AIを事業に取り入れるために受発注を見直す
BtoB ECは、企業同士の取引をオンラインで行う仕組みだ。今回のカンファレンスでは、FAX・電話・メールなどで受けている注文をどうデジタル化するか、その先で事業や顧客との関係をどう変えるかを考える。
主催者がAI時代の受発注に注目するのは、日々の取引に顧客・商品・価格・在庫・取引履歴などのデータが集まるからだ。新しい技術を実際の業務に活かすには、こうした情報をつなぎ、利用できる状態に整える必要があるという。
プログラムは、経営理念や顧客価値を考える対談から、ECプラットフォームの比較、導入企業の運営事例、決済や市場の変化へと進む。経営の方向性と、現場で選ぶシステムや業務の進め方を、同じ日に考えられる構成だ。
注目の6セッションと登壇者を紹介
13:25〜14:05 佐宗邦威氏×吉岡大輝氏が理念と顧客価値を考える
セッション名は「AI時代、あなたの会社は何で選ばれるのか。 ― BtoB企業の理念を、事業と顧客価値につなぐ」。企業理念を事業の判断や顧客に届ける価値へどう結びつけるかを扱うトークセッションだ。
登壇する佐宗邦威氏は、戦略デザインファームBIOTOPEのファウンダー/ストラテジック・デザイナー。P&Gでのマーケティング、ソニーでの新規事業創出支援を経てBIOTOPEを創業し、企業や自治体のイノベーション支援、理念の策定・実装に携わってきた。著書に『直感と論理をつなぐ思考法』『理念経営2.0』などがある。
対談相手の吉岡大輝氏は、主催する株式会社ウキヨの代表取締役。サイバーエージェントで事業開発を経験し、ウキヨ創業後はWebやDX領域の支援、BtoB領域のEC活用に取り組んできた。
ウキヨは、BtoB企業のEC選定・構築・運用や受発注DX、基幹システム連携などを支援する企業だ。吉岡氏は13:15からのオープニングトークに登壇し、3社合同セッションのモデレーター、ナゴミヤとの対談相手も務める。
14:35〜15:05 W2・ecbeing・EBISUMARTを同じ場で比較
セッション名は「結局、BtoB ECはどこを選べばいい?有力3社を並べてわかる、それぞれの強みと選び方」。ECプラットフォームを提供する3社が登壇するパネルディスカッションで、吉岡氏が進行を担当する。
3社からは、次の3人が登壇する。
- 斉藤淳氏|ecbeing 営業本部/上席執行役員。2000年から「ecbeing」の製品開発や導入・カスタマイズ開発に携わり、プログラマー、SE、プロジェクトリーダー、開発部長などを経験。現在は営業責任者を務めている。
- 鴨下文哉氏|W2株式会社 執行役員 兼 S&M本部 本部長。エスキュービズムでコンサルティングやEC構築を手がけ、Salesforce JapanではCommerce Cloud事業の責任者を経験。2024年にW2へ参画した。
- 湯浅啓人氏|株式会社インターファクトリー BtoB事業統括部長。大手SIerでシステム導入などに従事した後、2017年にインターファクトリーへ入社。大規模BtoB ECの構築、サービス企画・開発を経て、2023年10月から現職に就く。
主催者は、特定製品の優劣を決める場ではなく、各社の考え方を聞き比べ、自社の選定に必要な視点を得る場と位置づけている。機能の有無に加え、自社の商習慣や現場の運用にどう合うかが、聞き比べる際のポイントになる。
15:30〜15:55 ナゴミヤの卸ECに学ぶ導入後の継続改善
セッション名は「進化し続ける卸ECの舞台裏 ―少数精鋭で6,000アイテムを捌くナゴミヤの継続改善と次世代の卸売」。ナゴミヤの中村光弘氏と吉岡氏が対談する。
中村氏は株式会社ナゴミヤの代表取締役。和菓子店の立ち上げや運営、食品メーカーでの販路開拓を経て、2009年に同社を設立した。2020年にはFAXによる受発注をBtoB ECへ移行し、その後も決済や受発注、商品登録の仕組みの整備を進めている。
この対談では、卸ECを運営する企業の立場から、少人数での業務と継続的な改善を取り上げる。3社パネルと続けて聞けば、システムの選定から導入後の運営までを考える材料になる。
16:00〜16:20 Checkout.comの佐々木典子氏が企業間決済を語る
講演名は「決済が変える企業間決済の未来 ―B2B決済の進化と日本企業への示唆」。登壇する佐々木典子氏は、Checkout株式会社の代表取締役/カントリー・マネージャーだ。
佐々木氏はシティグループでカード事業やリテールバンキング事業に携わり、アクセンチュアやPwCコンサルティングなどでDXや業務改革を経験。2024年からCheckout.comの日本法人に参画し、Eコマースの決済課題や事業成長を支援している。
