「保険に入りすぎていませんか」——この問いにドキッとするエンジニアは多いのではないか。日本人の平均的な保険料は月額約3万円(生命保険文化センター調べ)。年間36万円、30年間で1,080万円だ。この金額を投資に回していたら、年利5%で約2,500万円になっていた計算だ。
会社員エンジニアの社会保険でカバーされるもの
| リスク | 社会保険の保障 | 内容 |
|---|---|---|
| 病気・ケガ | 健康保険 | 医療費の自己負担は3割。高額療養費制度で月の上限あり |
| 長期の病気 | 傷病手当金 | 標準報酬日額の2/3が最長1年6ヶ月支給 |
| 障害 | 障害年金 | 障害の程度に応じて年金が支給 |
| 死亡 | 遺族年金 | 遺族基礎年金+遺族厚生年金が支給 |
| 失業 | [雇用](/tag/employment)保険 | 失業手当が90〜330日支給 |
| 労災 | 労災保険 | 業務上のケガ・病気は全額補償 |
多くの人が見落としているのは、社会保険の保障が想像以上に手厚いことだ。高額療養費制度を使えば、年収600万円の会社員の場合、1ヶ月の医療費の自己負担は約8万円が上限。100万円の手術を受けても、実質の負担は8万円程度で済む。
民間保険が必要なケース・不要なケース
| 保険の種類 | 必要度 | 必要な人 | 不要な人 |
|---|---|---|---|
| 生命保険(死亡保険) | 条件付き | 扶養家族がいる(配偶者・子ども) | 独身、共働きで子どもなし |
| 医療保険 | 低い | 貯蓄が少ない(100万円未満) | 貯蓄が十分にある(200万円以上) |
| がん保険 | 低い | 家族にがん罹患歴が多い | 高額療養費制度+貯蓄で対応可能 |
| 就業不能保険 | 中 | [フリーランス](/tag/freelance)(傷病手当金がない) | 会社員(傷病手当金がある) |
| 個人賠償責任保険 | 高い | 自転車に乗る人(義務化地域あり) | — |
| 火災保険 | 高い | 賃貸・持ち家問わず必要 | — |
| 自動車保険 | 高い | 車を所有している人 | 車を持っていない人 |
独身エンジニア(年収600万円)の保険見直し例
| 保険 | 見直し前(月額) | 見直し後(月額) | 理由 |
|---|---|---|---|
| 生命保険 | 8,000円 | 0円(解約) | 扶養家族がいないため不要 |
| 医療保険 | 5,000円 | 0円(解約) | 貯蓄300万円+高額療養費制度で対応可能 |
| がん保険 | 3,000円 | 0円(解約) | 同上 |
| 個人賠償責任保険 | 0円 | 200円(新規加入) | 自転車事故のリスクに備える |
| 火災保険 | 1,500円 | 1,500円(継続) | 賃貸でも必須 |
| 合計 | 17,500円 | 1,700円 | 年間約19万円の削減 |
この例では、月額15,800円(年間約19万円)の削減になる。この19万円を年利5%で30年運用すると、約1,300万円だ。
フリーランスエンジニアの保険戦略
| 保険 | 重要度 | 理由 |
|---|---|---|
| 国民健康保険 or 文美国保 | 必須 | 加入義務あり。文美国保のほうが保険料が安い場合がある |
| 就業不能保険 | 高い | 傷病手当金がないため、長期の病気に備える |
| 生命保険(掛け捨て) | 条件付き | 扶養家族がいる場合は必要 |
| 所得補償保険 | 中 | フリーランス収入の途絶リスクに備える |
| 小規模企業共済 | 高い | 退職金の代わり+全額所得控除 |
フリーランスは会社員と違い、傷病手当金がない。長期の病気やケガで働けなくなったときのリスクが大きいため、就業不能保険の加入は真剣に検討すべきだ。月額3,000〜5,000円で、就業不能時に月額10〜20万円の保障が受けられる。
保険は「万が一のリスク」に備えるものであって、「貯蓄」や「投資」の代替ではない。貯蓄型の保険は手数料が高く、純粋な投資商品に比べてリターンが低い。「保険は保険、投資は投資」で分けて考えるのが合理的だ。あなたの保険料は、本当に必要なリスクだけをカバーしているだろうか。
なお、本記事は一般的な保険知識の解説であり、個別の保険選択のアドバイスではない。具体的な判断はFPや保険の専門家に相談されたい。
