Opinion
欧州が「過剰生産能力ツール」で中国包囲へ。5月29日の委員会討議が動かす世界の通商秩序
欧州委員会が5月29日、フォン・デア・ライエン委員長と27委員で対中通商を討議する。検討の核は「過剰生産能力ツール(オーバーキャパシティ・インストルメント)」。補助金の有無を問わず、需要を上回る生産が続く産業のEU市場アクセスを制限する新枠組みで、半導体・太陽光・風力・EV・化学品まで対象に入る。2026年1〜4月の対中赤字は1130億ドル(前年比+24%)、中国の世界生産シェアは30%・消費は13%。中国側は「断固たる対抗措置」を警告、レアアース供給制限の選択肢も視野に入る。SCMP・ユーロニューズ・ECFR・欧州オブザーバーの報道を横断し、欧州市場から弾き出された中国製品が日本に「ダム決壊」のように流れ込むリスクと、半導体・経済安全保障の論点を整理する。
西田 航