病院は3人の遺体と8人の負傷を確認
攻撃は25日午後、ガザ市のイスラム大学で起きた。シファ病院はアシュラフ・ダハラン氏、シャディ・アブ・アタヤ氏、サミ・バルード氏の3人の遺体を受け入れ、負傷者8人を治療した。大学関係者は死亡した3人を事務・警備に関わる職員、負傷者を学生と説明した。[1]
パレスチナ教育・高等教育省の声明も、職員3人の死亡と学生の負傷を伝えた。負傷した学生の一部は重体としているが、氏名や容体の内訳は公表していない。[3] したがって、この記事では病院が示した8人を負傷者数として扱い、全員の身元や状態までは断定しない。
AP通信は同日、ガザ各地の攻撃で死者が出たと報じ、大学への攻撃をその一部として伝えた。[4] 大学の事件だけを25日のガザ全体の死傷者数と混同しないことも必要である。
学生が授業中だったとの説明
教育・高等教育省は、学生たちが授業を受けていた際に集団が攻撃されたと説明した。大学側も教育活動を続けていたなかで攻撃が起きたとしている。[2] ただし、授業の形式、教室内の人数、攻撃地点の詳しい位置を独立に確かめられる資料は現時点で限られている。
大学の建物があることと、攻撃時に民間の教育活動だけが行われていたことは同じではない。反対に、イスラエル軍が「工作員」と呼んだだけで、その場所や全員が軍事目標だったことが証明されるわけでもない。攻撃側には、標的の特定と民間人への予想被害をどう比較したかを説明する責任がある。
確認できる情報は三つに分けられる。
- 医療機関の確認:死亡3人、治療した負傷者8人。
- 大学と省の説明:死者は職員で、負傷者には授業中の学生が含まれる。
- イスラエル軍の説明:標的はテロ工作員だったが、氏名や所属、具体的な脅威は未公表。
三つを混ぜると、当事者の主張が確認済みの事実に見える。死亡、身元、現場、標的選定の根拠を分けて更新する必要がある。
イスラエル軍の説明には根拠が欠ける
イスラエル軍はTimes of Israelに対し、攻撃がテロ工作員を標的にしたと回答し、詳細は後に示すとした。[1] これは攻撃した側の公式説明だが、死亡した3人を指しているのか、別の人物を指しているのかは明らかでない。
標的の身元を判断するには、所属、活動、当日の位置、脅威の内容を示す証拠が要る。攻撃前に民間人がいることを把握していたか、警告や別の手段を検討したかも、公表情報からはわからない。軍の説明は攻撃の実施を認める材料にはなるが、標的の正当性を独立に証明する資料ではない。
一方、パレスチナ側の省と大学は、攻撃を教育機関への意図的な攻撃と位置づけた。これも当事者側の評価である。建物への損傷、着弾地点、監視映像、兵器の種類を独立に検証し、誰がどこにいたかを照合しなければ、双方の主張のどちらかをそのまま結論にはできない。
国際人道法では、学校や大学は通常、民用物として扱われる。軍事作戦に具体的に寄与し、破壊によって明確な軍事的利益が得られる場合には保護を失うことがあるが、それでも攻撃側には標的の確認、民間人被害を減らす予防措置、予想される被害と軍事的利益の比較が求められる。学生と教職員も、敵対行為へ直接参加しない限り民間人として保護される。[5]
この基準に照らすと、「工作員を狙った」という一文だけでは判断材料が足りない。誰を標的としたのか、その人物が攻撃時にどのような軍事活動へ関わっていたのか、学生がいる場所で別の手段を選べなかったのかを示す必要がある。大学側にも、構内を教育以外の目的で使っていなかったかを検証できる記録が求められる。
法的評価を急いで確定することと、必要な情報を挙げることは別である。現段階では民用物への直接攻撃だったのか、軍事目標への攻撃で付随的な被害が出たのかを判断できない。わからない点を残すことは双方の説明を同等に信じることではなく、結論に必要な証拠を明確にすることだ。
大学の再開は建物だけの問題ではない
大学教育は、教室が開いているだけでは続かない。学生と教職員が安全に通学し、電力と通信を使い、負傷時に医療へアクセスできることが必要になる。授業中の学生が負傷したという説明が正しければ、教育を再開しても日常の安全が確保されていないことを示す。
ガザでは学校や大学の建物が攻撃と避難の影響を長く受けてきた。パレスチナ教育省は10月7日の報告で、過去3年間に教育関係者と学生の死傷、学校・大学施設の破壊が続いたと公表している。[6] この集計は同省によるもので、国際機関の独立集計とは区別する必要がある。
地域全体では、フーシ派など周辺勢力がガザへの攻撃を軍事行動の理由に使ってきた。[7] 大学への攻撃は一つの施設にとどまらず、停戦や緊張緩和が教育現場の安全へ届いているかを測る事例になる。
次に確かめるのは標的と再開条件
今後の確認点は、イスラエル軍が約束した標的の詳細、死亡した3人の所属と職務、攻撃地点の検証、負傷した学生の容体である。省や大学の声明だけでなく、病院、現場映像、衛星画像、独立調査の結果を重ねる必要がある。
教育再開の条件としては校舎の被害だけでなく、通学路、警告手段、避難場所、医療搬送、通信の確保を追うべきだ。授業の再開日や出席者数だけでは、学ぶ権利が安全に回復したとは判断できない。
学生側から見れば、授業への参加は学業を続ける機会であると同時に、移動と集合の危険を引き受ける行為になる。対面授業を再開しても、攻撃警報が届かない、避難場所がない、負傷時に病院へ運べない状態なら、出席できる人は限られる。オンライン授業も電力と通信が不安定なら代替にならない。
大学の復旧を測るには、開講科目や在籍者数だけでなく、安全に参加できた学生の割合、授業中断の回数、負傷者の搬送時間、校舎ごとの安全点検を示す必要がある。教育機関への攻撃を数えるだけでは、学習機会がどこまで戻ったかはわからない。今回の事件は再開という発表と、継続して学べる状態を分けて見る必要を示している。
今回の記事が答えられるのは、職員3人の死亡と負傷者の発生、攻撃を認めたイスラエル軍と大学側の説明が食い違っているところまでである。 標的の正当性や攻撃の意図は未確認のまま残る。公式発表と独立確認を分け、追加証拠によって判断を更新する必要がある。
まとめ
- ガザ・イスラム大学への攻撃で職員3人が死亡し、シファ病院は負傷者8人を受け入れた。
- 大学側は授業中の学生が巻き込まれたと説明し、イスラエル軍は工作員を標的にしたと主張するが、標的の根拠は未公表である。
- 教育再開は授業の実施だけでなく、通学、警告、避難、医療へのアクセスを含む安全条件で評価する必要がある。
出典・参考
- The Times of Israel「IDF strike on Gaza university reportedly kills three」(2026年10月25日)
- WAFAフランス語版「Le ministère de l'Enseignement supérieur condamne le ciblage de l'Université islamique」(2026年10月25日)
- WAFA「التعليم العالي تدين استهداف الاحتلال للجامعة الإسلامية في غزة」(2026年10月25日)
- AP通信「Israeli strikes kill Palestinians in Gaza as truce strains」(2026年10月25日)
- 赤十字国際委員会「Q&A: ICRC and access to education」(2019年3月14日)
- パレスチナ教育・高等教育省「3年間の教育分野の被害統計」(2026年10月7日、WAFA掲載)
- TechCreate「フーシ派がシャブワ州の基地をドローン攻撃。イエメン暫定政権が反撃を示唆」(2026年10月20日)







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