ギリシャで50件の火が走った日
同じ頃、ギリシャは高度警戒状態に入っていた。
ミツォタキス首相はこう述べた。「国内各地で、100キロに近い強風を伴う極端な気象条件が続いている」。
24時間のあいだに農林地帯で50件以上の火災が発生したが、多くは初期の対応で抑えられた。しかし沈静化と再燃が繰り返され、クレタ島と南部ペロポネソス半島では消防士3人が活動中に死亡した。
ギリシャの消防当局は全土に最高警戒レベルを発令しており、乾燥と強風の重なる週末に向けて観光地への立ち入り制限が出ている地域もある。
2026年の数字
欧州山火事情報システム(EFFIS)によると、8月19日時点の欧州全体の焼失面積は61万9298ヘクタールに達した。
過去20年(2006〜2025年)の平均は28万ヘクタールだ。今年はその2.2倍を超えている。2025年が観測史上最悪の年だったが、今年はそれに次ぐペースで推移している。
民間人17人、消防士6人、ヘリコプター乗員2人の死亡が確認されている。スペインとフランスだけで33万人が避難を余儀なくされた。
| 国 | 焼失面積(ha) |
|---|---|
| イタリア | 79,084 |
| ポルトガル | 47,776 |
| ギリシャ | 23,839 |
なぜ今年がこれほど強いのか
2026年6月は、西欧の観測史上で最も暑い6月だった。
平均気温は1991〜2020年の基準より3.05度高く、フランスとドイツの一部では平年比プラス9度という異常な温度域が生じた。スペイン南部のアンドゥハルでは45.1度に達した。
6月から続いた乾燥が8月に持ち越されたまま、強風が重なっている。英国では7月が近200年で最も乾燥した月を記録した。
6月の高温が地中海の土壌を干からびらせ、8月の風がその上を走ることで、鎮火困難な火が生まれやすい条件ができた。今年だけではない、と気候研究者は言う。西部太平洋の海面水温と並行して、地中海の夏の基準温度が年々積み上がっている。
リゾートが「危ない場所」になっている
地中海のリゾート地を夏の旅行先として選んでいた人々の間に、迷いが広がっている。
ギリシャやクロアチア南部のホテルでは、直近の週末に比べてキャンセルが増えたと話す宿泊施設がある。火が消えた後も、焼けた場所の景色はしばらく残る。翌シーズンも「あそこは去年燃えた」という記憶が残り、予約のためらいにつながる。
農家の事情も重なる。南仏のワイン産地では、収穫前の煙にブドウがさらされると香りが変わる。畑が燃えていなくても、ワインの価値は下がりかねない。
欧州委員会のフォンデアライエン委員長は「欧州は山火事の高度警戒状態にある」と述べ、東欧諸国への警告も発した。
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