山本正喜とは何者か
山本正喜は、株式会社kubellの創業者であり、代表取締役兼社長上級執行役員CEOを務める経営者である。
大学在学中にインターネット分野で起業し、ビジネスチャット「Chatwork」を育てた。上場後も経営トップに残り、製品名と同じだった会社名をkubellへ変えた。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 氏名 | 山本正喜 |
| 現職 | 株式会社kubell 代表取締役兼社長上級執行役員CEO |
| 創業 | 2004年11月 |
| 主なサービス | Chatwork、BPaaS関連サービス |
| 上場 | 2019年9月、東証マザーズ |
| 現在の市場 | 東証グロース、証券コード4448 |
| 会社名変更 | 2024年7月、Chatwork株式会社からkubellへ |
公式のCEOメッセージで山本氏は、幼いころに親へ頼んでパソコンを買ってもらい、インターネットの登場に衝撃を受けたと振り返っている。
学生起業から始まった
山本氏は大学在学中に起業した。卒業後には、会社経営を続けることを認めてもらったうえで、当時の取引先だった上場企業へ1年間就職したという。
学生起業だけで完結せず、大きな組織で働く経験を挟んだ。現在のkubellが、中小企業向けサービスを提供しながら、上場企業として管理と規模を扱ううえで、この往復は無関係ではない。
山本正喜の学歴と原点
公式メッセージでは大学名より、在学中に起業した事実とインターネットへの関心が中心に語られている。学校名について複数の外部記事があるが、公式資料で確認できる範囲を優先する。
原点は、働く時間への問題意識だった。
| 原体験 | 後の事業への接続 |
|---|---|
| パソコンとインターネット | オンラインで仕事をつなぐ |
| 学生起業 | 小規模組織の業務を知る |
| 上場企業への就職 | 大組織の仕事の進め方を知る |
| 受託開発 | 顧客ごとの課題を知る |
| 自社サービス | 共通課題を製品へ変える |
Chatworkは、チャット機能そのものより「仕事の連絡をメールから変える」という選択だった。メールの件名や宛先、引用の作法を減らし、会話とタスクを同じ場所に置く。
現在のビジネスチャットから見れば当然に見えるが、サービス開始時には業務コミュニケーションをクラウドへ置くこと自体が新しい判断だった。
最初の挑戦と、その結末
会社は2004年11月に設立された。創業当初は現在のようなSaaS専業ではなく、Web制作や受託開発など複数の事業を手がけた。
受託開発には顧客の要望を直接知れる利点がある。一方、売上が案件数と人員へ依存しやすく、会社が大きくなるほど調整も増える。
| 受託開発 | 自社SaaS |
|---|---|
| 顧客ごとに作る | 共通の製品を提供する |
| 要望へ細かく応えられる | 標準機能へ絞る必要がある |
| 案件終了で売上が切れる | 継続課金を作れる |
| 人員と売上が連動しやすい | ソフトウェアで規模を広げやすい |
山本氏が選んだのは、自社サービスへの転換だった。
2011年3月、ビジネスチャット「ChatWork」の提供を開始する。社内で使っていたコミュニケーションの仕組みを、外部向け製品へ変えた。
Chatworkはどう生まれたか
Chatworkの設計は、仕事の会話とタスクを一つの画面へ置く。
- グループチャットで案件ごとに会話する
- メッセージをタスクとして担当者へ割り当てる
- ファイルを会話の中で共有する
- ビデオ・音声通話へつなぐ
- 検索できる履歴として残す
| 年 | 出来事 |
|---|---|
| 2004 | 会社設立 |
| 2011 | ChatWork提供開始 |
| 2018 | 社名をChatwork株式会社へ変更 |
| 2019 | 東証マザーズへ上場 |
| 2022 | 現在の東証グロースへ移行 |
| 2024 | 社名を株式会社kubellへ変更 |
| 2026 | BPaaSとAIによる業務支援を拡大 |
サービス名を社名にしたあと、再び社名を変えたことが重要だ。
Chatworkは強い製品名である。一方、会社が会計、労務、営業事務などへ領域を広げれば、製品名と会社の範囲が一致しなくなる。kubellへの変更は、チャットの会社から「働く仕組みを作る会社」へ進むための余白を作った。
数字で見るkubell
2026年3月末時点の会社紹介資料では、kubellグループの従業員数は735人とされる。
2026年12月期第1四半期について、会社の株価情報ページに付随する公開情報では、売上高25億8,700万円、前年同期比15.8%増、EBITDA4億6,800万円、同63.8%増とされる。
| 指標 | 数値・状況 |
|---|---|
| 設立 | 2004年11月11日 |
| グループ従業員数 | 735人(2026年3月末) |
| 山本氏の直接保有 | 1,781,651株(2025年6月末) |
| 直接保有比率 | 4.25% |
| Fun & Creative | 20,530,400株、49.01% |
大株主には株式会社Fun & Creativeが49.01%で筆頭に位置する。半期報告書は同社の実質的な保有関係に関する注記を含むため、山本氏の経済的持分を個人名義1,781,651株だけで断定しない。
