Opinion
トランプ政権がUSMCA更新を見送り。北米自由貿易30年の枠組みが「毎年審査」の時代に入る
世界貿易の数少ない安定装置が外れた。7月1日、トランプ政権は米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の16年延長を見送った。協定は残るが、16年先までの保証は消え、毎年の審査で中身を見直す枠組みに変わる。USTRが挙げた理由は対メキシコ1,970億ドル・対カナダ483億ドルの貿易赤字。カナダは輸出の75%、メキシコは約80%を米国に頼り、非対称な力関係のなかで毎年交渉のテーブルに着くことになる。自動車25%、鉄鋼・アルミ50%の関税が続くなか、企業は「来年のルールが分からない」不確実性を恒常的に抱える。NAFTAから30年続いた北米統合の転換点を、日本の自動車産業・サプライチェーン・通商戦略への影響とともに読み解く。
西田 航
