価格引き上げの対象と幅
今回の値上げは先端・成熟ノードの双方を対象とする。
7nm以下の先端プロセスについては、ノードや顧客によって5〜10%の基本値上げが予定される。12nm、16nm、28nmといった成熟ノードでも最大10%の引き上げが計画されている。また、当初の計画を超えた追加HPC向けチップ容量を発注する顧客に対しては、標準値上げに上乗せして10〜15%の追加プレミアムが課されるため、一部ケースでは合計最大25%の値上げとなる。
TSMCは2026年6月から主要顧客との交渉を開始し、7月に完結したとされる。新価格の適用開始は2027年初頭を予定しており、Apple、NVIDIA、AMD、MediaTekなど主要顧客は自社製品の価格設定と調達計画に組み込む時間的余裕を与えられた形だ。
AI需要と海外工場コストが背景、業界全体に波及
TSMCが値上げに踏み切る背景として、原材料・製造装置の調達コストの上昇と、米国・日本・欧州での新工場建設に伴う固定費の増大が挙げられている。AI向け半導体の需要急拡大も製造能力の逼迫要因として作用しているとされる。
TSMCに限らず、Vanguard International Semiconductorも価格引き上げを実施しており、UMCは2026年7月から値上げを開始した。EUV露光装置を供給するオランダのASMLも値上げを検討中で、半導体製造コストの転嫁が業界全体に広がっている。
最終的にはスマートフォン、PC、ゲーム機など幅広い民生機器への価格転嫁につながる可能性がある。
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