Anthropicは3月9日、米国防総省(Pentagon)がClaudeを「サプライチェーンリスク」に指定したことに対し、トランプ政権を相手取った訴訟を提起した。指定の発端は、同社CEO・ダリオ・アモデイ氏が自律型兵器や国内監視目的への自社モデルの利用を拒否したことだ。
「自律型兵器への利用拒否」が発端
国防長官ピート・ヘグセス氏は3月3日、Anthropicをサプライチェーンリスクとして正式に指定した。これにより、国防総省との契約企業はClaudeを業務に使用していないことを証明する義務が生じる。Anthropicはカリフォルニア北部地区連邦地裁とワシントンD.C.の連邦控訴裁判所に訴状を提出し、政府の措置が自社の修正第1条の権利を侵害するものであり、サプライチェーンリスク法の適用範囲を逸脱していると主張している。
MicrosoftやAIA、ITIなど業界団体が法廷支援
3月16日、AI産業協会(AIA)や情報技術産業協議会(ITI)などの業界団体が法廷意見書(アミカスブリーフ)を提出し、指定の一時停止を求めた。Microsoftも連邦裁判所に対し、同指定を阻止する仮差し止め命令の発令を要請。「Huaweiなど外国の敵対勢力向けに設計された制度を、米国のAI企業に適用することは、米軍が利用するAI能力を損なう」と批判している。
3月24日に審理——業界全体の行方を左右する
仮差し止め命令に関する審理は3月24日に予定されている。今回の訴訟は単なる1社の問題にとどまらず、政府がAI企業のモデルポリシー(倫理的制約)に対してどこまで関与できるかという先例を形成する可能性がある。AIの安全方針を巡る政府と民間企業の対立は、今後の規制の枠組みにも影響を与えるとみられる。
ソース:
- Anthropic sues Trump administration over Pentagon blacklist — CNBC(2026年3月9日)
- Tech firms back Anthropic in Pentagon lawsuit — Axios(2026年3月16日)
- Trump administration defends Anthropic blacklisting in US court — Al Jazeera(2026年3月18日)
- Microsoft Backs Anthropic in Pentagon Blacklist Battle — The Silicon Review(2026年3月)
