ジョブ・カードは経験を広く整理し、職務経歴書は応募先へ伝える
ジョブ・カードは、厚生労働省が様式を定めたキャリア形成のためのツールです。求職者だけでなく、在職者や学生も利用対象に含まれます。転職を決めた後の応募書類づくりに限らず、今の仕事で得た経験や今後の働き方を考える場面でも使われます。[1]
大きく分けると、シートは次の3種類です。名前が似ていても、記入する内容は異なります。
| シート | 主に整理する内容 |
|---|---|
| 様式1・キャリア・プランシート | 自分の価値観や強み、目指す仕事や働き方 |
| 様式2・職務経歴シート | 経験した職務と、そこから得た知識・技能など |
| 様式3・職業能力証明シート | 免許・資格、学習歴・訓練歴など |
公式案内では、蓄積した情報を用途に応じて取り出し、応募書類や相談資料に活用する仕組みとして説明しています。職業能力証明シートという名前も、記入しただけで資格が取れたり、能力が新たに認定されたりする意味ではありません。[1]
一方、応募用の職務経歴書では、その求人で求められる仕事と、自分が担当してきたことの接点を伝えます。経験を整理する段階では幅広く残し、応募するときは、求人に関わる経験を選んで説明します。提出する書類や形式は応募先の指定に合わせます。
書く材料が浮かばないなら、まず一つの仕事を振り返る
ジョブ・カードの職務経歴シートには、職務の内容だけでなく、その仕事を通じて学んだことや身に付けた能力などを書きます。役職や勤務先の名前を並べるだけでは見落としやすい、自分の担当範囲を振り返るための欄です。[1]
たとえば「営業部門の資料作成」を題材に、書き出し方を考えてみます。以下は編集部による架空の練習例です。「資料を作った」で止めず、誰から情報を集め、何を整理し、誰の確認を受けて仕上げたかまで書き出します。その後で、応募先が求める資料作成や関係者との調整に関わる部分を選べます。
- 何を担当したか:依頼の受付、情報の整理、資料の更新など。
- どう進めたか:確認先や締切、使った道具、自分が判断した範囲。
- 何を得たか:説明できるようになったこと、次の仕事でも使えそうな知識や工夫。
成果の数字がないことと、書ける経験がないことは同じではありません。担当していない業務や、測っていない改善率は書かずに、自分が行ったことを具体化します。売上などチーム全体の結果を載せる場合も、自分がどこを担ったかを分けておくと、面接で説明しやすくなります。
作り方は、サイト入力・ダウンロード・紙から選べる
マイジョブ・カードの公式案内には、サイト上で作る、様式をダウンロードしてパソコンで作る、印刷して紙で作る、という3つの方法があります。紙で経験を整理したい人も、最初からサイトのアカウントを作ることだけが入口ではありません。[1]
ダウンロードページでは、ジョブ・カードの各様式に加え、履歴書や職務経歴書の準拠様式も配布しています。手元で記入したい場合は、公式の様式ダウンロードから、自分の用途に合うファイルを選べます。[2]
サイト上で作成する場合は、学生・在職者・求職者からユーザータイプを選び、作成する様式へ進みます。アカウント登録をすると、作成したシートの保存・編集や、履歴書・職務経歴書への転記などの機能を使えます。公式の作成画面案内では、書ける内容のない様式は作成しなくてもよいとしています。[3]
職務経歴書への転記は、登録済みの情報から行う
マイジョブ・カードで履歴書・職務経歴書を作成・編集する機能は、マイページへのログイン時に利用できます。ジョブ・カードから情報を転記する場合は、転記元となる様式2、様式3-1、様式3-2の登録データを使います。転記したい情報が下書きのままなら、内容を確認し、登録してから進みます。[4]
公式FAQでは、転記から登録までを次の順で案内しています。
- マイページの「履歴書・職務経歴書の作成・編集等」から、作成する書類を選ぶ。
- 「ジョブ・カードをもとに作成する」を選び、転記したい項目を選ぶ。
- 入力画面で反映された情報を確認し、修正や追記をする。
- 内容を確認して「登録する」を押す。[4]
転記は、応募先に合わせた説明が自動で完成するという意味ではありません。FAQも、反映された項目を必要に応じて修正し、その他の項目を入力する手順を示しています。転記後に、求人の仕事内容と自分の担当経験がつながっているかを読み直すことが、応募用の書類に整える作業です。[4]
制作物を見せる職種なら、書類だけで説明しにくい担当範囲をポートフォリオへつなげる方法もあります。作品の掲載では、foriioで担当範囲を伝える考え方も参考になります。
下書き保存と登録、手元への保存を使い分ける
マイジョブ・カードの「下書き保存する」は、入力途中の内容を一時保存する操作です。「登録する」は、入力を終えた内容などを登録データとしてマイページに保存する操作で、登録時点で下書き保存のデータは消去されます。[5]
公式FAQには、60分間保存またはダウンロードがない状態が続くと、入力内容が破棄されるという案内もあります。時間をかけて経験を振り返る場合は、別の作業へ移る前や入力の区切りで保存・ダウンロードをしておきましょう。[4]
また、サイトに登録できる履歴書と職務経歴書は、それぞれ3件までです。複数の応募先向けに書類を作るなら、応募先や更新日がわかる名前で手元にも保存すると、どの版を送ったかを管理できます。応募書類には個人情報が含まれるので、共有先や保存場所も選びます。書類の版を残すことと、保存場所の選び方は編集部からの提案です。[4]
書き終える前でも、相談につなげられる
ジョブ・カードは、一人で完成させてから相談するためだけの書類ではありません。公式案内では、作り方がわからない場合に作成段階から相談できることも示しています。マイジョブ・カードの無料キャリアコンサルティング案内から、厚生労働省のキャリア形成・リスキリング推進事業の相談先へ進めます。[1][6]
「ジョブ・カードを知る」では、同事業の相談を原則1回と案内し、学生には学内のキャリアセンターや進路指導部等への相談を勧めています。対象や予約方法は、利用する窓口で確認してください。[1]
転職するか迷っているなら、「何が不満か」だけでなく、続けたい仕事、変えたい働き方、次に学びたいことを持っていくと、相談したい範囲を絞れます。応募前なら、職務経歴シートと求人票を並べ、自分の経験をどこまで説明できているかを相談する使い方が考えられます。
まとめ
- ジョブ・カードは、職務経験・学習歴・希望を整理する材料になる。応募用の職務経歴書では、その中から求人と関わる経験を選んで説明する。
- サイトでの応募書類作成はログインが必要。登録済みデータの転記後も、修正・追記と内容確認を行う。
- 下書き保存・登録・ダウンロードは役割が異なる。相談支援も使いながら整理し、応募先ごとに送る書類の版を管理する。
出典・参考
- 厚生労働省「マイジョブ・カード:ジョブ・カードを知る」
- 厚生労働省「マイジョブ・カード:ジョブ・カード様式のダウンロード」
- 厚生労働省「マイジョブ・カード:ジョブ・カードをつくる」
- 厚生労働省「マイジョブ・カード:よくあるご質問」
- 厚生労働省「マイジョブ・カード:下書き保存する・登録するの違い」
- 厚生労働省「マイジョブ・カード:無料のキャリアコンサルティングを活用する」
編集注記:公式資料の確認日は2026年10月27日。広告・アフィリエイトリンクはありません。解説は公開されている様式・操作案内に基づき、アカウントを作成した実利用レビューではありません。







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