「100人」で止まっていない
インド・アッサム州の洪水死者数は8月10日の時点で100人に達した。
そこで報道は少し止まったが、モンスーンは止まらなかった。
インド全土に広げると、8月上旬までに133人以上が洪水と地すべりで亡くなっている。
アッサム州だけで70万人以上が家を失った。ブラマプトラ川が溢れるたびに、数十万人が一時的または恒久的に避難する生活が繰り返されている。
「アジア最大の川」の問題
ブラマプトラは、チベットから発してアッサムを横切り、バングラデシュで海に注ぐ。
全長約2,900キロ。流域面積は約58万平方キロで、インド・バングラデシュ・ブータン・中国の四カ国にまたがる。
モンスーン期の増水量は世界の大河の中でも突出しており、通常の水量の30〜40倍になることがある。
アッサムの洪水は毎年起きる。それでも今年の規模は、地元の関係者によれば「ここ十数年で最も広い浸水面積」だとされている。
科学者はモンスーンの極端化が気候変動と結びついていると指摘するが、アッサム州当局は今も主に河川の浚渫と堤防の応急処置で対応している。
ブラマプトラ川の流量データは、8月15日時点でもまだ洪水警戒水位を超えていた。
泥が乾かない村
シバサガル郡だけで47人が亡くなった。アッサム州の中でも最も被害が大きかった郡のひとつだ。
避難民が戻り始めた村では、地面が露出していない。
ある農家の男性は地元紙に語った。
「牛は流された。田んぼも使えない。これから何で食べていくのか、わからない」
インド政府は救援物資の配布とヘリコプターによる孤立地域への支援を続けているが、道路が泥と土砂で塞がれた集落には、2週間経っても物資が届いていないところがある。
ケーララでも15人
アッサムから南に2,000キロ離れたケーララ州でも、同じモンスーンが15人の命を奪った。
7,000人以上が避難し、300カ所を超える避難所が開設された。
北と南、地理的に離れた二つの州が同じ雨に苦しんでいる。
これは偶然でも異常でもなく、インド亜大陸に毎年やってくるモンスーンの構造だ。
ただし今年の雨量は、過去30年の平均を大きく上回っている。
まとめ
- インドのモンスーン洪水は8月10日時点でアッサム州死者100人に達し、全国では133人以上が犠牲になった
- ブラマプトラ川の氾濫でアッサム州だけで70万人以上が家を失い、シルトが積もった村では農業の再開が見えない状態が続く
- ケーララ州など南部でも同様の被害が続いており、モンスーン極端化という背景を抜きに今年の洪水は説明できない
出典・参考
- Flood death toll in India's Assam reaches 100 as thousands lose their homes — NPR (2026/08/10)
- India's severe monsoon season causes more than 100 deaths since July — Al Jazeera (2026/08/05)
- At least 50 people killed and 700,000 displaced by India floods after monsoon rains — ABC News (2026/08)
- Monsoon floods and landslides kill over 133 across India — Sharjah24 (2026/08/05)



