169カ国・1.1万人が集うAIガバナンスの国際フォーラム
今年で第7回目を迎えるAI for Good世界サミットは、ITUが50以上の国連機関と協力して開催する年次イベントだ。スイス政府が共催し、各国政府、産業界、市民社会、学術機関、技術コミュニティから参加者を集める。
7月7日の「Day Zero」は、ワークショップや技術デモンストレーション、各種コンペティションを中心に構成されており、センターステージでのメインセッションは8日から始まる。アジェンダには、エージェンティックAI、ブレイン・コンピューター・インターフェース、宇宙計算、ロボティクスなどのトピックが並ぶ。
今回のサミットは、7月6〜7日に同会場で行われた「グローバルAIガバナンス対話」に続いて開催される。国連やITUが主導するAI関連イベントが1週間に集中する形となり、ジュネーブが「AIガバナンスの国際的な中心地」としての地位を確立した。
Jensen Huang、Jassy、Benioffら44人の委員会が8日に初会合
7月1日、国連とITUは「AI for Good国際委員会」の発足を発表した。44人で構成されるこの委員会は、8日にジュネーブで初会合を開く予定だ。
共同議長はSalesforce CEOのマーク・ベニオフとルワンダのポール・カガメ大統領が務める。ITU事務局長のドリーン・ボグダン=マーティン氏は常任副議長に就いた。
委員にはNVIDIAのジェンセン・ファンCEO、AmazonのアンディジャシーCEO、MicrosoftのブラッドスミスCEO、Anthropicのジャック・クラークが名を連ねる。エストニア、サウジアラビア、シンガポール、ナイジェリアの各国首脳も参加しており、テック企業幹部と政策立案者が同じテーブルに着く構成となっている。
初回会合では、AIインフラの整備や、医療・教育・食料安全保障・災害対応へのAI活用がテーマとして取り上げられる予定だ。
委員会の権限は「未定」——実行力への疑問も
発足に注目が集まる一方で、委員会の権限は現時点で明確ではない。共同議長は委員会のマンデートを「包括的な表現」で説明しており、具体的な成果物については明言を避けている。
AIシステムが引き起こした被害の責任の所在、加盟国のオプトアウト規定、テック企業幹部の商業的利益と公共ガバナンスの原則との整合性といった問題は未解決のままだ。委員会は官民一体の構成を特徴とするが、それゆえに実効力を伴う意思決定が可能かどうかは未知数だ。国際標準の策定に貢献できるとの期待がある一方、「大企業の既得権益を正当化する場にすぎない」という批判的な見方も存在する。
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