2028年入社の提示額は36万円
今回の発表は2028年入社の新卒採用についてのものだ。2027年入社の月額34万円から2万円引き上げる。同社は、早期にマネージャーを担う可能性を特に高く評価した学生には月額42万5,000円を提示する方針も示した。42万5,000円は新卒全員に適用される金額ではない。 入社後の給与は担当業務や評価に応じて見直され、増額だけでなく据え置きや減額もあり得るとしている。[1]

初任給の比較では、入社年度も条件の一つになる。2027年入社を予定している人が、2028年の提示額を自分の条件として扱うことはできない。また、今回の新卒採用の発表から、既存社員や中途採用者の最低月給が同じ額になったとは判断できない。
このニュースを転職先探しの参考にする場合も、企業名だけで待遇を結び付けず、自分が応募する職種と採用区分の募集要項を開く必要がある。新卒向けの金額はそのまま中途採用の相場を示す数字にはならない。
月給と年収をどう読み分ける?
総合職の募集要項に記載された初年度想定年収432万円は、月額36万円の12か月分に相当する。月45時間を超えた時間外労働には別途手当を支給するとしている。一方、決算賞与は通期決算に応じて支給する場合がある、という条件付きだ。初年度想定年収と、条件付きの決算賞与を足して確定年収として示さない。掲載された過年度の実績は、入社する年度の支給保証ではない。[2]
ここで確認したいのは、36万円をそのまま基本給として比較しないことだ。同じ月給を掲げる求人でも、残業代を別に支給するものと、一定時間分を含むものでは構成が違う。固定残業代の対象時間は、実際に毎月その時間だけ残業するという実績値でもない。勤務実態を知りたいなら、給与の欄とは別に、配属候補の部署について質問する必要がある。
応募前の確認を三つに分けると整理しやすい。
- 基本給と固定残業代の金額、それぞれがどのように示されるか。
- 固定分を超えた時間外労働の扱いと、応募する部門の実際の働き方。
- 年収に含まれる項目と、業績や居住条件などに左右される項目。
これは各社の待遇を点数化するための表ではない。比較する金額の意味をそろえるための確認順だ。手取り額は税・社会保険や本人の条件によって変わるので、月給から一律に推定しない。今回、募集ページから基本給と固定残業代の個別金額までは確認できなかった。そのため、本文でも差額を逆算して確定値として示していない。
企業ごとの採用条件を確認する際は、SmartHRの年収・採用条件を整理した記事も参照できる。別企業の待遇を直接比較するのではなく、どの項目を募集要項で確かめるかを考える入口にしてほしい。
総合職の応募対象と配属を確認する
確認した総合職の本選考は、2028年3月に大学または大学院を卒業する人が対象。採用予定は10名前後で、正社員の募集だ。開発職は別の求人として案内されているため、総合職の業務や条件をそのまま開発職へ当てはめない。[2]

募集要項には、入社後の研修を経て配属を決める流れと、営業部門やTayori事業部などの配属先候補が示されている。ただし、配属可能な部署は変わる場合がある。本人の希望に沿った過去の配属実績が記載されていても、それを自分の希望先の保証として読むべきではない。[2]
給与に魅力を感じた後は、「どの仕事でその待遇を受け取るのか」まで確認したい。たとえば希望がサービス企画なのか、顧客への提案なのかでは、説明会で聞くことが変わる。配属候補の名称だけで仕事内容を決めつけず、最初に任される仕事、評価される成果、配属の決め方を質問すると、入社後の期待を具体化しやすい。
AI時代の評価方針は、採用増の証拠か?
同社は発表で、AIの活用が進む中でも、顧客の課題を捉え、判断して実行する力や、事業・チームを担う力を評価する考えを説明している。これは給与改定にあたっての企業側の評価方針であり、AI導入による採用増加を実測した調査ではない。[1]
今回の発表だけで、広報関連の職種全体の求人が増えた、AIによって同社の給与が上がった、と因果関係を結論付けることはできない。会社の方針、採用予定人数、仕事の市場全体の動きは別の情報だ。新卒採用の数字を業界の将来予測に広げないことが、ニュースを読む際の判断になる。
学生にとっては、使えるAIツールの名前を増やすだけでなく、仕事の中で何を判断する人が求められているかを知る材料にはなる。説明会では、AIを使う業務の範囲や、出力を誰が確認するか、若手に任せる判断の範囲などを聞くと、方針と実務の接点を確かめられる。これは編集部が提案する確認事項で、同社の選考で実際に問われる内容を示すものではない。
次に見るのは公式募集要項
応募を検討するなら、2028年新卒採用の公式案内から対象職種の募集要項へ進み、説明会と本選考の手続きを分けて確認したい。公式案内にある説明会の参加手続きと、本選考の書類提出は同じものではない。日程や募集状況は変更され得るため、申し込む時点の表示を確認する。[3]
最初に「自分が対象の入社年度・職種か」を確認し、次に給与の構成、最後に業務と評価の話を聞く。この順なら、金額の印象だけで応募先を決める前に、判断に必要な条件を集められる。基本給と固定残業代の内訳が個別の提示書面で示されるかも、応募先へ確かめる項目として残る。
まとめ
- 月額36万円は2028年新卒の提示額。特別評価による42万5,000円と、全員の条件を混同しない。
- 総合職の月給には固定残業代を含む。年収や賞与、実際の残業時間はそれぞれ別に確認すると比較の意味がそろう。
- AI時代の評価方針と、雇用市場の実績は別の情報。応募する職種の業務・配属・評価まで確認することが、このニュースを自分の判断へつなげる。
出典・参考
- 株式会社PR TIMES「28年新卒の初任給を月額36万円に改定|事業の成長を担う力を評価」(2026年10月9日)発表資料
- 株式会社PR TIMES「01-28. 2028新卒(総合職)本選考エントリー」(2026年10月12日確認)公式募集要項
- 株式会社PR TIMES「2028年新卒採用」(2026年9月24日付、10月12日確認)公式採用案内
広告・編集注記:この記事にアフィリエイト広告はありません。公式資料の確認日は2026年10月12日。給与の個別内訳、実際の残業時間、配属・評価の運用について、編集部が社員への取材や実地確認を行ったものではありません。カバーには公式の入社式写真を使用しています。







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