企業間取引を決済の面から見直す講演で、B2B決済の変化と日本企業への示唆がテーマとなる。ECの注文画面にとどまらず、決済まで含めた取引全体を整えたい担当者に向く。
16:45〜17:10 土屋剛氏が「顧客の買い方」からBtoB ECを考える
講演名は「なぜ、あの会社ばかり注文が集まるのか ―『お客様の買い方』から作るBtoB ECの仕組み」。ルーサーコンサルティング株式会社の代表取締役、土屋剛氏が登壇する。
土屋氏はトラスコ中山でマーケティング部長、eビジネス営業部長などを務め、同社のeビジネス部門を率いた。その後、KADOKAWAグループでDXの外販などに携わり、2025年1月にルーサーコンサルティングを設立。BtoB企業のEC・DX支援に取り組んでいる。
講演では、顧客がどのように商品を買いたいのかを起点に、注文につながるBtoB ECを考える。売り手の業務効率と買い手の使いやすさを両方見直したい企業にとって、システムの選定や運営を顧客の立場から捉える機会になる。
17:20〜17:50 鵜飼智史氏がB2B ECの歩みとAI時代を展望
講演名は「B2B ECのこれまでと、AI時代のこれから」。株式会社アルゴラの代表取締役、鵜飼智史氏が登壇する。
鵜飼氏は2000年代からBtoB EC市場に携わり、企業間の受発注に特化したプラットフォームの立ち上げ、事業戦略、プロダクト開発を手がけてきた。2026年3月にアルゴラを設立し、戦略策定や事業開発、AI・DXの支援に取り組んでいる。
EC選定や個別企業の運営事例を聞いた後に、市場全体の変化へ視野を広げる講演だ。BtoB ECの歩みを振り返り、AI時代の展望を考える内容が予定されている。
当日の全タイムテーブル
受付・展示ブースは12:30にオープンする。13:00からのプログラムと18:00からの懇親会を合わせ、20:00までの開催を予定している。以下は2026年11月3日時点の公式プログラムをもとにした一覧で、内容欄のセッション名は一部短縮している。
| 時間 | 内容・登壇者 |
|---|---|
| 12:30〜13:00 | 受付・展示ブースオープン |
| 13:00〜13:15 | オープニング・会場案内 |
| 13:15〜13:25 | オープニングトーク(吉岡大輝氏) |
| 13:25〜14:05 | AI時代の企業価値と理念を考える対談(佐宗邦威氏、吉岡大輝氏) |
| 14:05〜14:20 | 「縁の間」:ブース巡り・交流 |
| 14:20〜14:35 | 出展企業ショーケース(出展企業6社) |
| 14:35〜15:05 | BtoB ECプラットフォーム3社パネル(斉藤淳氏、鴨下文哉氏、湯浅啓人氏/進行:吉岡大輝氏) |
| 15:05〜15:30 | 「縁の間」:ブース巡り・交流 |
| 15:30〜15:55 | ナゴミヤの卸ECと継続改善の対談(中村光弘氏、吉岡大輝氏) |
| 15:55〜16:00 | 休憩・会場転換 |
| 16:00〜16:20 | B2B決済の進化と日本企業への示唆(佐々木典子氏) |
| 16:20〜16:45 | 「縁の間」:ブース巡り・交流 |
| 16:45〜17:10 | 顧客の買い方から考えるBtoB EC(土屋剛氏) |
| 17:10〜17:20 | 休憩 |
| 17:20〜17:50 | B2B ECの歩みとAI時代の展望(鵜飼智史氏) |
| 17:50〜18:00 | クロージング |
| 18:00〜20:00 | 立食形式の懇親会 |
プログラム内容・セッションタイトルは変更される場合がある。最新情報は公式サイトのプログラムを確認してほしい。
出展6社に直接相談できる展示・交流の時間も
14:20〜14:35の出展企業ショーケースでは、CO-NECT、竹田印刷、Checkout.com、ecbeing、W2、インターファクトリーの6社が、サービスや取り組みを紹介する。会場にはBtoB ECや受発注DXに関わる企業が出展し、担当者に直接相談できる。
セッションの合間には、ブース巡りと交流のための「縁の間」を3回設ける。時間はそれぞれ15分、25分、25分。講演で気になった点を聞いたり、自社の課題を相談したりする時間として使える。18:00〜20:00には立食形式の懇親会も予定されている。
公式サイトで公表されている協賛・協力企業は次の通り。メディアパートナーには、コマースピック、ECのミカタが名を連ねている。
| 区分 | 企業・サービス |
