岡野原大輔とは何者か
岡野原氏を知るには、会社で担う役割、研究の背景、読者に向けた発信を合わせて見ると理解しやすくなります。まず基本的なプロフィールを整理します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 氏名・読み方 | 岡野原大輔/おかのはら・だいすけ |
| 主な現職 | Preferred Networks共同創業者・代表取締役社長、Matlantis代表取締役社長 |
| 学位 | 博士(情報理工学)、東京大学、2010年取得 |
| 起業 | 2006年にPreferred Infrastructure、2014年にPreferred Networksを共同創業 |
| 主な著書 | 『ヒトとAI』『大規模言語モデルは新たな知能か』『生成AIのしくみ』『拡散モデル』 |
役職は2026年9月16日時点のPFN公式プロフィールと本人の公式サイトを確認しています。
現在のPFNは、AI向け半導体、計算基盤、AIの基盤モデル、企業向けの応用までを手がけています。岡野原氏は、こうした研究開発を事業として進める会社の経営者です。同時に、著書ではAIが動く仕組みや、人とAIの関係を読者に説明しています。
「AIについて書く人」として名前を知った場合も、その言葉の背景に、研究と製品開発の経験があることを押さえると、著書の関心がつながって見えてきます。
学歴と経歴 東京大学の研究から起業へ
本人の公式サイトによると、岡野原氏は2001年に福島県立磐城高等学校を卒業し、東京大学で情報科学を学びました。大学院では、コンピュータで人の言葉を扱う「自然言語処理」を研究しています。
| 年 | 主な出来事 |
|---|---|
| 2001年 | 福島県立磐城高等学校を卒業 |
| 2006年 | 東京大学大学院在学中に、西川徹氏らとPreferred Infrastructure(PFI)を共同創業 |
| 2010年 | 東京大学で博士(情報理工学)を取得 |
| 2014年 | Preferred Networks(PFN)を共同創業 |
| 2021年 | Matlantisの事業会社を設立。当時の社名はPreferred Computational Chemistry |
| 2025年 | PFNの代表取締役社長に就任 |
博士論文の題名は「大規模機械学習による現実的な自然言語処理」。東京大学の学位論文データベースでは、学位授与日を2010年3月24日と確認できます。
論文が扱うのは、大量の文章を対象にした機械学習を、効率よく実行するための方法です。文章の分類などで精度を求めるだけでなく、データが増えたときに計算をどう成り立たせるかも課題になります。現在の生成AIにつながる関心を考えるうえでも、「言葉」と「計算の効率」の両方を研究していた点が手がかりになります。
最初に創業したPFIと、その後のPFNは別の会社です。PFIは自然言語処理や機械学習の技術で事業を始め、PFNは深層学習の実用化に力を注ぐために設立されました。KDDI財団の本人インタビューでは、学生時代の米Googleでのインターン経験とともに、研究成果が製品やサービスになるまでの難しさが語られています。
大学院で研究しながら会社を起こした経歴には、技術を理解することと、それを誰かに使ってもらうことを並行して追う姿勢が表れています。
何をしてきた人なのか PLaMoとMatlantisでの仕事
岡野原氏の仕事を具体的に知るには、関わっている製品と、そこで担う役割を見るのが近道です。
| 取り組み | 何をするものか | 岡野原氏の役割を確認できる資料 |
|---|---|---|
| PLaMo(プラモ) | 日本語の処理に重点を置く大規模言語モデルのシリーズ | PLaMo 2の技術報告で全体プロジェクト管理の担当者の一人として記載 |
| Matlantis(マトランティス) | 材料の原子レベルの振る舞いをAIで計算し、材料開発を支援するサービス | 運営会社の代表取締役社長として会社概要に記載 |
PLaMoで言葉を扱うAIを開発
大規模言語モデルとは、大量のテキストなどから学習し、文章の生成や理解に使われるAIのモデルです。PFNが開発するPLaMoは、その日本語での能力を重視しています。
2025年に公開されたPLaMo 2の技術報告では、岡野原氏は著者の一人であり、貢献欄の「Overall Project Management」に名前があります。これはプロジェクト全体の管理を担う役割です。報告には事前学習、追加学習、推論などの担当者も記載されており、チームで開発を進めていることがわかります。
PLaMoの取り組みを見ると、言語についての研究が、実際に利用するAIモデルの開発につながっていることを確認できます。
Matlantisで材料開発を支援
Matlantisは、PFNとENEOSが共同開発した原子レベルのシミュレーションサービスです。公式の会社概要・沿革によると、2019年に共同開発を始め、2021年7月に国内向けクラウドサービスを提供開始しました。
材料の性質を調べるには、原子の配置や、その間に働く力などを計算する必要があります。Matlantisは、この計算にAIを使い、材料候補の検討を支援します。岡野原氏は運営会社の社長を務めています。
文章を作るPLaMoと、材料の研究に使うMatlantis。対象は違っても、計算によって人の仕事を助けようとする点は共通しています。AIをチャットの画面から少し広げて見ると、岡野原氏が科学やものづくりについても発信する理由が理解しやすくなります。
