15分に1台——深圳工場の衝撃的な生産能力
EngineAIが2026年5月末に開設した工場は、延べ床面積1万2000平方メートル。1時間に4台、つまり1日最大100台近くのロボットを出荷できる体制を整えている。
T800は同社の主力製品で、2026年1月のCESでデビューし、1台2万5000ドル(約360万円)で販売されている。スペックは自由度29、重量175キログラム、固体電池駆動、マグネシウム・アルミニウム合金フレーム。産業用途を主なターゲットとしており、重作業環境での連続稼働を想定した設計だ。
同社は2026年末までに4000〜5000台、2027年には3万〜5万台の年間出荷を目指している。
シリーズBで評価額1400億円、Luxshareが40%効率改善
直近の資金調達は2026年4月のシリーズBで、調達額は2億ドル(約290億円)。河南省投資グループ傘下のHuirong Fundと、iPhoneの製造受託で知られるLuxshare Precision(立訊精密)が主導した。このラウンドで企業価値は約100億人民元(約1400億円)と評価された。
Luxshareは製造効率を40%向上させたとされており、鄭州市にある「雲智科学パーク」での第2工場建設にも共同で取り組んでいる。製造ノウハウを持つサプライチェーンパートナーとの連携が、量産スピードの背景にある。
香港上場を選んだ理由——米輸出規制の影
EngineAIが米国ではなく香港でのIPOを選んだのは、米中の半導体輸出規制の影響を避けるためとみられる。ハードウェアを主力とするロボット企業にとって、米国での上場審査は半導体調達ルートの透明性を求められるリスクがある。
主幹事にはCICC(中国国際金融)とCitic Securities(中信証券)を起用。香港市場では近年、AgibotやPaXini Techなど中国のヒューマノイドロボット企業が続々と上場準備を進めており、「ロボットIPO」ラッシュが本格化している。
世界のロボティクス市場では、Boston DynamicsやFigure AIなど米国勢も存在感を強めているが、中国企業が量産コストと工場立ち上げ速度で先行する構図が鮮明になりつつある。
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