「今年26番目の台風は9月末に沖縄を直撃する最も遅い例のひとつだ」
台風の名前スリゲは、フィリピンの魚に由来する。今年の台風シーズンは活発で、26号という到達は1994年以来32年ぶりの多発年となっている。その中でも9月末に強い勢力で沖縄本島付近を通過するケースは近年では珍しい。
気象庁の予報官、山城信之さんは会見で「台風の発達は海面水温に大きく左右される。今年は9月末でも沖縄近海の海面水温が29度台を維持しており、それが台風の維持を助けた」と説明した。海面水温の高い状態が続く背景には気候変動の影響があると指摘され、国際研究機関は「秋まで活発な台風シーズンが続く傾向は今後も強まる可能性がある」と分析している。
沖縄県の玉城デニー知事は「直撃の可能性が高まっている。農業施設の固定と漁船の避難を急いでほしい」と住民に呼びかけた。サトウキビの収穫期を前にした農家からは「台風が来るたびに畑が荒れる。年々状況が厳しくなっている」という声が聞かれた。
「先島は今夜から、本島は明日未明が最も危険な時間帯だ」
気象庁の予報によると、台風26号は26日夜に宮古島付近を通過し、27日未明から午前にかけて沖縄本島の西側を北上する見通しだ。最接近時には暴風域が沖縄本島全体を覆い、最大瞬間風速60メートルに達する可能性がある。
高波の予報では先島で最大12メートル、沖縄本島では最大10メートルの波高が想定されている。堤防や護岸の整備が進んでいない離島では越波による浸水のリスクがある。国土交通省九州地方整備局は那覇港と中城湾港の防潮扉を27日午前0時に全閉すると発表した。
自衛隊那覇基地は航空機を本土の基地に退避させ、艦艇も沖縄北部の洋上に移動した。海上保安庁は巡視船を北部海域に集結させ、被災後の救助体制を整えた。
「27日以降、暴風域が九州南部へと移動する」
台風26号は27日午後から九州南部へと進路を変え、28日には鹿児島県付近に接近する見通しだ。宮崎県と鹿児島県の沿岸部では27日から大雨と高波への警戒が必要になる。四国の太平洋側でも27日から28日にかけて強い雨が続く見込みだ。
気象庁は東海・関東地方でも28日から29日にかけて大雨の可能性があると呼びかけた。特に静岡県と神奈川県西部では土砂災害の危険度が高まるとされ、早めの備えを促している。
今年の台風シーズンでは、ハワイに接近した台風ノロも大きな被害をもたらした。ノロの進路と降雨パターンについては前日公開の記事を参照してほしい。
「離島の物流は台風通過後も1〜2日は止まる」
離島への物資補給は船便と航空便に依存しており、台風通過中はすべて停止する。石垣島や宮古島には通常、24〜48時間分の食料と医療品の備蓄があるが、台風が大型の場合は通過後の欠航が続くことがある。今回の台風26号は比較的速い速度で移動しており、通過後24時間以内の物流再開が見込まれている。
農業被害については沖縄県農林水産部が農家向けの損害調査票を事前に配布した。サトウキビ農家約4,000戸を対象に、被害状況を速やかに把握して共済の適用につなげる体制を整えているという。
台風は毎年のように沖縄を直撃するが、今年は例年より本島に近いコースを通る可能性があり、被害規模を今後数時間で見極める必要がある。
まとめ
台風26号スリゲは9月26日夜から27日にかけて沖縄本島付近を通過し、最大瞬間風速60メートル・最大波高10メートルに達する可能性がある。先島諸島はすでに暴風圏に入り、那覇空港は欠航を決定している。今年26番目という台風の多発は9月末の海面水温の高さと気候変動の関係が指摘されている。27日以降は九州南部・四国・東海にも影響が及ぶため、広域での早期対応が必要だ。台風通過後も離島の物流は1〜2日止まる見込みで、農業被害の把握と支援体制の準備が急がれている。
出典・参考
- 気象庁 台風情報(2026年9月26日)
- 沖縄気象台 暴風警報・高波警報(2026年9月26日)
- 沖縄県 玉城知事 会見(2026年9月26日)
- 気象庁 台風情報ページ
- NHK、琉球新報 報道(2026年9月26日付)






