「東京23区より広い土地」の意味
745平方キロという数字を額面通りに受け取れば、この作戦は今年最大の領土回復となる。
ゼレンスキーは「ロシア軍の兵士を約1万人撃退した」とも述べた。 ウクライナ軍のアフ・マブル軍総司令官は「26集落を解放した」と発表した。 アメリカのシンクタンクISW(戦争研究所)は独自分析で「少なくとも627平方キロ」と保守的な見積もりを出している。
作戦の開始は2026年1月29日にさかのぼる。 ロシア軍がこの地域に侵攻したのは2025年6月で、それから14か月かけて獲得した土地をほぼ全て取り戻したことになる。
「ロシアはドニプロペトロウスク州でほぼ全ての足場を失い、ドネツク州とザポリジャ州の境界線まで押し返された」と、ウクライナ軍は発表している。
7か月の作戦が「静かに」終わった理由
1月から8月にかけての7か月間、この作戦はメディアの表舞台にほとんど出てこなかった。
キーウへの大規模ミサイル攻撃、ホルムズ海峡危機、黒海艦隊攻撃。それらが国際報道を占めるあいだ、アレクサンドリフカ方向の前線は粛々と動いていた。
ウクライナ軍が「静かな作戦」を好むのは理由がある。 事前に敵に情報を与えなければ、奇襲効果が出やすい。 報道を抑えることで、ロシア軍の増援を遅らせることもできる。
「精度の高い作戦だった」。 ゼレンスキーは詳細を明かさないまま、そう繰り返した。
ロシアはすでに「反撃」を始めている
しかし地上での成果と空からの脅威は、別の話だ。
ウクライナ軍が745平方キロを取り戻した翌々日、ロシアはドニプロとハルキウに大規模なミサイル・ドローン攻撃を仕掛けた。 死者と負傷者が出た。
8月12日の声明発表の日にも、ロシアはザポリジャへの攻撃を続けていた。
米欧の軍事支援者たちが最も懸念しているのは、ウクライナが保有するパトリオット迎撃ミサイルの残弾数だ。 供与されたパトリオットのランチャーはまだ機能しているが、迎撃弾そのものが急速に減少している。 新たな補充がなければ、早ければ今秋にも「迎撃できないミサイルが増える」という状態になりかねない。
8月24日という日付
ロシアが恐れているとも、逆に利用しようとしているとも言われている日付がある。 8月24日、ウクライナ独立記念日だ。
ウクライナ軍の分析によれば、ロシアはこの日に合わせて大規模なミサイル攻撃を準備している可能性がある。 「記念日の象徴性を破壊することで、国民の士気を折ろうとする戦術だ」と、ウクライナ国防省の広報担当者は述べた。
2022年の独立記念日にも、ロシアは大規模攻撃を行った。
今年の独立記念日まで、あと9日。
「計画通り」という言葉の重さ
ゼレンスキーが「計画通り」と繰り返したことには、意味がある。
2023年の反攻作戦は、欧米側が高い期待をかけたにもかかわらず、領土回復は限定的に終わった。 その失敗の記憶は、ウクライナ国内でも国際支援者の間でも重くのしかかっている。
今回の745平方キロは、「計画した規模を完遂できる能力がある」という証明でもある。
ゼレンスキーは声明の末尾でこう言った。 「ウクライナ軍は作戦を遂行できる。次の作戦も準備している」。
次が何を指すかは、語らなかった。
ソース:
- Ukraine liberated 26 settlements, 745 sq.km. in southeastern counteroffensive — The Jerusalem Post(2026年8月12日)
- Ukraine has retaken 745 sq km in 'precision' operation this year, Zelenskiy says — Internazionale/Reuters(2026年8月12日)
- Russian ballistic attacks intensify as Kyiv claims Dnipropetrovsk advance — Al Jazeera(2026年8月14日)
- Russian Offensive Campaign Assessment, August 12, 2026 — Critical Threats(2026年8月12日)




