救助隊が止められた日
8月28日、救助作業が一時中断された。
崩落で新たに形成された湖が250万立方メートルを超え、溢れ始めたからだ。 1立方メートルは1トンの水に相当する。250万トンの水が山の上に溜まっていた。
当局は下流の集落に退避を命じ、中国側もチベットで搜索を停止した。 数時間後、湖の水位が一定のところで安定していることが確認され、搜索が再開された。
だがもう1か所、別の堰止め湖も形成されている。 「2つの湖を同時に監視している」とネパール当局は8月29日時点で述べた。
日本人5人が未確認
死者はネパール側547人、中国チベット側5人。 行方不明者は1,000人近い。
特徴的なのは、外国人観光客が多く巻き込まれていることだ。 ラスワはヒンドゥー教の聖地ゴサインクンドへのトレッキングルートにある。 インド、マレーシア、オーストラリア、英国、米国、そして日本からの旅行者が連絡を絶っている。
在ネパール日本大使館は8月27日時点で、少なくとも5人の日本人と連絡が取れていないと確認した。 「現地当局に捜索・救助を依頼している」とのコメントにとどまり、安否は確認されていない。
氷河崩壊は「気候が引いた引き金」
米地質調査所(USGS)は8月28日、この崩壊について「岩盤の下に永久凍土が溶けて水が溜まり、岩壁を内側から不安定にした可能性が高い」との分析を公表した。
言い換えれば、気候変動が永久凍土を溶かし、その水が時限爆弾のように山の内部に溜まっていたということだ。
国連人道問題調整事務所(OCHA)は「この災害の影響を受けた人は9万人に上る」と推計する。
赤十字はネパールのラスワ、ヌワコット両地区で16万人近くの女性・子どもが直接・間接的に影響を受けていると述べた。
まとめ
- 死者547人・行方不明約1000人という規模は、ネパールで近年まれにみる山岳災害だ。原因となった氷河崩壊は気候変動との関連が指摘されており、ヒマラヤ全域のリスクを改めて示した
- 2か所の堰止め湖が形成され、「第2の洪水」のリスクは続いている。救助のタイムウィンドウが狭まっている
- 日本人5人を含む外国人観光客が多数巻き込まれている。聖地トレッキングルートの安全評価を見直す必要がある