|---|---|
| GOLD PARTNER | W2 Commerce、ecbeing、インターファクトリー |
| SILVER PARTNER | CO-NECT、Checkout.com |
| BRONZE PARTNER | 竹田印刷 |
| SUPPORT PARTNER | サントリーマーケティング&コマース |
どのセッションを聞く?課題別の参加ガイド
自社で今決めたいことに合わせて、聞くセッションやブースで相談する内容を選びたい。編集部では、次のような参加の仕方を提案する。
- 経営方針や自社の提供価値を考えたい人は、佐宗氏×吉岡氏の対談と、鵜飼氏による市場・AI時代の展望を。
- BtoB ECの導入・リプレイスを検討している人は、出展企業ショーケース、3社パネル、ブースでの相談を組み合わせる。
- EC導入後の運営や受注業務を改善したい人は、ナゴミヤの事例と、土屋氏による顧客の買い方の講演を。
- 企業間取引を決済まで含めて見直したい人は、佐々木氏の講演と、展示ブースでの情報収集を。
ブースで相談したい場合は、現在の受注方法、手作業での転記や確認が多い工程、使っているシステムを簡単に整理しておきたい。「自社ではどの業務から変えられるか」という具体的な話につなげやすくなる。
開催概要・アクセス・申し込み方法
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| イベント名 | UKIYO EXPO 2026 |
| テーマ | 千客万来 商いの縁日 |
| 開催日 | 2026年11月11日(水) |
| 時間 | 12:30開場、13:00開演、20:00終了予定 |
| 懇親会 | 18:00〜20:00、立食形式 |
| 会場 | 東京ポートシティ竹芝 ポートホール |
| 所在地 | 〒105-7501 東京都港区海岸1-7-1 東京ポートシティ竹芝 オフィスタワー1階 |
| 開催形式 | 会場開催・オンラインライブ配信予定 |
| 会場参加費 | 無料・事前登録制 |
| 会場定員 | 420人。応募多数の場合は抽選 |
| 主な対象 | 製造業・卸売業・商社・小売企業などの経営者、事業責任者、営業・受注業務の責任者、DX・EC推進担当者など |
| 主催 | 株式会社ウキヨ |
オンライン配信は予定されており、配信対象セッションは登壇者の許諾などにより変更される場合がある。
最寄り駅からのアクセスは、JR浜松町駅北口から徒歩約4分、ゆりかもめ竹芝駅からデッキ直通で徒歩約2分、都営地下鉄大門駅B2出口から徒歩約5分。会場はオフィスタワーの1階ポートホールとなる。
申し込みは公式申込フォームで受け付けている。フォームで会場参加・オンライン参加を選び、懇親会への参加希望などを登録する。当日の詳細やオンライン視聴に関する案内は、登録したメールアドレスへ順次送られる。
問い合わせ先は、UKIYO EXPO 2026運営事務局のexpo@ukiyo.co.jp。最新の登壇者・プログラムと参加条件は、UKIYO EXPO 2026公式サイトでも確認できる。
まとめ
- 選ぶ前に、自社の業務と顧客の買い方を考える。 3社合同パネルと導入企業の事例を通じて、BtoB ECを機能だけで比較しない視点に触れられる。
- AI活用を、日々の取引や企業の価値と結びつける。 理念・顧客価値、受発注、決済、市場の変化を扱う6セッションが、事業を見直すための論点を提示する。
- 聞いた後に相談する時間まで、参加計画に入れる。 3回の「縁の間」と懇親会を、自社の課題を話す機会として使える。11月11日の会場参加は無料・事前登録制で、オンライン配信も予定されている。
出典・参考
- 株式会社ウキヨ「UKIYO EXPO 2026」公式サイト・登壇者・プログラム・開催概要(2026年11月3日確認)
- 株式会社ウキヨ「『どのBtoB ECを選ぶべきか』を1日で比較。国内最大級のBtoB ECカンファレンス『UKIYO EXPO 2026』11月11日開催」PR TIMES(2026年10月9日公開)
- コマースピック「吉岡 大輝/株式会社ウキヨ」著者プロフィール(2026年11月3日確認)
- 東京ポートシティ竹芝 ポートホール/ポートスタジオ「アクセス/搬出入」(2026年11月3日確認)
- UKIYO EXPO 2026公式申込フォーム(2026年11月3日確認)







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