宮本佳林とは何者か
宮本佳林氏は1998年12月1日生まれ、千葉県出身。公式プロフィールによると、2008年11月に9歳でハロプロエッグへ加入し、2013年にJuice=Juiceのメンバーとなった。2020年12月に同グループとハロー!プロジェクトを卒業し、現在はソロ歌手として活動している。
| 項目 | 公式情報 |
|---|---|
| 生年月日 | 1998年12月1日 |
| 出身地 | 千葉県 |
| 主な活動 | ソロ歌手、元Juice=Juiceメンバー |
| 2008年11月 | ハロプロエッグに加入 |
| 2013年 | Juice=Juiceのメンバーとして活動開始 |
| 2020年12月 | Juice=Juice、ハロー!プロジェクトを卒業 |
| 趣味 | DTM、動画編集、バイブコーディングなど |
アイドル活動とAI開発は、離れた挑戦に見える。しかし、本人の発信を追うと、音楽、映像、配信を自分で作る範囲が少しずつ広がり、Webシステムへ届いた流れが見える。
宮本氏は、歌唱やダンスだけを担当するのではなく、DTMで音を作り、動画を編集し、YouTubeで配信してきた。AI開発も、エンジニアへの転身ではない。自分の楽曲とファンをつなぐ表現手段を増やす取り組みだった。
9歳から続く創作
宮本氏がハロプロエッグへ加入したのは9歳のときである。Juice=Juiceでは結成時から約7年半活動し、卒業後はソロへ移った。2026年7月には5枚目のシングル「HANAKIN/シャニカマー」を発売している。
| 時期 | 表現の範囲 |
|---|---|
| ハロプロエッグ時代 | 歌、ダンス、ステージ経験を重ねる |
| Juice=Juice時代 | グループで楽曲とライブを届ける |
| ソロ活動 | DTM、動画編集、YouTube配信へ制作範囲を広げる |
| 2026年 | AIを使い、販促用のWebシステムを制作する |
長く活動するアイドルは、ファンがどこで迷い、何を楽しみ、どの瞬間に参加したくなるかを知っている。宮本氏のシステムには、その経験が仕様として入った。
たとえば、10時間配信では、CD購入やXでの応援投稿を数字だけで並べなかった。達成状況に応じてメイク、衣装、編集アプリなどが段階的に解禁される構成にした。ファンの行動が画面を変え、次の展開につながる参加型企画である。
技術より先にファン体験があったことが、宮本氏のAI開発を理解する第一歩になる。
AI開発までの4カ月
本人の振り返りによれば、始まりは2026年1月だった。ChatGPTに音楽アプリの構想を相談し、「自分のアイデアをシステムにできるかもしれない」と考えた。そこから学習と小さな開発体験を重ねている。
| 時期 | 出来事 | 次につながったもの |
|---|---|---|
| 2026年1月 | ChatGPTへ音楽アプリの構想を相談 | アイデアをAIと仕様へ変える感覚 |
| 2月 | UdemyでAWS認定資格の学習を開始 | クラウドの基本用語との接点 |
| 3月 | デジタルチケットと顔認証を使うイベントを体験 | 音楽イベントとシステムの接続 |
| 4月 | playgroundで約3時間の開発体験 | Cursor、GitHub、Vercelを使って公開まで経験 |
| 6〜7月 | シングル販促用の4システムを制作 | AI開発を本番のファン施策へ投入 |
4月の開発体験では、Cursorを使ってWebサイトを作り、GitHubとVercelを通じて公開まで進めた。周囲から助言を受け、複数のAIにレビューさせる方法も学んだという。
この経緯から、宮本氏を「何も学ばず、一人で突然システムを完成させた人」と説明するのは正確ではない。本人はコードを書かず、コードも読めないと話している。一方で、クラウドを学び、開発者の支援を受け、実際の公開工程を経験してから本番制作へ進んだ。
1000万表示の配信
AI開発が広く知られたきっかけは、2026年7月31日の10時間YouTube生配信である。5枚目のシングル「HANAKIN/シャニカマー」の発売週に、午前8時から午後6時まで配信した。