なぜ研究者が社長を務めるのか
岡野原氏は2025年11月26日付でPFNの代表取締役社長に就任し、共同創業者の西川徹氏は代表取締役会長になりました。過去の記事には岡野原氏を最高研究責任者やCTO(最高技術責任者)と紹介するものもありますが、役職が変わっています。役職変更の公式発表
同発表は、技術戦略への知見と現場経験を経営に生かし、意思決定を速めるという体制変更の狙いを説明しています。就任に際して岡野原氏が示した方針は、次の三つです。
- 技術を実際の社会や産業で使い、成果につなげる。
- 多様な専門性を持つ人が互いを尊重し、チームとして働く。
- 世界に通用するAI技術と、それを使う顧客の体験を追求する。
研究成果が出ても、利用者が使える製品にするには、使いやすさ、費用、提供方法などを決める必要があります。研究者として技術の可能性と制約を考え、経営者として何に人や資金を使うかを判断する。その二つを担う立場として、岡野原氏の発言を読むことができます。
岡野原大輔の著書 関心別の4冊
著書には、人とAIの関係を考える本から、生成技術の数学を学ぶ専門書まであります。次の表は、著者が公開している書誌情報と目次・紹介文をもとに、読む入口を整理したものです。各リンク先から出版社ページや購入先にも進めます。
| 知りたいこと | 書籍・公式案内 | 内容の入口 |
|---|---|---|
| AIと人の関係を考えたい | 『ヒトとAI』(2026年) | 知能や言語、仕事、教育、責任などを通じて、人の側にある問いを考える |
| ChatGPTを支える技術を知りたい | 『大規模言語モデルは新たな知能か』(2023年) | 言語モデルの仕組み、能力、社会への影響を知る |
| 画像などを生成する原理を言葉でつかみたい | 『生成AIのしくみ』(2024年) | 「流れ」という考え方から生成AIの概念を学ぶ |
| 数式を追って生成技術を学びたい | 『拡散モデル』(2023年) | データ生成の数理的な構造を学ぶ |
『ヒトとAI』から関心を持った人は、まずその本で人とAIの関係を考え、仕組みが気になったところで他の著書へ進むと、問いを持ったまま学びを広げられます。技術書から入る場合は、公式の試し読みで説明の細かさや数式の量を確かめると選びやすくなります。
『ヒトとAI』については、公式試し読みを踏まえたTechCreateの解説で読みどころと購入先を整理しています。書籍そのものを確認したい方は、岩波書店の『ヒトとAI』紹介ページをご覧ください。
本人の発信や講演を読むには
書籍と合わせて、本人が公開している資料に触れると、継続して考えているテーマを追いやすくなります。
- 岡野原大輔氏の公式サイト:著書、講演、一部の発表資料、研究論文への案内があります。
- PFN「岡野原大輔のランチタイムトーク」:AI研究や関連産業についての解説を読めます。公開記事に加え、新着を受け取るニュースレターの案内があります。
- 『ヒトとAI』著者サポートページ:書誌情報、参考文献、関連情報を確認できます。
講演や技術解説では、公開日も一緒に確認すると役立ちます。モデルや事業の説明は、その時点の技術や役職を前提にしているためです。書籍で全体像を学び、公式資料でその後の動きを追う、という使い分けができます。
よくある質問
- 現職の確認:PFN公式役員紹介
岡野原大輔の読み方は
「おかのはら・だいすけ」です。名前の漢字は「大輔」です。
岡野原大輔の学歴は
福島県立磐城高等学校を卒業後、東京大学で情報科学を学び、2010年に同大学で博士(情報理工学)を取得しています。博士論文は大規模機械学習と自然言語処理を扱っています。
岡野原大輔と西川徹の関係は
PFIとPFNの共同創業者です。2026年9月時点で、PFNでは岡野原氏が代表取締役社長、西川氏が代表取締役会長を務めています。
まとめ
- 岡野原大輔氏は、自然言語処理を研究し、在学中から起業に取り組んできたPFNの共同創業者・社長です。研究と事業の両方が経歴の柱になっています。
- PLaMoやMatlantisでの役割を見ると、AIの対象が言葉から材料開発まで広がっていることがわかります。個々の製品と担当する仕事を知ると、人物像を具体的につかめます。
- 著書は関心と学びたい深さで選べます。『ヒトとAI』や技術の入門書を入口に、公式の試し読み、参考文献、講演資料へ進めます。
出典・参考
- Preferred Networks「共同創業者」:現職、経歴、事業との関わり。
- Preferred Networks「役職変更のお知らせ」:2025年11月の人事と社長就任時の方針。
- 岡野原大輔氏の公式サイト:学歴、創業歴、著書、公開資料。
- 東京大学「学位論文要旨詳細」:博士号の取得日、論文名と研究内容。
- KDDI財団・岡野原大輔氏インタビュー:起業の背景と、研究成果の実用化への関心。
- PLaMo 2 Technical Report:言語モデルの特徴と開発チーム内の担当。
- Matlantis「会社概要・沿革」:代表者、共同開発、サービス提供の経緯。
- 『ヒトとAI』、『大規模言語モデルは新たな知能か』、『生成AIのしくみ』、『拡散モデル』の著者サポートページ:書誌情報と読書案内。
- PFN「岡野原大輔のランチタイムトーク」:継続して読める公式発信。



