「安いジム」を探すと、たぶん外す
まず前提となるデータを置いておきたい。日本公衆衛生雑誌2021年68巻4号に、17施設の新規入会者5,421人を追跡した研究が掲載されている。
解析対象2,065人のうち511人(24.7%)が観察期間中に退会し、退会率は1,000人月あたり24.6人だった。退会した人の在籍期間は中央値5.6か月で、論文は「約4割以上が6か月以内に退会していた」と結論づけている。
年齢別に見ると、39歳以下の退会率が男性27.4・女性28.9と最も高い。若い人ほど辞めやすい、という身も蓋もない傾向がある。
パーソナルジム比較メディアのコーチムが2026年5月にランサーズ経由で実施した調査(n=196)でも、継続率は3か月85.6%、6か月63.9%、1年44.0%と落ちていく。自社PR調査という留保はつくが、公衆衛生の論文と大きくは食い違わない。
ここから導けるのは「安さは効くが、安さだけでは残らない」という話だ。会費を下げれば辞めにくくなるなら、料金を理由に辞める人が16.5%しかいない説明がつかない。
もっとも、料金が無関係というわけでもない。使っていないサブスクを解約するときの心理的なハードルは、金額が大きいほど下がる。高い会費は「行かなきゃ損」という圧にもなるし、「無駄だからやめよう」という判断も早める。
では立地はどうか。ここも過信はできない。スウェーデンの大規模コホート(BMC Public Health 2022、n=7,358)では、自宅からジムまでの距離が1km増えるごとの退会リスク比は1.01で、統計的には有意だが効果量そのものは小さかった。
近ければ続く、というほど単純でもない。それでも「立地」が入会理由の1位である以上、通う手間を減らす設計が効くこと自体は否定されていない。
初心者向けジムランキング8選
評価軸は5つに絞った。店舗数(通える確率)、実質月額(初期費用を月割りした額)、やめやすさ(縛り・違約金・退会手段)、初心者サポート、シャワーなどの設備だ。
料金はいずれも2026年9月5日時点の公表値で、多くのチェーンが店舗ごとに会費を設定している。ここに載せた額はあくまで代表例であり、入会前に自分が通う店舗のページを開いて確認してほしい。
| 順位 | チェーン | 月会費(税込) | 初期費用 | 縛り・違約金 | 24時間 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | エニタイムフィットネス | 7,678〜9,900円 | セキュリティキー5,500円 | なし | ○ |
| 2 | chocoZAP | 3,278円 | 0円 | 月額プランはなし | ○ |
| 3 | FASTGYM24 | 7,920〜8,140円(Lstyle店は3,278円〜) | カード発行料3,300円 | なし | ○ |
| 4 | スマートフィット100 | 店舗別(学割4,950円の公表例) | 店舗別 | 店舗別 | ○ |
| 5 | FIT PLACE24 | 3,278円(12か月条件) | 入会金5,500円+メンテ料5,500円/年 | あり(3,300〜6,600円) | ○ |
| 6 | JOYFIT24 | 8,379〜9,350円 | 入会金2,200円+手数料3,300円 | 店舗別 | ○ |
| 7 | ゴールドジム | 11,550円〜 | 入会登録料5,500円 | なし | 店舗による |
| 8 | セントラルスポーツ | 16,390〜18,700円 | 店舗別 | なし | 一部店舗 |
順位は「初めてジムに通う人が、半年後も在籍している確率」を最大化する観点で付けた。純粋な安さで並べればchocoZAPとFIT PLACE24が上に来るし、設備の充実度で並べればセントラルスポーツやゴールドジムが上に来る。
1位から3位:店舗数と「やめやすさ」で選ぶ
1位に置いたエニタイムフィットネスは、2026年7月末時点で国内1,282店舗・会員120万人を突破している。相互利用が追加料金なしで使え、全店に個室シャワーがある。
会費は決して安くない。公式が「月会費や入会キャンペーン等の実施は各店舗ごとに異なります」と明記しているとおり、渋谷店の9,900円と長野中央店の7,678円では約29%の差がつく。