| 配信を支えた機能 | 役割 |
|---|---|
| リアルタイムゲージ | CD購入や応援投稿の進み具合を視聴者に示す |
| 管理画面 | 本番中に数値や表示を操作する |
| X投稿数の取得 | 指定ハッシュタグの広がりを企画へ反映する |
| AIによる採点 | 過去のMVをどこまで再現できたかを判定する |
翌8月1日、宮本氏は制作過程と技術構成を2本のブログで公開した。案内したX投稿は、2026年8月28日16時50分ごろの取得時点で約1064万表示、約1万7500件の「いいね」、約4000件のリポストを記録していた。
表示回数は同じ利用者への複数表示を含み得るため、読者数や検索需要と同じではない。それでも、本人の通常のファン層を越えて話が広がった規模はわかる。
反応を集めた理由は、「コードを書けないアイドルが作った」という意外性だけではない。本人が企画をどう考え、何に失敗し、どこを手動で補ったかまで公開したため、AIを使ってものを作る人にも具体的な材料となった。
作った4つの仕組み
10時間配信は、宮本氏が作った仕組みのひとつである。2026年6月から7月にかけて、シングルの販促を支える4つのシステムを制作した。それぞれ別のファン層へ向けている。
| 仕組み | 主な対象 | 役割 | 運用上の工夫 |
|---|---|---|---|
| 休日生態系診断 | 宮本氏をまだ深く知らない人 | 診断を入口に楽曲や活動へ触れてもらう | 気軽に試せる体験へ絞る |
| リリースイベントのアンケート | イベント参加者 | 感想を集め、回答後にボイスを届ける | 個人情報を極力預からない |
| 全通特典動画の配布 | 複数会場へ参加した人 | 参加履歴に応じて限定動画を届ける | 既存の購入特典と競合させない |
| 10時間配信システム | 配信視聴者と応援するファン | 購入や投稿をリアルタイムに企画へ反映する | 自動取得が止まった場合の手動操作を用意する |
アンケートのフロントエンドにはReact、Vite、TypeScript、Tailwind CSSを使った。バックエンドはCloudflare Workers、Hono、Zodで構成し、D1、R2、KV、Turnstileも組み合わせたと本人が公開している。
10時間配信では、Cloudflare WorkersとKVでゲージや管理画面を動かし、OBSへ表示した。Xの投稿数取得と、AIによるMV再現度の採点は別の処理として構成している。
技術を多く使うことが目的ではなかった。10時間配信の画面は、壊れにくさを優先してシンプルなHTMLとJavaScriptを選んだという。7月31日に確実に動くことを優先した判断である。
コードを書かずに作る
4つのシステムにかかった時間は、本人が公開した登壇資料によれば合計34時間だった。ただし、この数字だけを「AIで簡単に作れた」と読むと、工程を取り違える。
| 工程 | 宮本氏が担ったこと |
|---|---|
| 発想 | 自分の活動で実現したい企画を考える |
| 実現性の確認 | AIへ実現できるかを尋ねる |
| 影響の確認 | 誰かを傷つけないか、既存特典と競合しないかを見る |
| 仕様化 | AIとの壁打ちをMarkdownの仕様書へまとめる |
| 骨組みの制作 | まとまった時間にCursorやClaudeで動く形を作る |
| 修正 | 移動中にスマートフォンのメモへ修正点をため、反映する |
| 本番運用 | 自分で確認し、管理画面や手動処理で補う |
Claude Codeは、コードベースを読み、ファイルを編集し、コマンドを実行できる開発支援ツールである。自然言語で依頼できるが、安全性や運用を自動的に保証するものではない。基本的な機能はClaude Codeの公式ドキュメント、非エンジニアが使う際の考え方はTechCreateのClaude Code非エンジニア活用ガイドで確認できる。
