10月度給与から増額、支給は11月から
今回の対象は正社員と契約社員で、増額幅は業績に応じて決まる。最大額の1万円が全員に適用されるわけではない。同社は物価高が続くなか、従業員の働く意欲と生活基盤を支えることを目的に挙げている。[1]
発表内容を整理すると、次のようになる。
| 項目 | 今回の改定 |
|---|---|
| 対象 | 正社員・契約社員 |
| ベースアップ額 | 業績に応じて4,000~1万円 |
| 適用 | 2026年10月度給与 |
| 支給への反映 | 2026年11月支給分 |
「10月から」と「11月から」は矛盾しない。給与の対象月と、実際に支払われる月が違うためだ。生活費の見通しを立てるときは、支給月まで確認したい。
なお、発表資料には個人ごとの増額を決める詳しい算定方法は示されていない。応募者が自分の提示給与を知るには、募集要項に加えて、選考時の条件確認が必要になる。
春の月給増には賞与の振り替えも含まれる
春の変更を振り返ると、月給の見え方には別の要素もある。ノジマが2月に公表した2026年度の一般入社の初任給は34万4,000円で、改定前の31万7,000円から2万7,000円増えた。[2]
この増額には、4月度給与からのベースアップと、賞与の一部を月給に移す変更が含まれる。同社は賞与の支給回数を年4回から2回に変え、年間の支給総額を変えずに、2回分を「業績手当」として月々の給与へ上乗せすると説明している。[2]
したがって、月給の差額2万7,000円を12倍し、その全額を年収の純増とみなす読み方はできない。支払いの時期を変えた部分と、給与そのものを引き上げた部分を分ける必要がある。
毎月受け取る額が厚くなることは、家計のやりくりに関わる。一方、年間の待遇を比べたい人には賞与を含めた総額が必要だ。どちらを知りたいかによって、見る数字が変わる。
同じ2月発表にある「初任給最高40万円」も、一般入社の一律額ではない。同社で1年以上のアルバイト経験があり、成果と提案力を備えた学生向けの「出る杭入社」で、直近1年間の評価をもとに決める各種手当込みの上限だ。[2]
求人では基本給・手当・対象地域を分けて読む
公式の新卒募集要項を9月28日に確認すると、関東甲信越東海地区の大学卒は支給額34万4,000円、内訳は基本月額29万5,000円と諸手当4万9,000円。一方、新潟エリアの大学卒は支給額33万1,000円と記載されている。学歴・地域が違えば同じ金額ではない。[3]
募集要項の諸手当欄には、店舗手当(見込残業)と業務手当が示され、対象として店舗・物流・コールセンターが挙げられている。ただし、この欄だけでは見込残業の時間数や各手当の内訳を読み切れない。応募する職種にどの手当が適用されるか、残業時間に対応する額はいくらかを確かめたい。[3]
同ページには社内SEなどの専門職も掲載されている。社内SEの業務例はアプリ・ECサイトの開発やPOSシステムの保守管理で、月1回程度の店舗応援も条件として記載されている。給与額と仕事内容を、同じ職種の条件として照合することが大切だ。[3]
また、ここで紹介した募集要項は新卒向けであり、中途採用の提示額を保証するものではない。10月の改定後の自分の給与についても、掲載額に最大1万円を自己判断で足すのではなく、応募先に確認するのが確実だ。
企業を比較する際は「基本給」「適用される手当」「賞与」「職種・勤務地」の順に整理すると、総額だけでは見えない差をつかみやすい。別の企業例は、サイボウズの給与と働き方を公式採用情報で確かめる記事でも紹介している。
まとめ
- ノジマの今回のベースアップは10月度給与が対象で、実際の支給は11月から。増額幅には業績による差がある。
- 春の初任給増には賞与を月給へ移した部分も含まれる。月給の差額だけで年収増を計算できない点が、給与ニュースを読む際の注意点になる。
- 応募先の待遇は、最大額だけでなく基本給・手当・職種・地域を揃えて確認したい。新卒の公表額を中途採用へそのまま当てはめることも避ける。
出典・参考
- ノジマ「2026年度2回目となるベースアップを決定」(2026年9月15日)
- ノジマ「26年度新卒社員の初任給を最高40万円へ引き上げ」(2026年2月12日)
- ノジマ新卒採用サイト「募集要項(新卒)」(2026年9月28日確認)
カバー:ノジマのロゴ。出典:Wikimedia Commons/Nojima logo2.svg、作者:ノジマ。PD-textlogo(商標)。縦横比を維持し、余白を付けてWebP化。






