日本のユニコーン企業一覧
ユニコーン企業とは、一般に評価額10億ドル以上の未上場スタートアップを指します。2026年3月時点の国内一覧として確認できる二次資料では、次の6社が挙げられています。
| 企業 | 主な領域 | 確認できる位置づけ |
|---|---|---|
| Sakana AI株式会社 | 生成AI・基盤モデル | 2026年4月の資金調達で評価額27億ドルを公表 |
| 株式会社Preferred Networks | AI・半導体・計算基盤 | 政府資料のユニコーン一覧に掲載 |
| SmartNews株式会社 | ニュースアプリ | 政府資料のユニコーン一覧に掲載 |
| 株式会社SmartHR | クラウド人事労務 | 同社採用サイトが2021年のユニコーン化を明記 |
| Spiber株式会社 | 構造タンパク質素材 | 政府資料のユニコーン一覧に掲載 |
| GO株式会社 | モビリティ・タクシー配車 | 政府資料のユニコーン一覧に掲載 |
この6社は、経済産業研究所が2026年3月時点で「国内のユニコーン企業はわずか6社」とした記述と整合します。ただし、6社を同じ基準日の企業発表だけで再計算した一覧ではありません。未上場企業の評価額は常時開示されないため、実務ではデータベースや報道、公表された調達時評価を組み合わせて数えます。
評価額を公表したSakana AI
一覧のなかで、2026年の評価額を一次情報で明確に確認できるのがSakana AIです。同社は2026年2月にシリーズBの資金調達を発表し、4月の更新で投資後評価額が約4,320億円、27億ドルになったと公表しました。累計調達額は約660億円、4億1,200万ドルです。円とドルの両方を会社自身が示しているため、別時点の為替で換算し直す必要がありません。
Sakana AIは東京を拠点に生成AIの研究開発を行っています。経済産業省のMETI Journalも、創業者へのインタビューを通じて、研究開発と日本企業への実装を取り上げています。評価額だけでなく、誰がいつ公表した数字かまで追える例です。
既存企業も現在の事業を確認する
Preferred Networksは2025年4月、トヨタ自動車、NTT、ENEOSホールディングスなどを引受先とする第三者割当増資で約240億円を調達したと公表しました。調達額は評価額ではないため、この数字だけでユニコーン判定はできません。一方、政府資料にはユニコーンとして掲載されており、現在もAI、半導体、計算基盤などの事業を進めています。
SmartHRは採用サイトで、2021年に評価額10億ドルを超えユニコーン企業になったと説明しています。SmartNewsも政府資料の一覧に入り、現在はニュースアプリを運営しています。TechCreateではSmartHRが10回のピボットを経た過程やSmartNewsのAI地図アプリも紹介しています。企業名だけの一覧にせず、現在の製品と事業の変化をあわせて見ることが重要です。
8社と6社が併存する理由
経済産業省が2026年5月に公開したスタートアップ・エコシステム調査は、CB Insightsの2026年1月6日時点データをもとに、日本のユニコーン企業数を8社としています。一方、経済産業研究所は2026年3月時点で6社と記しました。2カ月のあいだに企業が増減した可能性だけでなく、採用したデータベース、国の帰属、最終調達時の評価額をどう扱うかも結果へ影響します。
金融庁サイトで公開された2025年4月基準の政策資料は、日本のユニコーン企業としてPreferred Networks、SmartNews、SmartHR、Spiber、Sakana AI、GO、Playco、Opnの8社を挙げていました。2026年3月の6社一覧ではPlaycoとOpnが含まれていません。しかし、公開資料だけから除外理由を断定することはできません。「評価額が下がった」「日本企業ではなくなった」などと推測せず、一覧ごとの基準差として扱うのが安全です。
未上場という条件で外れる