それでも1位にしたのは、契約期間の縛りがなく違約金も設定されていないからだ。半年で4割が辞めるという前提に立つと、辞めたときの損失が小さい設計は効いてくる。
弱点は退会手続きで、所属店舗へ来店して書面を提出する必要がある。24時間営業なのに退会だけはスタッフアワー内、という非対称は不満として上がりやすい。エニタイムとFIT PLACE24の詳しい比較はこちらの記事にまとめている。
2位のchocoZAPは、2026年8月14日時点で国内2,030店舗・海外26店舗、会員116.7万人。月額3,278円で、入会金と事務手数料は2025年4月1日から無料になっている。
RIZAPグループの2026年4〜6月期の開示では、既存店1,842店のうち1,749店(95.0%)が3か月連続黒字で、恒常的な赤字店は1.9%(35店舗)にとどまる。撤退リスクという意味では以前より読みやすくなった。
注意点は年額プランのほうだ。年額一括32,780円は月額換算2,732円になるが、契約は12か月・自動更新で、期間中の月額プランへの変更はできない。10か月目以降に解約した場合は返金がなく、9か月以内なら残存期間分から1,100円を引いた額が月単位で返る。
また一度解約したあとに再入会する場合、キャンペーン期間を問わず再入会金3,000円(税込)が発生する。「合わなければすぐ辞めて、また入ればいい」という使い方には向いていない。
3位のFASTGYM24はティップネスが運営する24時間ジムで、全店利用のAプランが税込8,140円、1店舗のみのBプランが税込7,920円。ただし公式が「料金は店舗によって異なります」と注記しており、Lstyleブランドの店舗では税込3,278〜3,980円という設定も出ている。
初期費用はセキュリティカード発行料3,300円(税込)で、キャンペーンで無料になることがある。2026年8月・9月の月会費が税込2,970円という入会キャンペーンも公式サイトに掲出されていた。
初心者にとって効いてくるのは退会のしやすさだ。手続きはマイページのみで、来店・電話・メール・FAXでは受け付けていない。締切は毎月15日で、16日以降は翌月末退会になる。
4位から6位:条件を読み込む価値があるチェーン
4位のスマートフィット100は24時間年中無休で、2026年4月2日のプレスリリースで初心者向けに最大12回の無料パーソナルトレーニングを打ち出している。マシンの使い方が分からないまま入会して、器具に触れずに帰る、というよくある詰まり方への対処としては効きそうだ。
ただし公式サイトに全社共通の月会費表は見当たらず、料金は各店舗ページに委ねられている。学生向けの「在学中24時間コース」が税込4,950円という公表例はあるが、一般会員の額は通う予定の店舗で確認するしかない。
店舗数はエニタイムやchocoZAPに比べると少なく、通える範囲にない人のほうが多い。順位が4位にとどまるのはこの点が大きい。
5位のFIT PLACE24は、掲げられている「月額2,980円」が税抜表記であることをまず押さえたい。税込では3,278円で、しかもこれは12か月の在籍条件がついたプレミアム会員限定の価格になる。
縛りなしのライト会員は税込5,478円で、プレミアムの1.67倍。さらに入会金5,500円と、入会月の翌々月から毎年発生する施設メンテナンス料5,500円が乗る。月割りすると実質は約3,736円という計算になる。
在籍11か月目までに退会すると違約金が発生する。5か月目末日までは6,600円、5〜11か月目は3,300円。この金額は2026年に半額以下へ改定されたもので、適格消費者団体である消費者被害防止ネットワーク東海の申入れを受けた対応だ。
12か月通い切れる自信があるなら安い。半年で辞める側に入りそうなら、この順位より下がる。
6位のJOYFIT24は、店舗ごとの会費差がかなり大きい。実際に公式店舗ページを見ると、経堂店のナショナル会員が税込9,350円、浅草橋店が税込8,432円、新大阪店が税込8,379円だった。
初期費用は入会金2,200円と登録事務手数料3,300円で計5,500円(いずれも税込)。福利厚生倶楽部やベネフィット・ステーション、WELBOXの経由だと税込6,578円になる店舗があり、勤務先の福利厚生を確認する価値はある。
