平均給与772万円は、誰の給与を集計した数字か?
株式会社SmartHRの平均年間給与は、2025年の課税支給額をもとにした会社公表値です。成果給を含む支給額の合計を、各月の対象者数から求めた12カ月平均の社員数で割っています。対象は正社員、契約社員、アルバイト・パート。正社員の中央値や、中途入社者への提示額を示す数字ではありません。[1]
| 確認する数字 | 意味 | 読み違えやすい点 |
|---|---|---|
| 平均年間給与772万2,000円 | 2025年の支給実績を集計した平均 | 応募者全員に提示される額ではない |
| 求人の想定年収 | その職種の募集条件として示す例 | 成果給を含むか確認が必要 |
| 月次給与×12カ月 | 毎月の給与を年換算した額 | 基本給だけとは限らない |
SmartHRは、人事労務を入り口に、給与・勤怠や人材配置・育成などの領域へ事業を広げる企業です。企業研究ではサービス名の知名度だけでなく、どの領域の仕事に応募するかを特定したいところです。人事労務ソフトを使ったことと、その開発・販売・導入支援ができることも別の経験です。[2]
平均額だけで応募を決めると、自分が担う仕事の範囲や、評価される経験が抜け落ちます。まず対象の求人を一つ開き、職務内容と必須要件、その下にある賃金欄をセットで読むと、会社全体の数字を自分の条件へ結び付けやすくなります。

MLエンジニアの想定年収は、成果給を含めて900万〜1,600万円
SmartHRの「【AI開発部】MLエンジニア」の正社員募集では、想定年収例が900万〜1,600万円、成果給を除く年収が750万〜1,344万円と示されています。月給は62万5,000〜112万円です。スキルに応じて個別に等級と金額を決める条件であり、SmartHR全職種の給与相場ではありません。[3]
この求人の年収は「月次給与×12カ月+成果給」で計算されます。成果給は会社の裁量で決まり、全社業績や個人評価、等級により変動します。提示額を比較するときは、毎月の支給額と、変動する成果給を分けて確認するのが出発点です。[3]
月給の下限62万5,000円の内訳は、次のとおりです。
| 項目 | 金額・対象時間 |
|---|---|
| 基本給 | 45万8,080円 |
| みなし残業手当 | 16万1,194円、月45時間相当 |
| みなし深夜手当 | 5,726円、月8時間相当 |
| 合計 | 62万5,000円 |
実際の労働時間で計算した手当がみなし手当を上回った場合、超過分は別途支給すると記載されています。**固定手当の対象時間は、その人が実際に残業した時間ではありません。**基本給、固定手当、成果給を一つの「年収」にまとめたまま比較しないことが大切です。[3]
この募集では、AI・機械学習を大規模な本番システムで開発・リリースした経験などが必須です。学習しただけの段階と、利用者がいるサービスを開発・運用した段階を同じに扱わず、自分が担当した工程と成果を職務経歴書に整理すると、応募条件との対応を確かめられます。[3]
リモート可でも、職種によって出社条件が違う
SmartHRの採用サイトは、ビジネス・コーポレート側を「リモートワーク可」、プロダクト側を「フルリモートワーク可」と区別しています。いずれも居住地は国内に限られ、ビジネス・コーポレート側では部署の出社推奨日が設けられる場合があります。[4]
個別求人では、違いがさらに具体的です。先ほどのMLエンジニアは国内でのフルリモートが可能。一方、「カスタマーサクセス(情シス領域担当/新規事業立ち上げフェーズ)」は、リモート可でもフルリモートは不可とされています。出社日数の指定はないものの、所属組織から出社や顧客訪問を指示する可能性があります。[3][5]
「週何回」という数だけでは、居住地の判断はできません。たとえば遠方への転居を考えているなら、次の点まで確かめたいところです。
- 出社の目的と頻度:チームの集まり、顧客訪問、入社直後の受け入れで必要になるか。
- 交通費の扱い:通勤手当の範囲か、会社が認める遠方居住者の業務上の出張として扱うか。