AIはコードの生成や修正案を担った。一方、誰に何を届けるか、何を作らないか、公開してよいか、本番中にどう直すかは宮本氏が決めた。34時間は制作時間であり、その外側にはAWSの学習、開発体験、ファンと向き合ってきた時間がある。
4つの守り
宮本氏は、自身の作り方を時間、セキュリティ、お金、気持ちの「4つの守り」に整理している。動く画面が早く出るAI開発では、完成したと錯覚しやすい。そこで、本番へ出す前に確認する観点を分けた。
| 守るもの | 実際に取った方法 | 制作者が確認したいこと |
|---|---|---|
| 時間 | 締め切りから逆算し、動くことを優先する | 本番日までに削る機能は何か |
| セキュリティ | 個人情報をなるべく預からず、複数AIにレビューさせる | 漏れたら困るデータを集めていないか |
| お金 | 無料枠や上限を確認し、想定外の課金を避ける | 利用増で費用が跳ねる処理はどこか |
| 気持ち | 既存特典と競合させず、感謝の言葉は自分で書く | 便利さが既存の体験を損なっていないか |
「気持ち」を技術や費用と並べた点には、アイドルとしての経験が表れている。全通特典動画を作るときは、新しい仕組みが既存の商品や参加特典の価値を下げないかを確認した。アンケート後の感謝文もAIに任せず、自分で書いたという。
この考え方は、2026年8月27日の「Cloudflare Workers Tech Talks in Tokyo #8」でも紹介された。本人の説明とスライドは、登壇部分へ直接移動する公開動画で確認できる。
複数AIのレビューは、第三者によるセキュリティ監査とは異なる。本稿で確認できるのは、本人が公開した対策と設計方針までであり、システム全体の安全性を保証するものではない。
AIが生成したコードを本番へ出すときの確認項目は、TechCreateのバイブコーディングとガバナンスの解説でも整理している。
失敗も隠さない
宮本氏の人物像を伝えるのは、成功した画面だけではない。アンケートシステムでは、自動バックアップが保存されていない失敗も起きた。
| 想定していた状態 | 実際の状態 |
|---|---|
| 一定間隔でCSVを自動保存する | 保存先がなく、データは保存されていなかった |
| 処理が動いていればバックアップも成功している | 成功を確認する監視が不足していた |
| 自動処理だけで回答を守れる | 本人が手動保存していたため回答が残った |
本人の技術ブログによると、CSVを定期保存する処理は動いているように見えた。しかし、保存先が存在せず、実際にはバックアップされていなかった。回答データが残ったのは、本人が手動保存を併用していたためである。
AIが生成した処理が動くことと、期待した結果が保存されることは別だ。10時間配信でも、X投稿数の自動取得に加え、管理画面から数値を調整できる余地を残した。宮本氏は、自動化を信じ切るのではなく、止まったときに人が戻せる道を用意していた。
失敗の経緯まで公開したことで、AI開発を単純な成功物語にしなかった。この姿勢も、技術に関心を持つ人から注目された理由のひとつと考えられる。
表現者が道具を増やした
宮本氏は、AI開発へ進んだからアイドルではなくなったわけではない。むしろ、楽曲とファンをつなぐために、使える道具を増やしたと見るほうが実態に近い。
| AIで速くなった仕事 | 宮本氏に残った仕事 |
|---|---|
| 画面や処理の試作 | 解く課題を選ぶ |
| 変更案の生成 | ファンへの影響を判断する |
| 技術候補の比較 | 費用とリスクを引き受ける |
| テスト項目の提案 | 本番で止める、直す、言葉を届ける |
宮本氏のAI開発は、「プログラミング学習が不要になった」ことを示す事例ではない。本人はAWSを学び、開発者から助言を受け、失敗を公開している。技術知識があれば、AIの誤りを早く見つけ、より複雑な問題へ対応できる。
変わったのは、制作へ参加するための入口である。AIによって試作と修正の距離が短くなり、長くファンと向き合ってきた人のアイデアを、自分で動かせる可能性が広がった。