相互利用の「どこでもJOY」には条件が多い。タイム会員は対象外、新規オープンから半年未満の店舗は使えないことがあり、レディースエリアとホットスタジオは1日550円、J+は3,300円が別途かかる。オリコ・りそな銀行・FD引き落としの会員は都度課金そのものが使えない。
| 項目 | chocoZAP | FASTGYM24 | FIT PLACE24 | JOYFIT24 |
|---|---|---|---|---|
| 月会費(税込) | 3,278円 | 7,920〜8,140円 | 3,278円 | 8,379〜9,350円 |
| 初期費用 | 0円 | カード発行料3,300円 | 5,500円+年5,500円 | 5,500円 |
| 退会の窓口 | アプリ | マイページのみ | マイページ | 店舗確認 |
| 相互利用 | 全店可 | プランによる | 月1,100円・3か月目から | 条件つき |
| 違約金 | 年額プランのみ | なし | あり | 店舗別 |
7位・8位:総合型はいつ選ぶ価値があるか
7位のゴールドジムは、レギュラーメンバーのフルタイムが北千住東京店・大宮さいたま店ともに税込11,550円。銀座東京店の関東エリアメンバー フルタイムは税込14,300円で、入会登録料は5,500円(税込)だ。
退会は毎月10日までに退会届を会員証とともに提出する必要があり、過ぎると翌月扱いになる。休会は月額550円(税込)で、前月10日までの手続きが要る。会則上、通常の退会に違約金は設定されていない。
初心者にとってはオーバースペックに見えるかもしれない。ただし本格的にウエイトトレーニングをやると決めているなら、器具の種類と台数で詰まりにくいという意味では合理的な選択になる。ビジター3,960円や2WEEKSトライアル7,700円で先に試せるのも判断材料になる。
8位のセントラルスポーツは、プールとスタジオを含む総合型の代表として置いた。自由が丘店の例では、全営業時間使えるシングルAが税込18,700円、時間帯を絞ったシングルCが税込16,390円、デイタイムCが税込11,220円、ホリデーが税込10,340円。他クラブ利用は1回1,100円(税込)で、スチューデントは税込2,970円という設定もある。
同じ総合型のティップネスも、レギュラー、デイタイム、アフター6、月4回、パパママ、ティーンと多層のプランを持ち、ビジターは3,300円(25歳以下1,100円)。どちらも会費は各店舗ページに委ねられている。
総合型が効くのは、筋トレ以外の選択肢がある場合だ。マシンに飽きてもプールやスタジオがあれば通う理由が残る。辞める理由の1位が「モチベーションが続かない」であることを思い出すと、この冗長性には意味がある。
一方で、月16,000円という価格は「行かなかった月」の痛みも大きい。時間帯を絞ったプランから始めて、足りなければ上げるという順序のほうが、初心者には合いやすい。
| 項目 | ゴールドジム | セントラルスポーツ | ティップネス |
|---|---|---|---|
| 代表的な月会費(税込) | 11,550円〜 | 16,390〜18,700円 | 店舗ごとに設定 |
| 入会時費用 | 入会登録料5,500円 | 店舗別 | 店舗別 |
| 時間帯を絞ったプラン | デイタイム9,350円〜、ミッドナイト8,250円〜 | デイタイムC 11,220円、ホリデー10,340円 | デイタイム、アフター6、月4回 |
| ビジター利用 | 3,960円(5時間まで) | 他クラブ利用1,100円 | 3,300円(25歳以下1,100円) |
| お試し | 2WEEKSトライアル7,700円 | 体験・見学あり | 体験・見学あり |
| プール・スタジオ | 店舗による | あり | あり |
| 退会の締め日 | 毎月10日 | 店舗確認 | 店舗確認 |
口コミは、見るサイトによって順位が逆になる
各チェーンの評判を調べていて驚いたのは、口コミサイトと満足度調査で序列がほぼ反転することだった。
