Opinion「スパイ天国」と呼ばれた日本が国家情報局を発足させた。730人の司令塔はできたが、対外情報機関もスパイ防止法もまだない7月31日、日本初の中央集権的な情報組織である国家情報局が発足した。職員は約730人、上部には高市首相が議長を務める国家情報会議が置かれる。だが海外で情報を取る機関も、スパイ行為を罰する法律も、活動を検証する監督機関もまだ存在しない。西田 航Aug 3
Opinionセウタに5万人超が殺到し67人が死亡。イタリアのシェンゲン停止でEU移民協定は施行7週間で最初の試練を迎えたスペイン領セウタに2日間で5万人超が越境し67人が死亡した。引き金は1か月前の最高裁判決である。イタリアはシェンゲンを一時停止し、適用7週間のEU移民・庇護協定は最初の本番で想定外の負荷を受けている。西田 航
Moneyマドゥロ拘束から7か月、カラカスで移行交渉が始まった。ノーベル賞のマチャドは参加を拒み、選挙時期で米国と割れているベネズエラの移行交渉が8月1日に始まった。政府側と野党側から12人ずつが着席したが、マチャドとゴンサレスは不参加を表明した。選挙時期は10か月以内か2年か。石油と復興資金が交渉の梃子になっている。西田 航Aug 2
AIFCFが9割消えた決算——AIが「コスト」か「商売」かで割れたBig Techの夏AlphabetのIPO以来初のFCFマイナス、MetaのFCF91%減、MicrosoftのAzure年間1000億ドル突破——7月末の大手決算は、AI投資に「リターンを見せろ」という投資家の問いをあぶり出した。西田 航Aug 1
AIAIは仕事を奪わず賃金を圧縮する——Googleの1500万件調査が示す高所得層と現場労働者の断層線Googleが自社チャットボットGeminiの利用データ1500万件超を分析した「ATLAS」報告書が波紋を広げている。150カ国・140言語・800職種・4000タスクを対象にした調査は、AIによって職業そのものが丸ごと消える兆候は乏しい一方、賃金の高い層ほどAIを日常的に使いこなし、そうでない層との間に断層が生まれつつあることを示した。Apollo Researchの別の分析では、AIへの「曝露度」が高い職種ほど賃金上昇が抑制される傾向が、実際の導入率とは独立して観測されている。Fortune誌は一部の労働者がAIツールを意図的に「サボタージュ」している実態も報じた。Googleという当事者が発表したデータである以上、どの数字を強調するかという編集判断そのものも読み解く必要がある。西田 航Aug 1
Opinionガザ武装解除は「合意」も撤退の順序は平行線のまま——国連決議2803は通ったが検証も資金の出し手も未定イスラエルとハマスが「合意」に至ったガザ武装解除案は、国連安全保障理事会が決議2803として承認し、多国籍の「安定化部隊」派遣の枠組みが整った。だが肝心の撤退順序と武装解除の順序をめぐる溝は埋まっていない。イスラエルは段階的撤退の前提としてハマスの完全武装解除を求め、ハマス側は撤退が先だとする立場を崩していない。検証メカニズムをどの機関が担うのか、安定化部隊への資金と兵力を誰が拠出するのかも決まらないまま、合意という言葉だけが独り歩きしている。仲介国のエジプト・カタール・トルコも、それぞれ異なる思惑を抱えたまま板挟みになっている。CNBCやAxios、Newsweekなど主要メディアの論調を手がかりに、何が決まり、何がまだ決まっていないのかを整理する。西田 航Aug 1
StartupFIFAが商業部門を200億ドルで切り売り、クシュナー氏参画に加盟協会がボイコット示唆と受け入れ拒否で分裂FIFAが傘下に新設した商業子会社FFE(FIFA Forward Enterprise)の株式最大20%を、200億ドル評価で外部投資家に売却する計画が明らかになった。調達額は最大42億ドル規模で、Joshua Kushner氏率いるThrive Capitalが主導投資家として名乗りを上げ、JPMorganが助言に入っている。だが計画は加盟協会の間で分裂を招いた。UEFAはボイコットも辞さない構えを見せ、CONCACAF加盟の複数協会は一律2000万ドルの一時金提示を拒否した。非営利団体であるはずのFIFAがなぜ株式売却に踏み出すのか、そして政治的に注目度の高い個人投資家の参画が何を意味するのかを、FT・Reuters・The Athleticなどの報道から読み解く。西田 航Aug 1
