2026年3月19日、米司法省がSuper Micro Computerの共同創業者Yih-Shyan Liawら3名を、25億ドル(約3,750億円)相当のNVIDIA AIチップを中国へ不正輸出した容疑で起訴した。マンハッタンの連邦裁判所で起訴状が公開された。
起訴された3名
| 氏名 | 年齢 | 役職 |
|---|---|---|
| Yih-Shyan Liaw | 71歳 | Super Micro共同創業者・上級副社長・取締役 |
| Ruei-Tsang Chang | 53歳 | 台湾オフィスの営業マネージャー |
| Ting-Wei Sun | 44歳 | 第三者ブローカー・「フィクサー」 |
密輸の手口——驚くべき偽装工作
起訴状によると、3名は東南アジアに拠点を置くペーパーカンパニーを経由してサーバーを発注し、最終目的地が中国であることを隠蔽した。偽の書類を作成し、出荷前にはサーバーのラベルを剥がし、無地の箱に再梱包。監視カメラには、ドライヤーでラベルを剥がしてダミーのシリアルナンバーを貼り付ける様子が記録されていた。
25億ドルの規模感
密輸されたのはNVIDIAの最先端AIチップを搭載したサーバーで、総額25億ドルに上る。米国の輸出規制は、高性能AIチップの中国向け販売を厳しく制限しており、今回の事案はその規制を正面から破る大規模な不正だ。
Super Micro株は30%急落
報道を受けてSuper Micro Computerの株価は約30%暴落した。同社自体は被告ではなく、捜査に協力していると声明を出している。しかし共同創業者が取締役を務める企業の信頼性への打撃は避けられない。
AI覇権競争が激化する中、チップの輸出管理はもはや通商問題ではなく安全保障そのものだ。今回の事件は、輸出規制の「抜け穴」を利用しようとする動きが水面下で広がっていることを示している。規制の強化とイノベーションの自由、その境界線はどこにあるべきなのか。
出典: CNN, Bloomberg, CNBC, Fortune