口コミサイトのみん評では、5チェーンのスコアがいずれも2.7〜3.4の帯に収まっている。一方、オリコン顧客満足度調査(24時間ジム部門は3,438人、フィットネスクラブ部門は8,448人を対象)では、ゴールドジムが総合1位、スマートフィット100が男性・首都圏で2位に入る。
性質の違いが出ているだけとも言える。みん評は不満を書きに来る場で、オリコンは利用者への母集団調査だ。どちらか一方だけを見て序列を語ると、判断を誤りやすい。
| チェーン | みん評(件数) | オリコン顧客満足度 | 継続率 |
|---|---|---|---|
| エニタイムフィットネス | 3.36(756件) | — | — |
| chocoZAP | 総合スコア未確認(428件) | 68.0点・5位/コスパ74.7点で部門1位 | 88.2% |
| FASTGYM24 | 総合スコア表示なし(123件) | 男性70.3点・5位 | — |
| JOYFIT24 | 3.14(402件) | 70.7点・4位 | 87.1% |
| スマートフィット100 | 2.70(20件前後) | 男性73.0点・2位 | — |
| ゴールドジム | 2.76(163件) | 73.0点・総合1位(9年連続) | 93.4% |
いずれも2026年9月5日時点。みん評のカテゴリ平均は2.94で、この値を下回るチェーンが複数ある点は押さえておきたい。
繰り返し出てくる不満は、ほぼ2つに収束する
チェーンを横断して読むと、低評価レビューの中身は驚くほど似ている。
ひとつは故障マシンの放置だ。chocoZAPには「トレッドミルは3台中1台、5月の連休明けに故障してからもう3ヶ月近く放置」という投稿があり、FASTGYM24、スマートフィット100、ゴールドジムにも修理の遅さを指摘する声がある。台数の少ない24時間ジムほど、1台の故障が体験に直結する。
もうひとつはスタッフが機能していないという不満。これは無人型のchocoZAPだけの話ではない。
スタッフの質は正直低いです。マシン利用中の長時間の携帯電話利用などのルール違反している利用者が居ても知らん顔
ゴールドジムに寄せられたこの声と、FASTGYM24の「スタッフもいない時間が多くて、ずっと奥に座っているだけでメンテナンスや掃除もしてくれていません」は、ほぼ同じことを言っている。有人か無人かという看板より、実際に介入するかどうかが体験を分けているようだ。
チェーンごとの傾向
chocoZAPで最も支持されているのは「着替えなくていい」という点だった。オリコンの自由回答には50代男性の「本格的なトレーニングに気後れしていた自分にも、気軽で軽い感じが後押しになった」という趣旨の回答がある。
裏返しの弱点は、聞ける相手がいないことだ。60代以上の女性から「スタッフがいないので質問できず戸惑うことが多い。ロッカーに鍵がなく開架棚しかない」という声も出ている。衛生面では「臭いし、シートは汚れてるし」という厳しい投稿もあった。
FASTGYM24は「かなり空いてることが多く比較的快適にワークアウト取りかかれる」という評価がある一方、「設備と器具が古いのに月額が高い」という不満が目立つ。消耗品の補充切れを指摘する声が複数ソースで一致していた。
JOYFIT24はみん評スコアが5チェーン中で最も高い。「フリーウエイトも、マシンも非常に充実しており」という評価と、全国相互利用が帰省時に効くという声がある。
一方で「駅近で人気があり仕方がない部分もあるが、混雑する時間帯は自転車置場や鍵付きロッカーが足りていない」という20代女性の指摘は具体的だ。混雑はマシン待ちより先に置き場所で詰まる、という視点は他チェーンにも通じる。
スマートフィット100は評価の割れ方が最も大きかった。「明るいスタッフさんばかりで気持ちいい」という声がある一方、違約金や、日中会員から24時間会員へ同意なく変更されたという趣旨の★1レビューが並ぶ。無料トレーニング中に腰を痛めたという投稿もあり、初心者向けサポートを売りにする以上ここは慎重に見たい。
ゴールドジムは「ガチ勢のジム」というイメージと実際の初心者評価がずれていた。「設備の数が尋常じゃない。初心者でもフリーウェイトしなくてもマシーンだけでもそこそこ結果でるくらい」「最初についてくれるトレーナーがとても良い」という投稿があり、継続率93.4%という数字とも整合する。