AIマイクロソフトは16%高、メタは9%安。AI設備投資の「請求書」が決算に現れ、市場は払える企業の選別を始めた同じ週に同じ「AI投資を増やす」と発表した2社の株価が、正反対に動いた。マイクロソフトは決算翌日に16.4%高で時価総額を5,500億ドル超積み増し、メタ・プラットフォームズは約9%安で引けた。違いは投資額ではなく、回収できる売上がすでに立っているかどうかだった。Azureの年間売上高が1,000億ドルを超えたマイクロソフトに対し、メタは営業利益率が43%から31%へ低下し、フリーキャッシュフローは85億ドルから8億ドル弱まで縮んだ。アルファベットは四半期ベースで初のフリーキャッシュフロー赤字を計上している。投資家の評価基準が「AIは伸びるか」から「誰が請求書を払えるか」へ移った局面を読む。西田 航Jul 31
MoneyFRBが9対3で金利据え置き、3人は「利上げ」を主張。物価3%台と成長1.5%の板挟みで円は163円台へ米連邦公開市場委員会(FOMC)は7月29日、政策金利を年3.50〜3.75%に据え置いた。想定外だったのは票の割れ方で、12人のうち3人が反対し、そろって0.25%の利上げを主張した。物価が5年以上にわたって目標の2%を超え続けていることへの内部からの異議である。翌30日に公表された4〜6月期の実質GDP成長率は年率1.5%と市場予想を下回った。物価は3%台、成長は1.5%。中央銀行にとって最も動きにくい組み合わせが同じ週にそろい、30年債利回りは5.21%へ、ドル円は40年ぶり安値圏の163円台で推移している。関税・戦争・AI投資という三つの構造要因が絡む局面を整理する。西田 航Jul 31
Creator徹底カイボウフリーランスの確定申告を楽にするツールの選び方【2026年版】フリーランスにとって憂鬱な確定申告。記録の後回し・専門知識の壁・青色申告の複雑さという3つの負担を、ツールで大きく減らせる。freee・マネーフォワード・やよい・税理士依頼をタイプ別に整理し、自分に合う選び方を提示します。TechCreate編集部Jul 30
Startupイーロン・マスクのThe Boring Company、40億ドル調達で評価額200億ドルへ跳躍、トンネル事業の急拡大イーロン・マスク氏率いるThe Boring Companyが、40億ドル(約6,200億円)の新規資金調達に向けて投資家と協議していることが7月下旬に報じられた。実現すれば評価額は200億ドルに達し、2022年時点の57億ドルから3倍以上に膨らむ。ラスベガスのVegas Loopを軸に、ナッシュビルやドバイなど複数都市への同時展開を計画する一方、実際の乗客数や収益性を巡っては懐疑的な見方も根強い。実績が伴わないまま評価額だけが先行する構図は、AIブームに沸く他の巨大テック投資とも重なる論点だ。西田 航Jul 30
AIAI開発者1,134人が「開発速度の抑制」求める公開書簡に署名、OpenAIとAnthropicも公式に支持表明7月28日、OpenAI・Anthropic・Google・Metaの技術者や研究者1,134人が、AI開発速度を意図的に抑制するよう求める公開書簡「Pacing the Frontier」に署名した。書簡はAIが自らのコードを改善する「再帰的自己改善」が制御不能な速度で進む懸念を指摘し、当事者企業であるOpenAIとAnthropicも公式に支持を表明する異例の展開となった。一方でMeta社内では賛否が割れ、オープンウェイト戦略との緊張も表面化している。かつての「一時停止」要求と異なり、現役の第一線エンジニアが主導し企業側も反応を示した点が、今回の書簡の重みを物語っている。西田 航Jul 30