ブラウザに存在しないURLを打ち込むと「404 Not Found」と表示される。これは誰もが知っている。だが、なぜ「404」という番号なのか。最初のウェブサイトは何だったのか。Wi-Fiの「Fi」は何の略なのか——インターネットには、日常的に使いながら意外と知られていない裏話がたくさんある。
404エラーの由来——伝説と現実
「404」の番号にまつわる最も有名な都市伝説は、CERNの404号室に最初のウェブサーバーがあり、そのサーバーにファイルが見つからないと「Room 404 - File Not Found」と返したというものだ。
この話は完全にフィクションだ。HTTPステータスコードは、1992年にティム・バーナーズ=リーとHTTPワーキンググループが体系的に設計したものであり、部屋番号とは無関係だ。
| ステータスコード | 意味 | 設計思想 |
|---|---|---|
| 1xx | 情報レスポンス | 処理が継続中であることを通知 |
| 2xx | 成功 | リクエストが正常に処理された |
| 3xx | リダイレクト | 別の場所を参照するよう指示 |
| 4xx | クライアントエラー | リクエスト側に問題がある |
| 5xx | サーバーエラー | サーバー側に問題がある |
4xxはクライアント側のエラーを示す番号帯で、「04」は「見つからない(Not Found)」に割り当てられた連番にすぎない。400が「Bad Request」、401が「Unauthorized」、403が「Forbidden」と続き、404が「Not Found」という並びだ。
ただし、404は技術的に最も身近なエラーであるがゆえに、インターネット文化の中で特別な地位を築いた。毎年4月4日は非公式の「404の日」として親しまれ、多くのウェブサイトがユーモアのある404エラーページを競い合っている。
世界最初のウェブサイトはまだ見られる
世界で最初のウェブサイトは、1991年8月6日にティム・バーナーズ=リーがCERN(欧州原子核研究機構)で公開した。URLは「http://info.cern.ch/hypertext/WWW/TheProject.html」だ。驚くべきことに、このページは今でもアクセス可能だ。
| インターネットの「最初の○○」 | 年 | 詳細 |
|---|---|---|
| 最初のウェブサイト | 1991年 | CERN、ワールドワイドウェブの説明ページ |
| 最初のウェブブラウザ | 1990年 | WorldWideWeb(後にNexusに改名) |
| 最初のバナー広告 | 1994年 | AT&Tの広告(HotWired) |
| 最初の[検索エンジン](/tag/search-engine) | 1990年 | Archie(FTPファイル検索) |
| 最初の[SNS](/tag/sns) | 1997年 | SixDegrees.com |
| 最初の動画アップロード([YouTube](/tag/youtube)) | 2005年 | 「Me at the zoo」(18秒) |
最初のウェブサイトにはデザインらしいデザインがない。青いハイパーリンクが並ぶだけのテキストページだ。しかし、このシンプルなページに込められた「情報を相互にリンクさせる」というアイデアが、現代のインターネットを生み出した。
Wi-Fiの「Fi」は何の略でもない
Wi-Fiは「Wireless Fidelity」の略だと思っている人が多いが、これは正確ではない。Wi-Fi Allianceの創設メンバーであるフィル・ベランガーは、「Wi-Fiは何の略語でもない」と明言している。
経緯はこうだ。1999年、無線LAN技術の業界団体がマーケティング会社Interbrandにキャッチーな名前の考案を依頼した。「IEEE 802.11b Direct Sequence」という技術規格名は一般消費者に馴染まないからだ。Interbrandが提案した候補の中から「Wi-Fi」が選ばれた。「Hi-Fi(High Fidelity)」にかけた語感のよさが決め手だった。
| 技術名 | 一般的な誤解 | 実際の由来 |
|---|---|---|
| Wi-Fi | Wireless Fidelity | 造語(Hi-Fiの語感にちなむ) |
| Bluetooth | 青い歯の技術? | 10世紀デンマーク王ハーラル1世(青歯王) |
| USB | 略語と知りつつ正式名を知らない人が多い | Universal Serial Bus |
| LAN | — | Local Area Network |
その後、「Wireless Fidelity」というバクロニム(後付けの略語展開)が一時的に使われたことがあり、これが誤解の原因になった。Wi-Fi Alliance自身がこの表現を使ったこともあるが、後に撤回している。
Bluetoothは10世紀のバイキング王に由来する
Bluetoothの名前は、10世紀デンマーク王ハーラル1世(Harald Bluetooth)に由来する。ハーラル王は北欧の部族を統一した人物として知られており、無線技術で異なるデバイスやプロトコルを「統一する」という意味が込められている。
Bluetoothのロゴもハーラル王に関係がある。ロゴはルーン文字のH(ᚼ)とB(ᛒ)——ハーラル・ブルートゥースのイニシャル——を重ね合わせたものだ。毎日スマートフォンで見ているあのロゴの中に、1000年前の北欧文字が隠されている。
「@」マークのインターネット以前の歴史
メールアドレスに使われる「@」マークは、1971年にレイ・トムリンソンが最初の電子メールシステムで「ユーザー名@コンピュータ名」の区切りとして採用した。トムリンソンがこの記号を選んだ理由は、キーボード上にあるが、人名やコンピュータ名にはまず使われない文字だったからだ。
| 言語 | 「@」の呼び名 | 由来 |
|---|---|---|
| [日本](/tag/japan)語 | アットマーク | 英語のatから |
| イタリア語 | chiocciola(キオッチョラ) | カタツムリ |
| ドイツ語 | Klammeraffe(クランマーアッフェ) | 蜘蛛猿 |
| 韓国語 | 골뱅이(コルベンイ) | 巻き貝 |
| チェコ語 | zavináč(ザヴィナーチ) | ニシンの酢漬け(丸まった形) |
「@」自体の歴史はインターネットよりはるかに古く、中世の商業記録に「at the rate of(単価)」の意味で使われていた記録がある。6世紀の修道士がラテン語の「ad」を速記するために「a」の周りに「d」を巻きつけて書いたのが起源とする説もある。
日常に溶け込んだ技術の裏側
404エラーの番号に部屋番号の物語はなかったが、Wi-Fiの「Fi」に意味がないという事実や、Bluetoothの名前がバイキング王に由来するという真実は、フィクションよりも面白い。
インターネットは、数学者のスペルミス、北欧の王、修道士の速記法、そして数え切れない偶然の積み重ねでできている。次にWi-Fiに接続するとき、Bluetoothイヤホンをペアリングするとき、404エラーに出会ったとき——その裏に眠る物語を思い出してみてほしい。テクノロジーの歴史は、思っていたよりもずっと人間臭い。