Gemini 3.6 Flashの主な変更点
今回のフラッグシップ投入となる「Gemini 3.6 Flash」は、コーディング・知識ワーク・マルチモーダル処理のいずれでも従来モデルを上回る性能を示すとGoogleは説明する。
最大の変化は出力効率だ。Artificial Analysis Indexのデータによると、同モデルは「Gemini 3.5 Flash」比で出力トークン数を約17%削減できる。これはモデルが複数ステップのワークフローを処理する際に余分な推論ステップやツールコールを省くためで、コスト削減と応答速度の向上を同時に実現する。
価格は入力が100万トークンあたり1.50ドル(変更なし)、出力が7.50ドルへ引き下げ(従来9.00ドル)。あわせて知識カットオフが2025年1月から2026年3月へと大幅に更新されており、最新の出来事や情報を扱うタスクへの適性が高まった。
Gemini 4の事前学習も開始
今回の発表と同時に、Googleは次世代モデル「Gemini 4」の事前学習を開始したと明らかにした。「これまでで最も野心的な事前学習ラン」と同社は表現している。具体的なスペックや公開時期は未定だが、研究開発の段階に踏み込んでいることを正式に認めた形だ。
あわせて公開された「Gemini 3.5 Flash Lite」はFlashティア内で最もコスト効率が高い位置づけで、入力100万トークンあたり0.30ドル、出力2.50ドルという設定だ。「Gemini 3.5 Flash Cyber」はサイバーセキュリティ特化の特別モデルで、脆弱性の発見・修正に特化したファインチューニングが施されており、政府機関や信頼済みパートナーにのみ提供される。
Gemini 3.5 Proの不在が残した疑問
市場では今回の発表前から「Gemini 3.5 Pro」の到着を見込む声が多く、AIベンチマークでもその公開が注目されていた。しかし結果は三度目の先送りとなった。Googleは「近日中に広く提供予定」とするにとどまり、明確な期日は示していない。
OpenAIやAnthropicが旗艦モデルのアップデートを続ける中で、GeminiのProティア不在は戦略的な問題として市場関係者からの視線が集まっている。一方でFlashティアのコスト改善とGemini 4の事前学習開始という今回の発表は、開発リソースがより大きな世代交代に向けて集中しているサインとも読み取れる。
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