「無許可の航路を使った」とIRGCが強調
IRGCは声明で、機雷に触れた3隻がいずれも「許可されていない航路を使用していた」と主張した。どの経路が認められていて、どれが違反なのかについては説明していない。[2]
今月初めには、コンテナ船GFSプライドが攻撃を受けて沈没した。乗組員21人は安全に退避したが、積み荷と船体は失われた。9月には旗船MT「オン・ピース」でインド人乗組員11人を含む12人が被弾して負傷している。
IRGCは今年に入って攻撃の範囲を段階的に広げてきた。当初は船舶への嫌がらせ的な航行妨害が中心だったが、今月は機雷を活用した物理的な破壊に移行している。
英国海事貿易局(UKMTO)は同海域での事案を記録に留めたが、IRGCの主張を独自に検証していないと述べた。独立した当局による確認は今のところとれていない。[3]
「石油輸出を締め付け、価格を押し上げる」と公言
IRGCは一連の攻撃について、「石油輸出を締め付け、価格を引き上げる」目的の作戦だと明言している。[3]
テヘランの意図は明確だ。対米制裁の圧力をかけているワシントンに対し、イランは「ホルムズ海峡を通じた世界経済へのコスト」を可視化しようとしている。
アメリカ海軍はエスコート体制の拡充を検討している。バブ・エル・マンデブ海峡でフーシ派の攻撃から商船を護衛してきた体制を、ホルムズ海峡にも広げる方向で協議が進んでいる。ただし同海峡でのエスコートは前例が少なく、実施ルールの設定が課題になっている。
イランは過去にも、制裁交渉が行き詰まるたびに海峡通航への圧力を強めてきた。今回の機雷攻撃がその一環なのか、交渉カードを超えた封鎖の前段階なのかは、現時点では判断できない。
ホルムズ海峡という「チョークポイント」の意味
ホルムズ海峡は世界の石油輸送量の約20%が通過する要衝だ。イランはかねてより「有事には封鎖する権利がある」と主張してきた。
通常時に同海峡を通航する商船は1日85隻ほどとされている。23件の攻撃が記録された10月は、それが大幅に減少した日もあったと報じられている。
今回の機雷攻撃は、フーシ派による紅海作戦とは指揮系統が異なる。フーシ派はイエメンから発射するミサイルや無人機で通航船を狙うのに対し、IRGCは海峡内に直接機雷を敷設している。この「直接行動」は、地域の緊張が新たな段階に入ったことを示す。
エネルギー市場への影響は既に出始めている。同海峡を迂回するには最短でも2週間の余分な航行が必要となり、保険料と輸送費の両方が上昇する。
まとめ
- IRGCは10月20〜21日、ホルムズ海峡でタンカー3隻が機雷に接触したと発表。2隻が炎上し、1隻が爆発した。「許可されていない航路を使用していた」と主張しているが、独立機関の確認は取れていない。
- 10月の攻撃件数は23件と例年の約2倍。IRGCは「石油輸出を締め付け価格を押し上げる」作戦と公言しており、米海軍はエスコート体制の拡充を検討している。
- IRGCが海峡内に機雷を直接敷設したことは、フーシ派の紅海作戦とは質的に異なる「直接行動」であり、中東の緊張が新たな段階に達したことを示している。







読者のコメント (0)
コメントを残す