40代女性からの「運動歴がまったくなかったが、定期的に運動する習慣がついたこと。スタッフに必ず女性がいるので安心」という回答は、女性利用者にとっての具体的な材料になる。
弱点は店舗の新旧差だ。「居抜きで契約している店舗が多く、水回りの施設が老朽化している店舗が多い。古い店舗は汗臭い」(50代女性)という指摘があり、みん評にも「店舗はできるだけ新しいほうがおすすめ」というレビューがある。
これらはあくまで投稿された声の要約であり、店舗と時間帯によって体感は大きく変わる。JOYFIT24のレビューに「清掃は店による」と書かれているとおり、チェーン単位の平均値をそのまま自分の通う店舗に当てはめることはできない。
目的から逆に引く
順位を横に置いて、目的別に整理し直すとこうなる。
| こういう人 | 候補 | 理由 |
|---|---|---|
| 続くか自信がない | エニタイムフィットネス、chocoZAP月額プラン | 縛りと違約金がなく、辞めるコストが小さい |
| とにかく費用を抑えたい | chocoZAP年額、FIT PLACE24プレミアム | 実質月額が3,000円前後。ただし途中解約の条件を先に読む |
| マシンの使い方から教わりたい | スマートフィット100、エニタイムフィットネス | 無料パーソナルやオリエンテーションの用意がある |
| 本格的に筋肥大を狙う | ゴールドジム | 器具の種類と台数。ビジターで先に試せる |
| 筋トレ以外の逃げ道が欲しい | セントラルスポーツ、ティップネス | プール・スタジオがあり、飽きても通う理由が残る |
| 出張・帰省が多い | エニタイムフィットネス | 追加料金なしで国内外の全店舗が使える |
| 職場に福利厚生がある | JOYFIT24 | 提携経由で税込6,578円になる店舗がある |
もうひとつ、ランキングには入れなかったが検討する価値があるのが自治体の公営トレーニング室だ。区民体育館などのマシンルームは1回300〜500円程度で使えることが多く、月2〜3回しか行かない見込みなら民間ジムより安く済む。
設備は最新ではないし24時間でもない。それでも「月1回しか行かなかった」という結末に対しては、月額契約より傷が浅い。
入会前に確認したい5項目
ここまでの内容を、見学時に自分で聞ける形にまとめておく。
| 確認項目 | 聞き方 | なぜ効くか |
|---|---|---|
| 退会の締め日と方法 | 「何日までに、どこで手続きすればいいですか」 | 来店必須か、Web完結かで辞めるハードルが変わる |
| 実質の初期費用 | 「入会時に払う総額は今日いくらですか」 | 入会金・事務手数料・カード発行料が別立てのことが多い |
| 年会費・メンテナンス料 | 「毎年発生する費用はありますか」 | 入会2か月後や年1回に忘れた頃に請求が来る |
| スタッフのいる時間帯 | 「スタッフアワーは何時から何時ですか」 | 24時間営業でも相談できる時間は限られる |
| シャワーと相互利用 | 「シャワーは追加料金ですか。他店舗は使えますか」 | 同じチェーンでも店舗により有無が割れる |
見学は多くのチェーンが受け付けている。ゴールドジムは営業時間内の施設見学が可能で、ティップネスやセントラルスポーツも体験・ビジター利用の枠がある。実際に混雑する時間帯に足を運ぶと、公式サイトでは分からない部分が見える。
契約まわりで知っておきたいこと
料金や設備とは別に、契約の側で押さえておきたい論点がある。
東京都消費者被害救済委員会は、トレーニングジム等について「店舗で契約した場合、原則、クーリング・オフできません」と明記している。特定商取引法の特定継続的役務提供に指定される役務には当たらず、民法上の準委任契約に該当するという整理だ。
エステや語学教室と同じ感覚でいると、ここで食い違う。契約書にサインする前に、退会条件と違約金を読むしかない。
相談件数も増えている。東京都が令和8年(2026年)8月28日に付託した資料では、都内のパーソナルトレーニングに関する相談は2024年度299件から2025年度492件へと約1.7倍になった。
