シリコンバレー拠点のAyar Labsは3月10日、シリーズEラウンドで5億ドル(約750億円)の資金調達を完了したと発表した。評価額は22億ドルに達し、光インターコネクト分野では過去最大規模の調達となった。
調達の概要
リード投資家はFidelity Management & Research Company。NVIDIA、Intel Capital、Hewlett Packard Enterprise、Applied Venturesなど半導体・インフラ大手が参加した。
Ayar Labsは「光チップレット」技術を開発する企業だ。従来の電気配線に代わり、チップ間・ラック間のデータ転送を光信号で行うことで、帯域幅を桁違いに拡大しつつ消費電力を大幅に削減する。
なぜ「光」なのか
AIの大規模言語モデル(LLM)の学習・推論には、数千〜数万のGPUが連携して動作する必要がある。ここでボトルネックになるのが、GPU間のデータ転送速度だ。
従来の銅配線では、距離が伸びるほど信号が劣化し、消費電力も増大する。光インターコネクトはこの物理的制約を突破する技術として、AI時代の「必須インフラ」と位置づけられている。
AIインフラの構造変化
NVIDIAが次世代GPU「Blackwell」で光インターコネクト対応を進めていることからも、業界の方向性は明確だ。GPUの演算性能がいくら向上しても、データを運ぶ「道路」が渋滞していては意味がない。
Ayar Labsの調達は、AIインフラ投資が「計算」から「接続」へとシフトしていることを象徴している。モデルの性能競争だけでなく、それを支える物理層への投資が加速する2026年を象徴する一手だ。
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