ドローンが寮を直撃した朝
コルドファン大学はスーダン内戦が始まった2023年4月以前から、北コルドファン州の高等教育の中心だった。 学生寮にはスーダン各地から進学してきた若者が暮らしていた。
10月1日の朝、RSFのドローンが寮を標的にした。 爆発が起き、逃げ場のない学生たちが巻き込まれた。[1]
スーダン医師ネットワークは死者5人、負傷者47人という数字を発表した。 うち何人が学生かは明らかにされていない。
コルドファン大学は2023年以降、周辺地域からの避難学生も受け入れてきた。今回の死傷者の中にそうした学生が含まれているかは確認されていない。
スーダン医師ネットワークは現場での救助と搬送を担った。地元病院の受け入れ能力の限界を超える数の負傷者が運ばれた。
「民間施設への攻撃だ」という非難
スーダン医師ネットワークは今回の攻撃を「教育施設とその住人を標的にした組織的な破壊行為だ」と断じた。[2] 国際人道法は学校や病院などの民間施設を攻撃することを明確に禁じている。
国際人道法の第1追加議定書は大学を攻撃禁止の民間物件と明確に規定している。スーダンは同議定書の締約国にあたる。
教育施設への攻撃は、学業継続へのメッセージとも解釈される。地域の長期的な回復力を削ぐ狙いがあるとみる専門家もいる。
大学を狙ったドローン攻撃はスーダンで以前にも起きている。 ダルフール地方の複数の大学が2026年2月以降に攻撃を受け、国際社会の非難を集めた。[3]
「高等教育施設が繰り返し標的にされている」と支援団体は警告している。 学生や教職員が攻撃の恐怖の中で暮らす状況が続いている。
エルオベイドは繰り返し狙われてきた
エルオベイドは今回が初めて標的になったわけではない。 9月20日にも住宅地でRSFのドローン攻撃があり、2人が死亡、20人が負傷した。[1]
北コルドファン州はスーダン内戦の主戦場であるダルフールと東部の中間に位置する。 RSFはこの地域にも展開しており、定期的な攻撃が続いている。
エルオベイドは中部スーダンの農産物集散地でもある。攻撃で物資の輸送が滞れば、周辺の農村部にも影響が及ぶ。
市街地への攻撃が続く中、住民は安全な避難先を探している。州内に留まるか、南方のほかの州へ移るかの選択を迫られている。
住民の多くは繰り返される攻撃に心理的な疲弊を感じている。「次はいつか」という恐怖の中で暮らす状況が続いている。
6月にはエルオベイドへの別のドローン攻撃でNGOの報告によると最大23人が死亡した。[4] 市民への被害が累積する中、国際的な関心はガザや中東に集中している。
スーダン内戦の3年目
RSFと国軍による内戦は2023年4月に首都ハルツームで始まった。 3年以上が経過した今も解決の見通しは立っていない。
国連によると、この内戦はすでに世界最大規模の人道危機の一つとなっている。 人口の約6割にあたる3,000万人以上が人道支援を必要としている。[5]
国連難民高等弁務官事務所によると、スーダン国内外の避難民は1,000万人を超えた。世界最大規模の難民危機の一つになっている。
RSFはダルフール地方を中心に広大な地域を支配しているとされる。 今回のエルオベイドへの攻撃は、その支配圏の外縁への攻勢と見られている。
世界の目がスーダンに届かない理由
欧米のメディアはガザ・ウクライナに注目が集まり、スーダンへの継続的な関心は維持しにくい。報道量の差が資金拠出の差に直結しているとNGO関係者は指摘する。[5]
国連の緊急人道支援調整事務所によると、スーダン向け支援要請額への拠出率は40%台にとどまっている。資金不足で食料配給が縮小している地域もある。[5]
スーダン内戦で死亡した民間人の数は、国際機関によって異なる推計が出ている。正確な記録を妨げる通信遮断と取材制限が、実態把握を困難にしている。[5]
「RSFはコメントしない」という慣例
RSFは今回の攻撃についてコメントを出していない。 これはRSFの一貫した対応パターンだと国際報道機関は指摘する。[2]
RSFは攻撃ごとに「民間人を標的にしていない」と繰り返してきた。 しかし市民への被害は各地で記録されており、人権団体からの批判が続いている。
他国の紛争では、民間施設への攻撃を理由に戦争犯罪として訴追されたケースもある。スーダンでその手続きが進むかは見通せない。
国際刑事裁判所はスーダンの状況を監視しているが、具体的な訴追には至っていない。 「証拠の収集と証人の保護が困難な状況だ」と関係者は語っている。
まとめ
- 10月1日、RSFのドローンがスーダン・エルオベイドのコルドファン大学寮を直撃した。学生5人が死亡、47人が負傷した。
- エルオベイドは9月20日にも攻撃を受けており、繰り返し標的にされている。スーダン内戦の民間被害は拡大を続けている。
- RSFはコメントを出しておらず、国際人道法違反の訴追は進んでいない。
出典・参考
- Sudan Tribune「Drone strike kills five at university dorm in Sudan's El Obeid」(2026年10月1日)原典
- Radio Tamazuj「5 killed in drone strike on university dormitory in El-Obeid, medics say」(2026年10月1日)原典
- University World News「Condemnation as universities in Darfur come under attack」(2026年2月)原典
- Al Jazeera「Drone strikes on central Sudanese city kill up to 23: NGO」(2026年6月)原典
- Middle East Monitor「5 killed, 47 injured in RSF drone attack on university dormitory in Sudan」(2026年10月1日)原典