国民生活センターがPIO-NETから集計したスポーツジム等の相談は2023年度で3,796件。2022年度の内訳では女性が約7割、40歳代が最多で、平均契約購入金額は約17万円だった。
安全面のデータもある。消費者庁の消費者安全調査委員会が令和8年5月27日に公表した報告書によると、パーソナルトレーニングでの事故は2019年1月から2025年12月までに196件、うち2025年だけで44件。治療に1か月以上を要したものが81件(41%)で、部位は腰・股関節59件、膝・足44件だった。
同報告書はトレーナー582人への調査で、業務フローがないと答えた人が22%、安全管理を学んでいない人が10%、「負荷をかけすぎたことがたまにある」が42%だったことも示している。消費者側1,336人のうち、開始直前半年以内に運動歴がなかった人は21%。「無理だ」と感じたことがある人のうち70名(16%)は我慢して続けていた。
報告書は、パーソナルトレーナーが「現行法令上、特定の国家資格を要するものではない」と指摘している。無料パーソナルやオリエンテーションは初心者にとって有用だが、痛みを感じたときに止める判断は自分で持っておきたい。
統計から見える、もう少し広い話
フィットネス業界の公的統計は、実は2024年12月調査で終了している。経済産業省の特定サービス産業動態統計によると、会員数は2019年の336万人から2020年に269万人へ落ち、2024年時点で288万人。コロナ前と比べて14.3%少ない水準にとどまっていた。
一方で施設数は増えている。矢野経済研究所の2025年版によれば、2025年8月時点で全国13,876施設、うち24時間型が5,034施設。帝国データバンクの2025年5月の調査では、市場規模は2024年度に7,100億円前後と過去最高が見込まれる一方、約80社のうち黒字は48.8%、赤字は31.7%だった。
つまり「施設は増え、市場は回復したが、通う人の数はコロナ前に戻っていない」という構図になる。低価格帯の24時間ジムが増えたぶん、1人あたりの単価が下がったと読むこともできる。
厚生労働省の令和6年国民健康・栄養調査では、運動習慣のある人は34.6%(男性38.5%、女性31.5%)。最も低いのは女性40代の17.2%だった。
| 指標 | 数値 | 出典・時点 |
|---|---|---|
| フィットネスクラブ会員数 | 288万人(2019年比▲14.3%) | 経産省 特定サービス産業動態統計 2024年 |
| 全国のフィットネス施設数 | 13,876施設(うち24時間型5,034) | 矢野経済研究所 2025年8月 |
| 市場規模 | 7,100億円前後(過去最高見込み) | 帝国データバンク 2025年5月 |
| 運動習慣のある人 | 34.6% | 厚労省 令和6年国民健康・栄養調査 |
| ジム相談件数 | 3,796件 | 国民生活センター PIO-NET 2023年度 |
よくある質問
初心者はどのくらいの頻度で通えばいいですか
明確な正解はありませんが、辞めた理由の上位が「時間が取れない」45.9%、「通うのが面倒」42.1%であることを踏まえると、最初から週4回のような設計は崩れやすいと言えます。
週1〜2回で半年続いた実績を作ってから増やすほうが、統計的な脱落パターンからは外れやすくなります。
一番安いジムはどこですか
月会費の額面だけで見るとchocoZAPの年額プラン(32,780円、月換算2,732円)とFIT PLACE24のプレミアム会員(税込3,278円)が並びます。
ただしchocoZAPの年額プランは12か月契約で10か月目以降の解約に返金がなく、FIT PLACE24は入会金5,500円と年5,500円のメンテナンス料が乗り、11か月目までの退会に違約金があります。「短期でやめる可能性」を織り込むと順位は入れ替わります。
シャワーがあるジムはどこですか
エニタイムフィットネスは全店に個室シャワーがあり、追加料金なしで使えます。シャンプーとタオルは持参が必要です。
FASTGYM24は一部店舗のシャワー室にReFaのシャワーヘッドとドライヤーを設置しています。chocoZAPはシャワーの設置が店舗により分かれるため、店舗ページでの確認が必要です。
途中で辞めたくなったらどうすればいいですか
