Opinionゼレンスキーが「戦線を凍結する」と言い出した。プーチンが応じない本当の訳8月3日、ゼレンスキーが「前線の凍結・空での停戦・エネルギー停戦」を提案した。7月の民間人死者数は2022年4月以来最悪で、パトリオット備蓄も枯渇しつつある。ロシアのペスコフは「領土の現実を認め武装解除を」と返した。停戦交渉の現実を読む。西田 航Aug 10
Engineeringドイツの空港で爆発物ドローンが見つかった。狙われたのは弾薬を積んだ輸送機だった7月28日深夜、ドイツ・ライプツィヒハレ空港で、駐機中の2機のアントノフ貨物機の間でホバリングするドローンが見つかった。機体には爆発物と起爆装置が搭載され、隣の輸送機にはフランスから届いたウクライナ向けとみられる弾薬が積まれていた。独紙Bildは、技術的な不具合がなければ爆発していた可能性を報じている。8月4〜5日夜には滑走路が閉鎖され、着陸をやり直した航空機が正体不明の物体と空中で接触した。ドイツ政府は「新たな質の脅威」として警察に撃墜権限を与える法改正を閣議了承した。空港とドローンの問題は、日本にとって他人事ではない。西田 航Aug 7
Opinionドイツ軍がフランスの核演習に年内初参加へ。メルツとマクロンが共同発表で動かす「欧州の核抑止」自立化の現在地7月17日、メルツ独首相とマクロン仏大統領がケルン近郊のニュルヴェニヒ空軍基地で共同発表し、ドイツの通常戦力が年内にフランス軍の核演習へ初めて参加することを明らかにした。核搭載可能な仏ラファールと独ユーロファイターによる空中給油デモも披露された。背景には米国の安全保障関与への不安があり、NATOの核共有を「補完」する欧州独自の抑止の輪郭が見え始めた。AP通信・France 24などの報道をもとに、欧州防衛の構造転換と、米国の拡大抑止に依存する日本への示唆を読み解く。西田 航Jul 18
Opinion米国がイラン空爆に踏み切りホルムズ海峡の危機が再燃、NATOサミットの防衛費5%圧力と交錯する中東情勢米中央軍がイラン国内の軍事目標へ空爆を実施し、トランプ大統領は停戦終了を宣言した。イラン革命防衛隊はクウェート・バーレーンの米軍関連拠点への報復を実施し、ホルムズ海峡の緊張が再び高まっている。同時期にNATOアンカラサミットでは防衛費GDP比5%への引き上げが焦点となり、米国の対中東政策と対欧州同盟運営が交錯する構図が浮かび上がった。市場では原油先物や韓国コスピが反応し、円相場も揺れた。NPRやワシントン・ポスト、CNBCなど主要メディアの報道をもとに、危機再燃の経緯と、原油価格・海運保険・日米同盟への影響を多角的に読み解く。西田 航Jul 9
OpinionNATO32カ国がアンカラに集結、GDP比5%公約の「最初の成績表」とトルコ台頭が映す同盟再設計の現在地NATO首脳会議が7月7日から2日間、トルコの首都アンカラで開かれる。昨年のハーグ首脳会議で合意した「GDP比5%の防衛支出」の履行を検証する初めての場であり、ハドソン研究所の専門家は「最初の成績表」と表現した。トランプ大統領とエルドアン大統領の首脳外交、ウクライナ支援、在欧米軍の見直しが絡み合う2日間を、ワシントン・ポストやNPR、CNBCなど世界メディアの報道から読み解く。防衛費増額を進める日本にとっても、宣言と実行の差をどう埋めるかという課題は共通しており、防衛産業やエネルギー市場、金融市場を通じた日本企業への影響も探る。西田 航Jul 7
Opinionヘグセスが「NATO3.0」を宣言。米軍の欧州撤退見直しは、インド太平洋と日本に何を迫るか米国のヘグセス国防長官が6月18日、ブリュッセルで米軍の欧州駐留を見直す6カ月の検証を発表した。NPR・Washington Examiner・NBC News(いずれも6月18日付)によれば、狙いは欧州に防衛の主役を譲り、米国の資源をインド太平洋へ振り向けることにある。戦闘機・爆撃機・潜水艦の削減を視野に、二正面作戦と対中抑止を見据える。米国のまなざしが欧州から太平洋へ移るとき、日本は防衛費・負担分担・同盟の信頼性という問いに直面する。G7閉幕直後に動いた同盟の重心を読み解く。西田 航Jun 19
Opinion欧州が抱える「敵の後方に届かない」弱点。長距離打撃の空白が突きつける米国依存の限界欧州が最も深刻な通常戦力の弱点として抱えるのが、敵の後方深くを叩く長距離打撃(ディープストライク)能力の空白だ。米トランプ政権がドイツ駐留米軍の削減を進め、トマホークやSM-6を一時配備する「つなぎ」策も棚上げされたことで、ギャップが改めて露呈した。フランス・ドイツ・イタリア・ポーランド・スウェーデン・英国の6カ国はELSAを立ち上げ、英独はトリニティ・ハウスで2000km超の打撃力を共同開発する。だが配備は2028〜2035年と先になる。DefenseNews、IISS、ECFRの分析を横断し、米国依存を脱しきれない欧州の現実と、防衛費を増やす日本への示唆を整理する。西田 航May 26