- 場所を変える手続き:自宅以外で働く場合の申請と、国内居住の条件に合うか。
採用サイト上の通勤手当は月3万円を上限に出社日数分を支給し、会社が認める100km超の遠方居住者の業務上必要な出社交通費は、出張扱いで精算可能とされています。遠方に住んでいれば自動的に対象になるとは読まず、応募職種で確認しましょう。[4]
フレックスと副業は、利用条件まで読む
SmartHRの勤務時間はコアタイムなしのフレックスタイム制で、働ける時間帯は5〜22時です。ただし、採用サイトには就業や会議が多い標準時間帯として10〜19時も示されています。毎日好きな時間だけで完結する働き方と決めつけず、配属先との協働時間を確認する必要があります。[4]
副業も申請したうえで条件を満たす場合に可能です。公式FAQには、本業の就業中に行わない、本業に支障をきたさない、会社の品位を落とす仕事ではない、競合他社の利益になる仕事ではない、雇用関係を生じない個人事業主としての仕事である、という条件が示されています。[6]
副業を続けながら転職する人は、「副業可」の一言で判断せず、いまの契約形態と業務内容を採用担当者に説明して確認したいところです。SmartHRは既存の副業を入社後も継続できるか、内定時に確認できると案内しています。[6]
応募前は、求人と自分の経験を一対一で照合する
SmartHRの求人は、職種名が似ていても必要な経験が異なります。情シス領域のカスタマーサクセス求人では、法人営業3年以上に加え、情報システム領域で課題解決を提案した経験、またはIT・SaaS業界のカスタマーサクセス経験が必須要件です。「顧客対応が得意」という説明だけでなく、どんな顧客のどんな課題を担当したかを示す準備が必要になります。[5]
応募準備は、次の順で進めると比較する条件が揃います。
- 求人を保存する。確認日、職種名、必須要件、給与の内訳、勤務地を控える。
- 要件に対応する経験を書く。担当範囲、使った技術や提案方法、結果を説明できる事例を選ぶ。
- 未確認の条件を質問にする。成果給の前提、出社・訪問、試用期間、副業の扱いを具体的に挙げる。
- 選考の準備期間を見込む。日程だけでなく、技術課題やリファレンスチェックに必要な対応も確認する。
公式FAQでは、面接は最終面接を含め2〜4回程度、書類選考からオファー面談までは約1カ月が目安です。リファレンスチェックは必須と案内していますが、個別求人に異なる記載が残る場合もあるため、対象ポジションの最新の流れを採用担当者へ確認してください。[6]
企業間で条件を比較するなら、サイボウズの給与・働き方を整理した記事も参照できます。平均給与の大小だけで順位を付けず、同じ経験・役割を想定した求人の条件を並べることが、納得できる転職判断につながります。実際の応募先は、SmartHR公式採用サイトから最新の募集職種を確認してください。
まとめ
- SmartHRの平均年間給与772万2,000円は、2025年の複数の雇用形態を含む実績値。個別の提示年収や正社員の中央値とは区別して読む。
- 求人の想定年収は、基本給・固定手当・変動する成果給へ分解すると比較しやすい。高い年収例には、その職種が求める経験も対応している。
- リモート勤務や副業の条件は、会社の制度と個別求人の両方で確かめる。勤務地や契約形態まで質問を具体化すると、入社後の働き方をすり合わせやすい。
出典・参考
- 株式会社SmartHR「人的資本に関する取り組み」(2025年データ、2026年3月時点の開示)
- 株式会社SmartHR「事業から見るSmartHR」
- 株式会社SmartHR「【AI開発部】MLエンジニア」募集要項
- 株式会社SmartHR 採用サイト「働く環境を知る」
- 株式会社SmartHR「カスタマーサクセス(情シス領域担当/新規事業立ち上げフェーズ)」募集要項
- 株式会社SmartHR 採用サイト「よくあるご質問」
各資料は2026年10月6日確認。求人や制度は変更される場合がある。カバーは働く場所のイメージで、SmartHRのオフィスや社員の実写ではない。写真:ergonofis / Unsplash(Unsplash License)。