まず退会の締め日を確認してください。chocoZAPは毎月10日、FASTGYM24とFIT PLACE24は15日、エニタイムフィットネスとゴールドジムは10日が目安として案内されています。
締め日を1日過ぎると、多くのチェーンで翌月分の会費が発生します。また休会制度を持つチェーンもあり、ゴールドジムは月550円、FASTGYM24は1〜3か月の休会が前月15日までの手続きで使えます。
女性一人でも通いやすいですか
チェーンによって女性専用エリアの有無が分かれます。ゴールドジムの大宮さいたま店のように女性専用エリアを設けている店舗もあれば、JOYFIT24のように相互利用時のレディースエリア利用が1日550円という店舗もあります。
24時間ジムは時間帯によって客層が大きく変わるため、実際に通う予定の時間帯に見学するのが確実です。
無料のパーソナルトレーニングは受けたほうがいいですか
マシンの使い方が分からないまま入会して器具に触れずに帰る、という詰まり方を避けるうえでは有用です。スマートフィット100は初心者向けに最大12回、エニタイムフィットネスは新規入会者に1回の無料パーソナルを用意しています。
ただし消費者庁の報告では、パーソナル中の事故で「無理だ」と感じながら我慢して続けた人が16%いました。痛みを感じたら止める、という判断は自分で持っておいてください。
まとめ
ランキングを作りながら思ったのは、順位そのものより「自分がどこで脱落するか」を先に決めるほうが早い、ということだった。
料金で脱落するなら16.5%側の話で、chocoZAPやFIT PLACE24が候補になる。時間や面倒で脱落するなら48.1%側の話で、家か職場からの距離と、辞めるときのコストの低さが効いてくる。
半年で4割が辞めるという数字は、裏返せば「半年続けば上位6割」ということでもある。最初の6か月をどう設計するかで、その後の景色はだいぶ変わる。
最後に、入会ボタンを押す前に確かめておきたいことを3つだけ挙げておく。
- 自宅か職場から、無理なく寄れる距離に収まっているか。選ぶ理由の1位が立地である以上、ここを妥協した分は後から効いてくる
- 辞めるときの締め日と手続き方法を、契約前に一度読んだか。締め日を1日過ぎるだけで1か月分が積み上がるチェーンは少なくない
- 初月のキャンペーン価格ではなく、13か月目の金額で判断できているか。安く見える月謝の裏に、年額一括や違約金の条件が置かれていることがある
あなたは、どの理由で辞めそうだろうか。
出典・参考
- フィットネスクラブ新規入会者の退会に関連する要因の検討(日本公衆衛生雑誌 2021;68(4):230-240)
- 経済産業省 特定サービス産業動態統計調査
- 厚生労働省 令和6年国民健康・栄養調査
- J-Net21(中小機構)業種別開業ガイド フィットネスクラブ
- 国民生活センター スポーツジム等に関する相談
- 東京都消費者被害救済委員会 報告
- 消費者庁 消費者安全調査委員会 報告書
- エニタイムフィットネス 公式サイト
- chocoZAP 料金ページ
- chocoZAP よくあるご質問
- ファストジム24 料金プラン
- ファストジム24 キャンペーン
- JOYFIT どこでもJOY
- JOYFIT 会社概要
- スマートフィット100 公式サイト
- FIT PLACE24 公式サイト
- ゴールドジム 入会案内
- セントラルスポーツ 入会案内
- ティップネス 料金プラン
- 矢野経済研究所 フィットネスクラブ市場に関する調査(2025年)
- 帝国データバンク フィットネスクラブ運営業者の経営実態調査
- Distance to gym and dropout(BMC Public Health 2022)
- みん評 chocoZAPの口コミ・評判
- みん評 FASTGYM24の口コミ・評判
- みん評 ジョイフィット24の口コミ・評判
- みん評 スマートフィット100の口コミ・評判
- みん評 ゴールドジムの口コミ・評判
- オリコン顧客満足度調査 24時間ジム
- オリコン顧客満足度調査 フィットネスクラブ
- RIZAPグループ 決算説明資料
- エニタイムフィットネス 国内会員120万人突破(PR TIMES 2026年8月5日)


