1日10億回の推論、前年比20倍の成長
Basetenが開示した指標は、AIインフェレンス市場の急拡大を端的に示している。
同社プラットフォームは現在、1日あたり10億回以上の推論呼び出しを処理する。グローバルで87クラスターを運用し、18のクラウド環境をまたいで稼働している。
売上高は前年比で約20倍の成長を記録した。この数字は、AI活用が「モデルを学習させる段階」から「モデルを量産稼働させる段階」へ本格移行していることを示す。
トップVC・機関投資家が競って参加したラウンドの構造
今回のラウンドはAltimeter Capital、Conviction、Spark Capitalが共同リードを務めた。
Sands Capital、Wellington Management、IVP、Greylock、01Advisors、Blackbird Ventures、Durable Capital Partners、D.E. Shaw Venturesなどトップティアの投資家が軒並み参加した。
調達はふたつのトランシェで実施された。一方は130億ドル評価、もう一方は110億ドル評価と段階的な設定になっており、2025年後半からの急成長軌跡を価格に反映させた構造になっている。
AIインフラの「重心移動」——学習から推論へ
Basetenの台頭は、AIインフラ市場における構造変化を映している。
これまでのAIブームでは、大規模モデルを学習するGPUクラスターと、それを供給するNvidiaやAWSが注目を集めた。しかし現在、学習済みモデルを実際のサービスに組み込む「推論フェーズ」のコストと規模が急速に膨らんでいる。
Basetenはこの推論フェーズに特化した最適化スタックを提供し、コスト削減とスループット向上を同時に実現する。TogetherAI、Fireworks AI、Cerebras Systemsなど同様のポジションを狙うスタートアップも相次いで大型調達を実施しており、「推論インフラ」は2026年のAI投資の中核テーマとなっている。
スタンフォード大学の「2026 AI Index」によれば、2025年のグローバルAIへの民間投資は3447億ドルで、前年比127.5%増に達した。その投資の重心が、モデルの開発から、モデルを動かすためのインフラへと移行しつつある。
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