実装より設計と評価の比重が増える変化は、TechCreateのエージェンティック・エンジニアリング解説にも通じる。
AI開発で話題の宮本佳林氏とは、AIで突然別人になったアイドルではない。歌、ダンス、DTM、動画編集と広げてきた創作の先に、Webシステムを加えた表現者である。
よくある質問
宮本佳林氏はどんな人ですか
元Juice=Juiceメンバーで、現在はソロ歌手として活動するアイドルである。9歳でハロプロエッグに加入し、DTM、動画編集、YouTube配信などにも制作範囲を広げてきた。2026年にはClaude Codeを使い、シングルの販促を支える4つのWebシステムを作った。
宮本佳林氏はAIで何を作ったのですか
休日生態系診断、リリースイベントのアンケートとボイス配布、全通特典動画の配布、10時間配信を支えるシステムの4つである。配信システムには、リアルタイムゲージ、管理画面、X投稿数の取得、AIによるMV再現度の採点が含まれた。
使った生成AIは何ですか
本人ブログと登壇では、主にClaude Codeを使ったと説明している。開発の入口ではChatGPT、制作ではCursorも利用し、レビューでは複数のAIを使ったという。
本当にプログラミング未経験だったのですか
宮本氏は、自分でコードを書かず、コードも読めないと説明している。ただし、制作前にAWSの学習や約3時間の開発体験があり、開発者からの助言も受けている。「何も学ばず一人で完成させた」という意味ではない。
Cloudflare Workersは何に使われたのですか
公開された技術構成では、アンケートのバックエンドや、10時間配信のゲージと管理画面などに使われた。データの用途に応じてD1、R2、KVも組み合わせている。
登壇アーカイブはどこで見られますか
YouTubeの公開アーカイブで見られる。リンクは宮本氏の登壇が始まる1時間40分50秒に設定している。
まとめ
- 宮本佳林氏は、9歳からアイドルとして活動し、歌やダンスにDTM、動画編集、AI開発を加えてきた表現者である。AI開発は突然の転身ではなく、制作範囲を広げてきた歩みの延長にある。
- 1000万表示を超えた10時間配信では、ファンの行動を画面へ反映する4つの機能を本番運用した。技術より先に、参加したくなるファン体験を設計していた点が重要である。
- AIはコード生成を担ったが、企画、個人情報、費用、特典との関係、失敗時の復旧は本人が判断した。AIで作るときも、対象への理解と運用責任は人に残る。
出典・参考
- 宮本佳林氏「アイドルがAIと配信のシステムを全部作った話」(2026年8月1日)
- 宮本佳林氏「HANAKIN配信システムの技術構成」(2026年8月1日)
- 宮本佳林氏「元アイドルがバイブコーディングできるようになるまで。」
- 宮本佳林氏「イベントアンケートもバイブコーディングで。」
- 宮本佳林氏「リリースイベントのアンケート 技術構成編」
- 宮本佳林氏「アイドルがCloudflare Workers Tech Talksに呼ばれた話」(2026年8月27日)
- 宮本佳林氏のX投稿:10時間配信システムの解説ブログを案内(2026年8月1日)
- J.P ROOM「宮本佳林」公式プロフィール
- Real Sound Tech「宮本佳林、“バイブコーディング”への尽きない探究心」(2026年8月6日)
- JOYSOUND音楽ニュース「宮本佳林、AIでシステムを自作した10時間配信までの文脈」(2026年8月27日)
- Cloudflare Workers Tech Talks in Tokyo:宮本佳林氏の登壇アーカイブ、1時間40分50秒から(2026年8月27日)
- Cloudflare Workers Tech Talks in Tokyo #8
- Anthropic「Claude Code overview」
- Cloudflare Workers公式ドキュメント
- Cloudflare D1公式ドキュメント
- Cloudflare R2公式ドキュメント



