Testimonial Heroは何を提供する?
Testimonial Heroは、B2B企業が自社顧客の経験を動画や事例記事として伝えるための制作サービスだ。創業者兼CEOはSam Shepler氏。同社は2024年3月、文章の導入事例を手がけるCase Study Buddyの買収を発表した。現在の料金ページにも、動画だけ、文章だけ、両方を一度のインタビューから作るプランが並ぶ。[1][2][3]
制作物は、ウェブサイト向けの90〜120秒の本編動画だけではない。プランに応じて15〜45秒のSNS・広告用短編、45〜75秒の営業向け短編を用意する。文章のセットには詳細な事例記事、1ページ版、営業資料用のスライド、引用カードが含まれる。同じ顧客の話を、検討段階ごとに使い分ける設計だ。ただし短編や文章がすべてのプランに付くわけではない。[3]
取材と撮影はどう進む?
Testimonial Heroの撮影方法は、担当者が聞き手となるリモート取材、現地撮影、顧客が自分で回答を録画する非同期方式に分かれる。公式FAQによると、前二者では担当者が30〜45分のインタビューを行う。リモート取材では顧客のスマートフォンを使い、現地撮影では撮影チームがインタビューと補助映像を収録する。非同期方式はリンクを送って顧客が自分で録画し、AIアバターが質問を提示する。[3]
方式選びでは、映像の見栄えだけでなく、顧客の予定と撮りたい場面を先に考えたい。
- 担当者が質問を深掘りする必要がある:リモート取材か現地撮影。顧客が一度で話をまとめられなくても、聞き手が追加質問できる。
- 製品の利用場面や店舗を映したい:現地撮影。公式案内では補助映像の収録も含まれるが、撮影場所と出演者の調整が必要になる。
- 複数の顧客から回答を集めたい:非同期方式。ただしその場の追加質問はないため、質問設計が重要になる。
これらは同社の提供方式から整理した選択基準で、成果の優劣を測った比較ではない。公式FAQは制作全体の目安を45日とする一方、顧客との日程調整で大きく変わるとしている。希望公開日が決まっている場合は、顧客の承諾と撮影枠を含めて事前に確認したい。[3]
料金はいくら?
2026年10月8日に確認した公式料金ページでは、費用は「Average Costs(平均費用)」として米ドルで示されている。動画のみ・リモート制作のBasicは3,800ドル、動画と文章のセット・リモート制作のBasicは6,000ドル。現地撮影にすると、同じBasicでもそれぞれ9,200ドル、11,600ドルになる。ここでいう価格は公開例であり、個別の確定見積もりではない。[3]
| Basicの公開例 | リモート | 現地撮影 | 主な制作物 |
|---|---|---|---|
| 動画のみ | 3,800ドル | 9,200ドル | 90〜120秒の本編動画 |
| 動画+文章 | 6,000ドル | 11,600ドル | 本編動画、事例記事、1ページ版、営業資料用素材 |
同社のFAQでは契約期間を12か月とし、購入するクレジットを制作方式や制作物に充てる仕組みを説明している。大半のプランには四半期払いも用意するとしているが、四半期払いと短期契約は同じ意味ではない。クレジットの必要量、追加費用、未使用分の扱い、日本語の取材・編集にかかる費用は見積もりで確認する必要がある。公式料金表では外国語での取材・編集が追加オプションとして挙げられている。[3]
導入事例から何がわかる?
小売向けソフトウェアを提供するNewStoreは、Testimonial Heroの掲載事例で、店舗内で製品が使われる様子を映すために現地撮影を選んだと説明する。顧客の出演承諾や関係者の日程調整が難しく、制作パートナーに準備から編集まで任せたという。同社は完成動画を自社サイト、営業資料、メール、ニュースレターで使い、SNS向けの短編も受け取っている。[4]
これはTestimonial Heroのサイトに掲載された顧客の証言であり、独立した効果測定ではない。売上増加や商談期間の短縮を、この事例から一般化することはできない。一方で、発注の判断点は見える。顧客の承諾を得て撮影できるか、完成後に複数の接点で使う体制があるか、動画に残すべき具体的な利用場面があるか、という3点だ。
導入前には、次の順で社内と顧客に確認すると無駄が少ない。
- 誰の、どの変化を伝えるか。成果の数字を使うなら、顧客側で公開できる範囲と確認方法を決める。
- 出演と公開の条件をそろえる。撮影場所、顔・社名の掲載、顧客による完成稿の確認、公開先を合意する。
- 使い道から制作物を選ぶ。サイトの事例ページだけなら本編中心、広告や営業で使うなら短編や文章も検討する。
顧客の協力がまだ得られていない企業には、顧客証言以外の動画制作も案内している。ただし、それは顧客事例の代わりに同じ証明力を持つという意味ではない。まず顧客の実体験を示したいのか、製品や業務の説明を作りたいのかを分ける必要がある。[5]
まとめ
- Testimonial Heroは顧客の声を制作物にするサービス。有人取材、現地撮影、非同期録画を選び、動画と文章を組み合わせられる。
- 公開価格は平均費用で、契約は原則12か月。3,800ドルという数字だけで導入を決めず、制作物、クレジット、言語対応を見積もりで確認したい。
- 成果は撮影だけでは決まらない。顧客の承諾、具体的な導入経験、公開後に使う場所がそろって初めて、事例を判断材料にできる。
出典・参考
- Testimonial Hero「About」
- Testimonial Hero「Testimonial Hero Expands Customer Story Service Offerings with Acquisition of Case Study Buddy」(2024年3月22日)
- Testimonial Hero「Pricing」(2026年10月8日確認)
- Testimonial Hero「How NewStore builds a robust video testimonial catalogue with Testimonial Hero」
- Testimonial Hero「No customers ready yet? No problem.」






