを増やす前提となった、情報共有と退勤の仕組み
現場と事務所を行き来する仕事では、休日を一日追加しても、確認待ちや報告の手間が残れば、出勤日に仕事が集中します。建新の取り組みで参考になるのは、休日の制度変更と同時に、情報の受け渡しや退勤の運用も変えた点です。
主催者発表によると、同社は2020年に完全週休2日制を導入した際、人事評価、勤怠・現場管理システム、PCのシャットダウン、マネジメント研修を並行して整えました。その後も経理、工程・写真管理、顧客・予実管理、予定の共有などにクラウドを活用し、現場カメラや生成AIも取り入れています。[1]
2022年の会社発表はPCを始業5分前に起動し、終業5分後に停止する仕組みを具体例として挙げています。単に社員へ早い退勤を呼びかけるだけでなく、仕事を終える時間を運用として設けたものです。[3]
情報共有のツールと退勤時刻の運用は、役割が異なります。前者は離れた相手に状況を伝える手間を減らし、後者はその日の仕事を終える区切りをつくります。自社で参考にする場合も、製品名をそろえる前に、「誰の確認を待っているか」「どの情報を二重に入力しているか」を洗い出すと、短縮する作業を選びやすくなります。
発表資料には個々のツールの導入前後を比較する検証データまではなく、生成AIだけで労働時間が減ったと判断することはできません。
労働時間の変化は、複数の取り組みを通じた発表値
大会主催者は建新の6年間の変化として、月間労働時間が197.3時間から168.4時間へ減ったと紹介しています。差は28.9時間です。ただし、比較年度や集計対象の詳しい条件は同発表だけでは分かりません。週休3日制に加え、管理の見直しや研修なども同時に進んだ期間の数字として読む必要があります。[1]
他社で同じ短縮幅が得られるとは限りません。仕事内容や案件数、職種構成が違えば、必要な引き継ぎも変わります。一方、制度の有無だけでなく、実際に働く時間を追い続けるという比較の仕方は参考になります。
採用情報から勤務先を検討する人も、月平均だけで判断せず、応募職種の繁忙期、現場の勤務予定、休日の問い合わせ対応を尋ねると生活を見積もりやすくなります。会社全体の制度と、自分の配属先の一週間を結び付けて確認することが大切です。
応募時は、給与の範囲と休める日を確認する
建新への応募を検討する場合は、公式採用ページから募集職種と応募先を確認できます。主催者発表の「給与維持」は制度の特徴を示していますが、基本給、手当、賞与、固定残業代など個別の募集条件すべてを説明するものではありません。
面談では希望職種を伝えたうえで、追加の休日の決め方、一日の勤務時間、繁忙期の変更、休日対応が必要な場合の扱いを尋ねると具体的です。「月2回」の休みを会社が指定するのか、本人が選べるのかによっても、家族との予定や通院、学習に使える時間は変わります。
休日数と給与だけでなく、仕事を引き継げる仕組みまで見ると、制度が働く人の一日にどうつながるかを考えられます。転職先を比べるための一般的な確認点は、週休3日制の給与・労働時間の解説でも整理しています。
まとめ
- 建新の制度は給与を維持する月2回の週休3日制。毎週の制度や、休暇込みの日数と区別すると、求人を同じ条件で比較できます。
- 月1回の本格導入から拡大し、情報共有、退勤の運用、研修を並行して整えてきました。休日の追加と仕事の進め方を一緒に考えた点が参考になります。
- 労働時間の短縮は複数施策を通じた発表値です。応募時には自分の職種の勤務予定と給与の内訳を確かめると、制度を実際の生活に当てはめられます。
出典・参考
- 全国ワークスタイル変革大賞実行委員会/JDX「最優秀賞に建新 給与を維持した週休3日制で年間休日を132日に増やし、全国大会へ」(2026年10月29日)。
- 厚生労働省・若者雇用促進総合サイト「株式会社建新 企業情報詳細」(掲載日2026年10月5日、10月31日確認)。
- 株式会社建新「トライアルを経て2022年4月に週休3日制本格導入」(2022年4月26日、PDF)。
カバー写真:建設現場での打ち合わせのイメージ。建新の社員・現場ではありません。Mikael Blomkvist/Pexels(Pexels License、トリミング・文字入れ・WebP変換)。







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