2026年3月20日、トランプ政権がAIに関する国家立法フレームワークを発表した。議会に対して連邦レベルでのAI規制の一本化を求める内容で、各州が独自のAI法を制定する「パッチワーク」状態に終止符を打つ狙いがある。
6つの基本原則
| 原則 | 概要 |
|---|---|
| 1. 子どもの保護 | 未成年がアクセスする可能性のあるAIプラットフォームに搾取・自傷防止機能を義務化 |
| 2. コミュニティの保護 | AIの悪用から市民を守る施策の整備 |
| 3. 知的財産の尊重 | AIトレーニングデータにおける著作権の保護 |
| 4. 検閲防止・言論の自由 | AIプラットフォームによるコンテンツ規制の制限 |
| 5. イノベーション促進 | 開発者の法的責任を制限し、AI企業の成長を支援 |
| 6. 人材育成 | AI対応の教育・労働力開発プログラムの推進 |
「州法排除」の狙い
フレームワークの最大のポイントは、州ごとのAI規制を連邦法で上書きする方針を明確にしたことだ。現在、バージニア州やワシントン州はすでにAIチャットボットの安全規制を可決しており、カリフォルニア州も独自の包括的AI規制を検討中だ。企業側からは「州ごとに異なるルールへの対応コストが膨大」との声が強く、業界はこのフレームワークを概ね歓迎している。
開発者の責任制限——諸刃の剣
フレームワークは、AI開発者の法的責任を軽減する方針も示している。これは開発の自由度を高める一方で、AIが引き起こす被害への救済手段が弱まるリスクもある。安全性団体からはすでに懸念の声が上がっている。
データセンター許認可の迅速化
インフラ面では、データセンターの建設許認可を簡素化し、自家発電を認める方針も盛り込まれた。AIの計算需要の爆発的増加に対応するための具体的な施策だ。
このフレームワークはあくまで「議会への提案」であり、法案化にはまだ時間がかかる。しかしAI規制の方向性を定める最初の包括的な試みとして、世界中の規制当局が注目している。「イノベーション促進」と「市民保護」のバランスを、米国はどこに定めるのか。
出典: White House, Fortune, CNN, CNBC