経営者としての3つの判断
判断1:受託から自社サービスへ移った
受託事業を続けながら自社製品を作る会社は多い。難しいのは、売上が立っている事業から、人と資金を将来の製品へ移すことだ。
Chatworkは、既存業務をそのままオンライン化しただけではない。仕事上のコミュニケーションを、メール中心から短い会話とタスク中心へ変えた。
判断2:サービス名を社名にし、その社名も変えた
2018年にChatwork株式会社へ変えた判断は、製品へ集中する意思表示だった。
2024年にkubellへ変えた判断は、その集中から次へ進む意思表示である。
| 社名 | 示したもの |
|---|---|
| EC studio | 複数のWeb事業 |
| Chatwork | 一つのSaaSへの集中 |
| kubell | チャットを起点に業務全体へ拡張 |
集中と拡張は矛盾して見える。だが、どちらも事業の段階に合わせて会社の説明を作り直した結果と読める。
判断3:ソフトウェアだけでなくBPaaSへ進んだ
BPaaSは、Business Process as a Serviceの略で、業務プロセスを人とテクノロジーの組み合わせで引き受ける考え方だ。
SaaSはツールを提供する。BPaaSは、ツールを使う業務そのものへ踏み込む。
| SaaS | BPaaS |
|---|---|
| 顧客が操作する | 人とシステムで業務を実行する |
| 機能利用が中心 | 成果や処理完了が中心 |
| 高い粗利を作りやすい | 運用人員と品質管理が必要 |
| 標準化しやすい | 顧客業務の差を吸収する必要 |
ソフトウェア企業が人の工程へ戻るようにも見える。山本氏は、中小企業がツールを導入しても使いこなす人が足りない現実を取りにいった。
山本正喜の資産と報酬はいくらか
山本氏の個人資産は公開されていない。法定開示で確認できる直接保有株式を使って限定的に推定する。
2025年6月30日時点の半期報告書では、山本氏個人の所有株式数は1,781,651株、持株比率は4.25%だった。
2026年7月14日の終値297円を掛ける。
| 算出要素 | 数値 |
|---|---|
| 直接所有株式数 | 1,781,651株 |
| 2026年7月14日終値 | 297円 |
| 株式時価の推定 | 5億2,915万347円 |
直接保有分の時価は約5.3億円になる。
ただし、筆頭株主の株式会社Fun & Creativeが保有する20,530,400株との関係を無視できない。公開資料の注記を精査せず、その全額を山本氏個人の資産へ加算することはしない。
- 個人名義以外の経済的持分を含まない
- 株価は日々変動する
- 現金、不動産、他社株式、負債を含まない
- 売却可能額を示す数字ではない
役員報酬の個人別金額は公式資料で確定できなかったため記載しない。
山本正喜はいま何をしているのか
2026年8月時点で、山本氏はkubellの代表取締役兼社長上級執行役員CEOである。
会社の現在地は、Chatworkの利用拡大だけでは説明できない。
- Chatworkを中小企業の業務入口として維持する
- BPaaSで経理・労務・営業事務へ入る
- AIを使って人の作業を標準化する
- 顧客企業の業務データを蓄積する
- チャット外の収益源を育てる
山本氏のCEOメッセージは、働くことを生活の糧だけでなく、自己実現や仲間との挑戦として捉える。
SaaSの機能一覧だけでは、この思想は実現しない。人が創造的な仕事へ時間を使うには、定型業務を誰かが引き受ける必要がある。kubellがBPaaSへ進む理由は、社名よりこの問いに表れている。
発言から読む経営観
公式メッセージの中心にあるのは、「働き方が変われば、世界は変わる」という考え方だ。
| 言葉 | 事業への翻訳 |
|---|---|
| 楽しく、創造的に | 定型連絡と事務を減らす |
| 中小企業 | 大企業向けDXとは違う導入支援 |
| BPaaS | ツールだけでなく処理を引き受ける |
| kubell | 働く仕組みを組み立て直す |
Chatworkを作った経営者が、チャットだけでは働き方を変えきれないと判断した。会社名を変えたことより、その判断のほうが大きい。
よくある質問
山本正喜の学歴は
大学在学中に起業したことは公式メッセージで確認できる。大学名は外部記事に記載があるものの、公式プロフィールで確認できる範囲を優先し、この記事では断定しない。
山本正喜はChatworkの創業者ですか
はい。現在の株式会社kubellを創業し、ビジネスチャットChatworkを育てた。2026年8月時点でも代表取締役CEOを務める。
山本正喜の推定資産はいくらですか
総資産は不明である。個人名義の1,781,651株だけを2026年7月14日終値で計算すると約5.3億円になる。筆頭株主会社の持分は個人資産へ単純加算していない。
Chatwork株式会社はなぜkubellへ社名変更したのですか
Chatworkという一製品の会社から、BPaaSを含む業務支援全体へ事業範囲を広げるためと説明できる。製品名のChatworkは継続している。
山本正喜は現在も社長ですか
2026年8月時点で、代表取締役兼社長上級執行役員CEOである。
この記事の更新方針
kubellの有価証券報告書、山本氏の役職・保有株式、BPaaSの開示指標、会社名や主要事業が変わったときに更新する。株式時価は算出日を明示する。