評価額が10億ドルを超えていても、株式上場すればユニコーンの一覧から外れます。事業が縮小したからではありません。買収で独立した未上場企業ではなくなった場合も同様です。社数が減ったことを、そのまま日本のスタートアップの後退と結びつけることはできません。
評価額は毎日更新されない
上場企業には市場価格がありますが、未上場企業の評価額は主に資金調達時の株価から推定されます。新しい調達がなければ、数年前の評価額が一覧に残ることもあります。株式の種類や優先権が違えば、単純な発行済み株式数との掛け算だけでは企業価値を正確に表せません。
ドル基準で数えるため、円建て評価額が変わらなくても為替で10億ドルの線をまたぐ可能性があります。そのため「日本円で1,000億円を超えた会社」と「10億ドル以上の会社」は、為替水準によって一致しません。
候補企業と混ぜない
「次のユニコーン候補」は、現在のユニコーンとは別の分類です。日本経済新聞社のNEXTユニコーン調査などは、有望な未上場企業を独自に調査しています。候補一覧には五常・アンド・カンパニー、Mujin、LayerXなどが含まれますが、掲載だけで評価額10億ドル以上と確定するわけではありません。
LayerXは2026年3月、2026年1月時点でグループ年間経常収益が100億円を超えたと公表しました。ARRは継続売上の規模を示す指標で、企業評価額ではありません。成長性を理解する重要な材料ですが、「ARR100億円だからユニコーン」とは判定できません。
候補企業を見るときは、評価額を推測するより、売上の継続性、顧客数、粗利、海外売上、研究開発力といった事業の実態を追います。スタートアップの資金調達でも、調達額と企業価値は分けて読む必要があります。
一覧を読む4つの基準
ユニコーン企業の一覧を比較するときは、次の4点を確認します。
- 基準日はいつか
- 集計元は企業発表、政府資料、民間データベースのどれか
- 10億ドル以上か、円換算額か
- 上場、買収、所在地の扱いはどうなっているか
同じ企業を扱う資料でも、基準日が1年違えば状態は変わります。記事やランキングが出典を示していない場合は、社数や順位を確定情報として使わない方がよいでしょう。企業が評価額を公表した場合も、投資前か投資後か、ドル換算の前提は何かを確認します。
日本でユニコーンが何社あるかは政策目標でも注目されますが、社数だけではエコシステム全体を測れません。研究開発型企業は売上まで時間がかかり、収益性の高いブートストラップ企業は大規模調達をしないことがあります。ユニコーン数はひとつの観測指標であり、企業の価値や成功を決める順位ではありません。
よくある質問
2026年の日本のユニコーン企業は何社ですか
資料によって異なります。CB Insightsの2026年1月6日時点データを使う経済産業省資料は8社、経済産業研究所は2026年3月時点で6社としています。出典と基準日を添えて使う必要があります。
ユニコーン企業の定義は何ですか
一般には評価額10億ドル以上の未上場スタートアップです。上場や買収で条件から外れ、円換算額は為替によって変わります。
調達額が10億ドルならユニコーンですか
いいえ。調達額は企業が受け取る資金、評価額は株価などから見積もる企業全体の価値です。両者は分けて確認します。
売上100億円ならユニコーンですか
いいえ。売上やARRと評価額は別の指標です。高い売上は評価材料になりえますが、ユニコーン判定には評価額の情報が必要です。
次のユニコーン候補はどこですか
各種調査で候補は示されていますが、将来の評価額は確定できません。候補選出を現在のユニコーン認定と混ぜず、売上、顧客、技術、資金調達を個別に追うのが適切です。
まとめ
- 2026年の日本のユニコーン企業数は、公的・研究資料でも8社と6社に分かれます。数字を使うときは、出典と基準日を必ずセットにする必要があります。
- ユニコーンは「10億ドル以上の未上場企業」という時点付きの分類です。上場、買収、為替、調達時評価によって一覧から出入りし、社数の減少が事業の失敗を意味するとは限りません。
- 候補企業、調達額、ARRは現在のユニコーン認定とは別です。ひとつのランキングで結論を出さず、企業発表と複数の資料を照合すると、誤った期待や過小評価を避けられます。





